マイニングとは?
暗号資産をマイニングすると報酬がもらえる
マイニングとは、ビットコインなどの暗号資産で、新規の取引情報を解析し、ブロックチェーンを作成する作業。膨大な量の計算が必要となるため、計算資源を提供した者には報酬としてその通貨が与えられる。
ビットコインなどの暗号資産は、全ての取引がブロックチェーンに記録されており、日々新しい取引が次々と追記されていきます。その追記の処理をおこなうときに、現在までのデータと、追記の対象期間に発生した全ての取引データの整合性を取りながら正確に記録することが求められます。
ブロックチェーンの台帳への記録が書き込み待機中となっている取引を承認させるときに「マイニング」という処理がおこなわれます。
マイニングとは、ブロックチェーンの安全性を高めるためにおなこう処理で、膨大な数学的計算を繰り返し「ナンス(Nonce)」と呼ばれる数値を探すことを指します。ある単純な計算をパラメーターを変更しながら総当たりで繰り返し、一定の条件を満たしたパラメーターである「ナンス」を求めます。そして、この計算を行うためには、大量のコンピュータハードウェアと電気代が必要となります。よって、運良くナンスを見つけた場合には、その対価として、マイニングの成功報酬と、承認した取引に設定された手数料を受け取ることができます。
採掘難易度とは、Difficulty(ディフィカルティー。英語で「難易度」)とも呼ばれ、マイニングによりブロックを生成する際の「ナンスを見つける難易度」のことです。具体的な計算方法はコンセンサスアルゴリズムによって異なります。
マイニングの計算概念は、簡単に表すと、これから確定するブロックのハッシュ値がある閾値(Difficulty Target)より小さくなれば良いというものです。これは値が小さいほどマイニングが難しくなります。
ハッシュレートとは、マイニングマシンの計算力の測定単位です。hash/s(1秒間に計算できるハッシュ数)という単位が使われ、K(キロ)・M(メガ)・G(ギガ)・T(テラ)などの単位と合わせて使われます。ハッシュレートが1TH/sに達したということは、1秒あたり1兆回ハッシュの計算を行うことができるということです。
マイニングの種類と特徴は主に5種類あります。
1.CPUによるマイニング(スマホ含む)
長所…手軽にマイニング可能 短所…報酬が少ないので赤字の場合が多い
appleは、ハッカーの温床になるためスマホアプリでのマイニングを禁止しています。
2.GPUによるマイニング
長所…マイニング可能なコイン全てに対応 短所…自作するには機器の設定知識が必要
3.ASICによるマイニング
長所…採掘量がダントツ多い 短所…特定のアルゴリズム(コイン)にしか対応していないので、赤字になると使えなくなる
4.クラウドマイニング
長所…すぐに始められる 短所…報酬をもらえない場合もある
5.ブラウザマイニング
長所…手軽である 短所…使用方法を誤ると逮捕される場合もある
CPUマイニングは、マイニング導入期に利用された。
ブラウザマイニングは、世界中のハッカーが利用しているが、その割合は少ない。
現在ではGPUマイニングとASICマイニングがマイニング市場を二分している。
クラウドマイニングは、GPUやASICでマイニングした報酬を参加者に分配している。
GPUマイニングとASICマイニングについて、詳しく解説していきます。
ASICマイニング BTC編
2018年始め頃「GPUマイニングしてるのは、日本くらいですよ!」とよく耳にしました。
海外のマイニングファームといえば、antminer S9がずらっと並んだものが多いです。
2016年6月の発売以来、ダントツのハッシュレート11.5Th/sでビットコインを掘り続けてきたS9。
2017年7月には、13Th/sにバージョンアップ。
2017年11月には、14Th/sにバージョンアップ。
BTCマイニングのトップに君臨していたS9は、2018年2月頃から市場に在庫が出回り、50万円くらいで取引されていた価格は一気に下落しました。
在庫が出回ると言うことは、BTCのマイニングプールの総ハッシュレートが上がり、収益が減るのです。上右図のBTC総ハッシュレートは、2018年1月頃から一気に上昇しています。
上図は、BTCのマイニング総報酬の推移です。年末のBTC価格の下げ、3月にはマウントゴックスの430億円BTC売りがBTC価格を更に下げ、その後も毎月マウントゴックスのBTC売りは続きBTCの価格下落が続きS9の収益も減り続けました。
antminer S9i 14Th/sの収益推移(電気代15円/kWhの場合)
2018年
5月第3週…月間収益約12,000円
5月第4週…月間収益約 8,600円
5月第5週…月間収益約 8,500円
6月第1週…月間収益約 4,800円
6月第2週…月間収益約 2,100円
BTCマイニングを脅かすもう一つの脅威が7nm ASICの登場です!
