マイニングではマシンを酷使することとなるため、採掘中に発せられる熱を冷却することは非常に重要なことです。
現在はマイニング機器のほとんどは電動ファンで冷却されていますが、そのファン相当の音を立ててフル稼働しないとマシンを冷やすことが難しく、マイニングファームともなると電動ファンの音が凄まじいことになっているほど、マイニング業界の競争は激化しています。
このように、マシンの冷却はマイニング作業と同じくらいに重要なことなのです。
もしこれを怠ってしまうと、マイニングで利益を得るどころか大きな損失を被る可能性もあります。
将来的にASIC耐性のある仮想通貨の登場などで個人マイナーも力を持ち始める時代が来る可能性があるため、企業だけでなく個人でマイニングをされている方も冷却を甘く見ていると痛い目をみる時代がくることが推測できます。
冷却を怠ったせいでマイニングどころではなくなる前に、冷却の重要性を確認していきましょう。
自宅マイニングは冷却を甘く見ていると火災が発生する恐れがある
先ほども述べたように、マイニングではマシンを酷使することとなるため、演算中には相当な熱を発することになります。
さらに最近はマイニング競争が激化していることから、以前よりも火災リスクは高まっています。
さらに、自宅マイニングはマイニングファームよりも火災リスクが高いと考えられます。
それはどういうことかというと、発火するための条件をマイニングが整えてしまう恐れがあるからです。酸素があること、可燃物があること、そして発火点と呼ばれる温度まで上昇するという条件が揃うと、どんなところでも火災が発生します。
マイニングファームはこれらの条件が揃わないように管理されていますが、自宅となると十分な火災対策をとらずに放置してしまうケースがあるため、火災リスクが高まってしまうのです。
実際に、自宅マイニングでマシンを放置していたことによる火災事例が多くなってきています。
火災が起こってしまうとマイニングができないばかりか機材を再び揃える必要があるうえに、下手をしたら家の資産を失いかねません。
火災リスクの理解を深めるためにも、以前掲載した自宅マイニング火災事情についてのさらに詳しい内容に、一度目を通すことをおすすめします。
これからの時代は電動ファンによる空冷から液体に漬ける水冷が主流になる?
マイニング競争の激化は凄まじく、それに伴ってマシンの冷却に対する状況も深刻化しています。
そんな中、香港の企業であるAllied Control社が浸漬冷却技術の提供を始めています。
浸漬冷却技術は特別に配合された液体にマシンを浸して稼働させ、液体が気体になる際に熱を拡散させる技術です。
水冷PCのような、冷却液を冷媒として熱を移動させた後任意の場所で放熱する仕組みとは違い、特別な液体を入れた水槽の中にマシン自体を沈めて稼働させるようです。
現在の主流は電動ファンによる空冷ですが、液体の中にマシンを直接浸けてしまった方が冷却効率が良さそうなイメージですね。
この技術はすでに実用化が行われており、ジョージア州のマイニング施設であるBitFuryは没入型冷却のgreentechを導入しているようです。
浸漬冷却技術は導入コストが高額なほか、マシンの故障を防ぐために冷却液をろ過することで清潔な状態を保つ必要があるなど、施設の建設や維持にそれなりのコストがかかりますが、電動ファンと並ぶ冷却方法になる可能性は十分あると考えられます。
もしかしたら、電動ファンによる冷却は時代遅れだといわれ、水冷が主流になる日が来るかもしれません。
また、マシンに加えて冷却にも膨大な電力がかかるなどの環境負荷を軽くしたり、冷却効率を今まで以上に高くするなど、冷却技術はマシンの性能の向上と共に、今後もさらに進化していく可能性があります。
自宅マイニングでも十分冷却対策をとることは安全確実にマイニングをする必須条件
電動ファンの使用から直に液体にマシンを付けて冷却する企業も登場するなど、マイニングにおいてマシンの冷却がいかに重要であるかお分かりいただけたかと思います。
マシンは熱を持つと火災の原因になり得るうえに、マシンの劣化を早めて演算機能の低下を招く可能性もあります。
たとえ自宅でのマイニングといっても、マシンの冷却は火災などの危険から身を守ることに加えて、採掘効率を少しでも高めて報酬を獲得するためにも必須であるといっても過言ではありません。
将来的に、自宅マイニングでも浸漬冷却ができる技術が開発されたり、他の冷却技術が開発されるかもしれません。
それまでは、現段階において自宅でできる冷却対策はできる限りしておくことが得策だと考えられます。
たとえば、マシンの近くに木製やプラスチック製のラックといった可燃物を置かないことや、ホコリが発火原因とならないように常に部屋の隅々まで清潔に保つなどが挙げられます。
しかし、自宅でのマイニングにおいて発火を防ぐにはそれなりの時間と労力がかかります。
そのため、本格的にマイニングをするなら火災対策がしっかりとられている専門のマイニングファームをレンタルした方が安全であり、安全に運用するための労力や時間をマイニング以外のことにあてられて、より充実したマイニングライフを送ることができると思います。