家電メーカーの名門、シャープが苦境に立たされています。
史上最大の赤字を計上し、このままではシャープはつぶれてしまうのでは?という噂までもっともらしく流れているほどです。
しかし、シャープは言うまでもなく日本の名門です。
弊社、和上住電も太陽光発電ではとても深い関係にある会社です。
これは弊社に限らず、太陽光発電を取り扱っている会社であれば、どこでもシャープについての評価は同じでしょう。
そんなシャープに対して、まず手を差し伸べた会社があります。
それは、台湾の大手メーカー鴻海です。
受託生産で世界一に登り詰めた台湾の名門ですが、この鴻海の郭会長という人物はかなり個性が強く、ある面白い思いを持っています。
その思いとは、大のサムスン嫌いです。
サムスンとは韓国の大手メーカーで、現在はスマートフォンや液晶テレビなどで大きなシェアを持っていることで知られています。
かつて海外事業でサムスンに大きく裏切られたことがあるらしく、その時の恨みが今でも強く残っているそうです。
それ以前に台湾は韓国嫌いの人が多いですから、そういうベースも関係あるのでしょう。
その郭会長がシャープの苦境を知るや、何せ液晶の世界ブランドですから早速オファーしたわけです。
もちろん、目的はシャープとの連合による打倒サムスンです。
現在でも提携の協議は進んでいるようですが、その後あまりニュースに出てこなくなったので、もしかすると協議は難航しているのかも知れません。
何せ数百億円というお金が動くことですから、そう簡単にはいかないのでしょう。
そんな折、シャープを巡るニュースが相次いで報道されています。
インテル、アップル、デル…世界の名だたるIT企業が続々とシャープとの提携や資本参加を模索しているというのです。
目的は明らかで、シャープが持つ高い液晶などの技術を、シャープが苦しんでいる今だからこそ手に入れたいのです。
シャープは「イグゾー」という最新の液晶ディスプレイを開発しており、どうやらこれを自社の製品に搭載するために有利な立場になりたいという思惑があるようです。
インテルについては、早速交渉の結果が出ています。
300億円規模の転換社債を購入して、事実上の資本参加をするというニュースが流れたので、インテルの時期端末にはシャープの液晶が搭載されることでしょう。
巨額の赤字決算となり、シャープが苦境に立たされているのは事実です。
だからといって、シャープがこのままつぶれるという可能性は、おそらくないでしょう。
なぜなら、これだけ世界の名だたる企業が言い寄ってくるだけの魅力がある企業だからです。
そのベースになっているのは、言うまでもなく技術。
ニッポンのものづくりはもうダメだという悲観的な意見をよく耳にします。
本当にダメなら、なぜこれだけ世界がシャープに興味を持つのでしょう?
ニッポンのものづくりが今、どんな状況に置かれているのか。
これからのものづくりはどうあるべきなのか、シャープを巡る攻防戦は、それに対する明確なヒントが与えられていると思います。