ついに新元号が発表され、平成から令和の時代に突入することとなりました。
平成はあらゆる場面において激動の時代でした。
例えば、携帯電話が登場してからスマートフォンが登場し、さらにSNSが普及するなどして人々の生活スタイルが変化する一方で、大震災や各国でテロ事件は発生するなど世界的でも大きな事件や自然災害などのニュースが目立つ時代でもありました。
このように激動の時代ともいえる平成に生まれた仮想通貨の今までを振り返り、令和となってから仮想通貨市場はどうなっていくのかを紐解いていきたいと思います。
平成に生まれた仮想通貨(暗号資産)市場の軌跡
仮想通貨のアルゴリズムに欠かせない技術であるブロックチェーンは平成に生まれ、かなりの早さで改善が繰り返され、目覚ましい進歩を遂げてきました。
それとともに、ビットコインを始め様々な仮想通貨が誕生しました。
そして、仮想通貨元年とも呼ばれている2017年に法改正で仮想通貨が決済手段として定義されたことを皮切りに、ビットコインやイーサリアムなどが軒並み高騰し、メディアに大きく取り上げられて知名度が一気に上がったことが後押しとなり、仮想通貨市場の規模は大きく膨れ上がりました。
まさに仮想通貨バブルともいえる状態になっていましたが、2018年に状況が一変しました。
コインチェックやZaifなどといった大手取引所がハッキングされたことで仮想通貨への信頼が崩れ始め、それに伴う金融庁の業務改善命令が相次ぐなど、仮想通貨市場にとってネガティブなことが目立つようになりました。
このことも含む様々な要因により、ビットコインなどの仮想通貨価格は大暴落を引き起こし、仮想通貨市場に暗雲が立ち込めることとなりました。
平成は多くの企業が仮想通貨に翻弄された時代でもあった
仮想通貨の変化は非常に早く、仮想通貨そのものを取引する時代からすぐにマイニングの時代へ移行しました。
仮想通貨価格が高騰していたこともあり、どこよりも早くマイニング市場に参入した企業は大きく成長し、日本の大手IT企業を含む多くの企業もマイニング市場の成長に期待を抱き、続々と参入をしていきました。
しかし、値動きが激しい仮想通貨の世界は甘いものではありませんでした。
ビットコインの暴落を始めとして仮想通貨市場全体が低迷したことを受けて、ワシントンに本社を置くギガワットなどのマイニング大手が破産申請を行い、日本国内でもGMOインターネットやDMM.comなどのIT大手がマイニング市場から撤退する事態となりました。
また仮想通貨のマイニングツールの1つで、画期的なマネタイズ手段なのかマルウェアなのかという議論を巻き起こしたCoinhiveも、モネロの価値暴落などによって経済的に存続することが難しくなりサービス終了に追い込まれるという、あっけない幕引きをすることとなりました。
令和となる時代に仮想通貨市場はどこへ向かうのか
これまで挙げたように、仮想通貨に対する信頼と勢いは仮想通貨が出始めた当初よりも低迷しているといえます。
このような状況の中で、仮想通貨を取り巻く環境は再起に向けて変化しつつあります。
コインチェックは不正流出事件が起きてから1年ほど経過した2019年に、マネックスグループで全面支援を受け、金融庁のお墨付きを得ることで業登録が認可されました。
また、JR東日本や電通などが出資しているディーカレットや楽天グループなども、仮想通貨交換業者として続々と金融庁の認可を得ています。
さらに、TAOTAOというヤフージャパンが出資している仮想通貨取引所も、令和が始まる5月に本稼働を控えています。
以上のように、日本は2020年の東京オリンピックや2025年の大阪万博によって見込める巨大なインバウンド需要への期待もあり、仮想通貨を取り巻く環境を整えつつあります。
令和の時代となってから仮想通貨がどうなっていくかはまだまだ不透明
仮想通貨を取り巻く環境が整いつつあるとはいっても、変化のスピードが早く何が起こるか分からない仮想通貨において、激動の時代が今後も続くと予想できます。
むしろ、世界では企業向けイーサリアムの開発や、企業の仮想通貨決済への本格的な進出などが起こっており、今後の展望はますます未知のものとなっていると考えられます。
ただ1ついえることは、仮想通貨の変化の影響をダイレクトに受けるマイニング市場も、激動の時代が続くことが予想できるということです。
激しい変化が続くマイニング市場で生き残るには柔軟性が必要
今後も激しく動くと考えられるマイニング市場を乗りこなすには、継続して情報収集をし続けることが不可欠です。
また、マイニングそのものからの収益に固執しないことも大切です。
仮想通貨価格は変化が激しいことに加えて競争も苛烈さを増しているため、節税や設備などの必要経費の節約、投資費用をどこにかけるかなど、あらゆる角度から利益を上げることを考えることが必要です。
また、1つの仮想通貨だけを追わずに、和上サイクルのAIマイニングなどを駆使してその時に最も利益が見込める仮想通貨でのマイニングを行うことや、新しいマイニングツールやサービスのチェックを定期的に行い、自分に合ったマイニング方法をブラッシュアップするといったことも有効であると考えられます。
以上のことから、広い視野でマイニング市場全体を見渡し、客観的に考えて柔軟に行動することができるマイナーが生き残る可能性が高いといえるでしょう。