ファイルコイン(FIL)では記憶スペースがマイニングの対象になります。その仕組みや具体的な方法について後編では解説していきたいと思います。ファイルコインについての基礎的な知識は前編で解説していますので、この記事からお読みになっている方はぜひ前編からお読みください。
ファイルコインでは記憶スペースをマイニングする
前編でも解説したように、一般的な暗号資産のマイニングではブロックチェーンの台帳記録をした人に報酬が支払われる仕組みになっていますが、ファイルコインでのマイニングとはファイルコインのサービスを利用する人のために記憶スペースを提供した人に対してトークンのFILが支払われます。
極端な話をすれば、自宅の使っていないパソコンの記憶容量を自分ではなくファイルコインのストレージサービス利用者に提供することで、その報酬が得られるイメージです。さすがにそれだと非効率的なのであまり現実味はありませんが、基本的な考え方は同じです。
これだと他人が保管しているデータを見れてしまうのでは?と感じるかもしれませんが、それはありません。暗号化されて分割されたデータが各マイナーのもとに保管されるので、それぞれのデータ単体では全く中身を知ることはできません。これもファイルコイン利用者から評価されている点で、既存のクラウドストレージサービスよりも最終的には安全性が高いといわれるようになるかもしれません。
ファイルコインマイナーはデータセンターを利用している
ファイルコインのマイニングをするには、専用のサービスがあります。自宅のパソコンなど自分で管理するスペースではなく、サーバーホスティング業者がファイルコインに提供するために用意したサーバースペースを使うのが一般的です。これなら停電や自宅でパソコンをつけっぱなしにすることによる電気代や火災などのリスクもありません。もちろんサーバー利用料は発生しますが、それ以上に受け取るFILの価値が高ければその分が儲けになります。
つまり、ファイルコインのマイニングは自宅などに何も用意する必要はなく、もちろんパソコンがなくても取り組むことができます。
マイニングと運用がワンセットになったサービスがおすすめ
ファイルコインはビットコインを超えるのではないかとまでいわれる暗号資産です。そのため世界中に多くのファイルコインマイニングサービスがあります。もちろん日本にもあるので、日本からマイニングをしたい方は日本国内のマイニング業者を利用するのが良いでしょう。日本は電力供給やネット通信の速度が安定しているので、実はこうしたデータセンターを運営するのに適した国です。ファイルコインのマイニングは中国が中心ですが、中国では暗号資産そのものが禁止されて締め付けが厳しくなっているので、海外の業者を使うには相応のリスクがあります。
日本国内にあるサーバーホスティング業者でファイルコインマイニングサービスを提供いているところは検索するとすぐに見つかるので、こうした業者に一括の運用を依頼するのがセオリーです。
そしてマイニングで得られたFILを保有するために、暗号資産取引所にも口座を開設しておきましょう。残念ながら日本国内の取引所でFILを取り扱っているところがないので、海外の主要な取引所にも口座を開き、マイニングで得られたFILをビットコインやイーサリアムなど国内の取引所でも交換が可能な暗号資産に交換して、国内の取引所に保管しておくと安心です。