暗号資産マイニングのハッシュレートがどんどん高くなるのにつれて、個人が自宅のパソコンで参加するといった手軽さはなくなってしまいました。もちろんビットコインなど主要な暗号資産以外であれば今も自宅パソコンでのんびりとマイニングをするといった牧歌的な風景も見られますが、収益性を考えると、やはり多くのマイナーが狙うのはビットコインでしょう。
もはや個人レベルでのマイニングが困難になったビットコインのマイニングに個人が参加できる方法として登場したのが、クラウドマイニングです。実際のところ、クラウドマイニングってどうなのでしょうか?利回りやリスクなどについて、前編と後編にわたって解説したいと思います。
クラウドマイニングとは何か
クラウドマイニングとは、そのサービスを提供している業者が運用しているマイニングマシンの一部を借りて、そのマシンが採掘したビットコインなどの暗号資産の「分け前」をもらうことができるサービスです。
近年ではあらゆるものが「クラウド」化していますが、クラウドマイニングは個人レベルでできなくなったマイニングをクラウド化したサービスといえます。
現在、個人がビットコインのマイニングに参加する方法としては最もハードルが低いといって良いかもしれません。
クラウドマイニングとプールマイニングの違い
個人レベルでは困難になっているビットコインのマイニングに、大勢が集まって参加することで戦いを有利にするのがクラウドマイニングの基本的な考え方です。
実はこれとよく似た考え方で考案され、運用されているサービスがあります。それは、プールマイニングです。こちらも個人レベルでは太刀打ちできないビットコインマイニングに対して、多くのマイナーが集まることで勝算を高める手法です。
考え方はよく似ているのですが、クラウドマイニングとプールマイニングには決定的な違いがあります。それは、マイナー自身がマイニングマシンを手元に置いて稼働させるか否かです。クラウドマイニングは業者側がマシンを維持・管理して投資家は何もしなくても良いのですが、プールマイニングは個々のマイナーが運用しているマシンの能力を集めてハッシュパワーを生み出すものなので、マイナー自身がマイニングマシンを稼働させておく必要があります。
もちろん収益性の観点ではプールマイニングのほうが手間やコストがかかる分だけ好条件になりやすいですが、専門的な知識も求められるため、ハードルは高めです。
選択肢は取引所か専門業者か
やはり初心者にとって最も手軽なのはクラウドマイニングということになるわけですが、それではどんな業者がクラウドマイニングを提供しているのでしょうか。
大半の業者は、クラウドマイニングを専門的に行っています。一部に暗号資産の交換所や大手金融グループなどの子会社が提供していることもありますが、クラウドマイニングには専門の業界があって、そこには専門の業者があると考えたほうが良いでしょう。
しかも、大半は海外です。日本で目ぼしいクラウドマイニングの業者といえば、SBIグループのsbicryptoくらいしかないのが現状です。
この部分が、日本国内で暗号資産のクラウドマイニングがイマイチ盛り上がらない、知名度が向上しない理由ではないかと筆者は感じています。