違和感だらけのEVシフト、EVが次世代の主役になれるか疑わしい理由

石橋大右

2024.1.29 環境問題石橋の考え

違和感だらけのEVシフト、EVが次世代の主役になれるか疑わしい理由

こんにちは、石橋です。
今回は、やたら話題のEV(電気自動車)についての私見を述べたいと思います。

世界的にEVのシェアがどんどん高まって、日本は出遅れている。世界最大のEV大国である中国が今後世界の自動車市場を席巻する・・・なんて話を見聞きしたことはないでしょうか?
実際にEVのシェアが徐々に高まっているのは確かなのですが、こうした一連の報道や論調に違和感しかないのが、私の意見です。EVは走行中に二酸化炭素を排出しないクリーンなクルマといわれています。再エネ企業の代表者なのに、環境優等生のEVに懐疑的なのは、おかしいのでは?と指摘されるかもしれません。しかし私は、そもそもEVが環境優等生ではないと思っていますし、むしろ環境破壊を深刻化させるのではないかとすら思っています。
それでは、その根拠を語っていきましょう。

まず、EVは電気で走りますが、発電をするには石炭やLNG、原子力などが必要です。太陽光発電で生み出した電気でEVが走る未来がやってきたら、それは理想です。しかし、今の太陽光発電にそこまでの能力はありませんし、それを太陽光発電だけでやろうとすると膨大なメガソーラーが必要になり、それこそ広大な山林を切り開く必要があります。EVのために自然破壊をしていいはずはありません。
そうなると原子力が有望になるわけですが、日本では原子力発電所の再稼働が思うように進んでいません。EUはすでに原子力はクリーンエネルギーと定義していますが、感情論や原発反対を唱えると儲かる人たちにとっては都合が悪いので、日本ではあまり知られていない事実です。原発からの安定的かつ豊富な電力供給がなければ、日本でEVを満足に走らせることは困難です。石炭火力やLNG火力を使えばできることかもしれませんが、それも二酸化炭素を発生させます。

次に私が問題視しているのは、今どんどん排出されているEVの廃車による環境破壊です。EVには大きなバッテリーが搭載されており、これを安全に処分するにはコストがかかります。世界最大のEV大国である中国ではすでにこの問題が起きており、処理にコストがかかることを嫌った業者が大量のEVを野ざらしにしているとの報道もありました。この放置されたEVから漏れ出てくる環境汚染物質が、やがて中国の大地を汚していくことでしょう。他国に「汚染水」などと言いがかりをつけている場合ではありません。
また、EVには寒さに弱いという決定的な弱点があります。日本国内でも冬になると大寒波が襲来し、高速道路で立ち往生が発生することがあります。こうした時にガソリン車、ディーゼル車であればエンジンの熱があるので暖房を使い続けられるのですが、EVには熱源がありません。そのため、電気の力で暖房をするわけですが、そうなるとバッテリーを早く消費してしまいます。バッテリーが切れた車内で凍死という笑えない事件が、海外では実際に起きています。しかも米国ではEVの充電スタンドが寒波で凍り付いてしまい、充電ができないEVが続出しているそうです。

こうした事実が浮き彫りになることにより、特に先進国ではEVに対して懐疑的な見方が出始めており、そのことは販売実績にも影響が出ています。それに代わって好調なのが、日本のお家芸であるハイブリッド車です。ガソリン車とEVの両方の機能を備えて「いいところ取り」をしているので、ハイブリッド車に目が向くのは当然といえます。特にトヨタのハイブリッド車技術は世界最高で、EVよりもはるかに環境性能が高いことで知られています。このことに気づいた人は、徐々にEVからハイブリッド車にシフトしているわけです。

そもそも、世界的なEVシフトの目的は露骨な日本車潰し、トヨタ潰しです。ガソリン車やハイブリッド車の技術で日本に勝てない欧米や中国のメーカーがEVシフトを打ち出し、世界的なキャンペーンを張ってきたのが今の状況につながっています。「何となくEVが良さそう、未来な感じがする」と世界中が群がったものの、よく見ると使い物にならない、しかも環境性能が高いとは言えないことに気づき、EVから離れる人が増え始めているわけです。
欧米諸国では補助金があったからこそEVが売れていただけで、補助金が終了した途端に売れなくなったとの指摘もあります。世界トップのEVメーカーであるテスラ社の株価が暴落していることからも、EVの凋落傾向を見て取ることができます。

今後、充電スポットの拡充や電力源の再生可能エネルギー化が進むなど、社会全体のEVシフトが起きるようであれば、それは価値があることかもしれません。しかし、今の状態のEVが世界のスタンダードになる、そうならなければならないといった論調には、特定の誰かを利し、日本の自動車産業にダメージを与えるための何か怪しげな思惑があると言わざるを得ません。

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