近年、ビットコインの半減期が話題になっています。暗号資産の中でも時価総額が最大、今も暗号資産の筆頭格として君臨しているビットコインだけに、半減期については注目度が高くなるのも当然でしょう。
半減期によってマイニング事情も大きく変化しており、今回は3回に分けてビットコインの半減期とマイニングの関係について考察したいと思います。
ビットコインの半減期とは
マイニング報酬が「半減」することを、半減期といいます。マイニング報酬のためには新規にビットコインを発行するため、マイニング報酬が高いほど市場に供給されるビットコインの量は多くなります。暗号資産もリアル世界の貨幣と同じで、通貨の流通量が増えると相対的な価値が下がりやすくなります。ビットコインは暗号資産の雄として700万円近くにまで上昇した力をもっているため感覚を掴みづらい部分がありますが、無尽蔵にビットコインが供給されると、さすがのビットコインも価格の下落圧力が強まってしまいます。
半減期はこうした供給過多による価値の低下を防ぐためのもので、これまで4年に1回のペースで半減期が到来しています。
今では信じられないかもしれませんが、ビットコインが登場した当初はマイニング報酬が1ブロックあたり50BTCもありました。仮に1BTC=200万円だとすると、1ブロックあたり1,000万円もの報酬が得られたことになります。もっとも、この当時はビットコインの価格が高騰していなかったため、この頃に獲得したビットコインを持ち続けていたマイナーは億万長者になっていたことでしょう。
直前のビットコイン半減期は2020年だったので、次の半減期は2024年です。2020年の半減期では1ブロックあたりの報酬が6.25BTCだったので、次はそれがさらに半分になる見通しです。
半減期ではビットコインの価格が高騰する
供給過多による価格の下落を抑えるために実施されるのが半減期です。これは逆に考えると、半減期によってマイニング報酬が少なくなると供給量も減るため、ビットコインの価格は上昇しやすくなります。事実、これまでの半減期ではビットコインの流通量が抑えられるとの思惑からビットコインの価格が上昇しており、「半減期=価格上昇」というのが暗号資産のセオリーとなっています。
しかも暗号資産はボラティリティ(変動幅)がとても大きいため、2024年の半減期でも大幅な上昇が起きても不思議ではありません。
しかし、ビットコインの半減期はマイナーにとっては災難でもあります。なぜなら、1ブロックあたりの報酬が半分になってしまうため、投資の回収に倍の時間がかかることを意味するからです。
中編では、半減期に向けてマイナーはどう動くのかを解説します。