GMOから10月に発売予定のB2は、S9の約2倍の24Th/sという性能です。
GMO B2 24Th/sの収益予測
6月第2週時点の収益予測…月間収益約 8,400円
本体価格が1990ドルなので、26ヶ月収益を維持しないと赤字です。
GMOのB2は今年始めのマイニング市場と、今後のBTC価格高騰を元に計画されたのでしょうが、現時点では非常に厳しい状況です。
BTCマイニングは、性能の良いマイニング機器を安い価格で購入し、海外の安い電気料金で管理コストを抑えて運用して初めて利益を得られるでしょう。
ASICマイニング アルトコイン編
BITMAIN社のASICのGPUマイニング市場への積極的な参入
BTC以外のマイニング市場はさほど大きくないために、GPUの20倍くらいの性能を持つASICの参入により 、GPUマイニング報酬は大きく減少する。
モネロは、ASICによる影響を考慮しハードフォークを行った。
マイニング導入期を席捲してきたASICですが、かなり厳しい状況に追い込まれています。
2018年1月にantminerA3がサイアコインマイニングに参入
1日5万円の収益を得ていましたが、稼げたのも数週間収益は徐々に減り、4月には3.83Th/sのライバル機が2つ登場したため、6月には赤字転落。。。ヤフーオークションで投売り状態!
2018年3月にantminerX3がモネロマイニングに参入
約130万円の販売価格でしたが、1日2万円以上の収益!
初期ロット完売で、次回は6月出荷約80万円!
モネロのハードフォークが発表され、約20万円に値下げ!
2018年5月にantminerB3がBytomマイニングに参入
antminerB3は、5分で2500台を売り切る人気だったにもかかわらず、マイニングできないトラブルが多発 しため即発売中止になった。
2018年6月7日にInnosilicon A9 ZMasterがZcashマイニングに参入
6月7日に出荷されたInnosilicon A9 ZMasterは、1日150ドルの収益だったが、10日後には1日100ドルに 減少する。6/20頃には、同じZcashマイニングのantminerZ9 miniが出荷されるので、収益は更に減少するでしょう。
100万円の販売価格なので、投資金額回収は厳しいでしょう。
2018年6月20日頃、antminerZ9 miniがZcashマイニングに参入
厳しい機種になりました。。。出荷前に8月出荷分の定価 を1990ドルから半額以下の850ドルに値下げしたのが全てを物語っている。
2018年7月にantminerE3がイーサリアムマイニングに参入
約20万円で予約販売されたantminerE3ですが、来月の出荷前に既に収益が下落しています。
恐らく、そろそろ定価も下げられるでしょう。
2018年発売のASICの収益と総ハッシュレートの関係
基本的に利益が取れるASICが開発され発売されます。
発売当初は非常に儲かりますが、ASIC出荷量が増えると総ハッシュレートが増えてマイニング量が減ります。
一般的に発売から1ヶ月が非常に儲かる機種が多いです。
初期ロット購入は、その機種の寿命の予想が重要です。
7月出荷予定のASIC
Innosilicon A9 ZMasterとantminerZ9 miniと同じアルゴリズムなので、このASICも厳しいですね。しかも価格は約160万円。。。
GPUマイニング編
GPUマイニングは、自分で好きなGPUを決めて、自作するのが主流です。
仕上がりは、こんな感じです。
GPUの種類と枚数を入力すると、どのコインでどのくらいの収益が得られるかシミュレーションしてくれるサイトを参考にマイニングすると良いでしょう。
GPUを選択して、GPUの枚数を入力して、電気代を入力して、Caluculateでシュミレーション!
2018年6月20日時点では、GTX1070Tiは、Nicehashが良いようです。
Nicehashは、1種類のコインだけでは、収益が良くないので、自動で様々なコインを切り替えてより良い収益でマイニングしてくれるプールです。
例えば、GTX1070Tiだと、こんなに頻繁にコインを切り替えてマイニングしています。
GTX1080Tiの場合はこんな感じ
RX470の場合はこんな感じ
ASICが様々なコインをマイニングする新製品を発売したため、GPUマイニングもマイニングするプールを切り替えて、より良い収益を得るための工夫が必要になりました。
マザーボードは、GPUが20枚搭載可能なものが2018年第3四半期に発売予定!
ASUS H370 Mining Master
複数のマイニングリグを作成する場合、マザーボード、CPU、などの部品代金を節約することで、利回りを改善できるケースがあります。そうゆう時に20枚搭載可能なマザーボードは役に立ちます。OSの制限があったり、使用可能なソフトが限られたりといったデメリットはありますけど。。。
GPU20枚ってこんな感じです!圧巻!
NVIDIA GTX 1180 もうすぐ発売!
発売当初は、定価も高いので利回りは厳しいかもしれないですね。