ビットコインなどの暗号資産に投資をすることで大きく利益を伸ばした人の話を知って、自分もビットコインに投資をしたいと考える方は多くいらっしゃるでしょう。
しかし、あまりにも価格の上下が激しいうえに「高値を更新せず」といったことや「今が底値である可能性が高い」などといわれると、ビットコは本当に投資価値があるのか?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
その疑問に対して結論から申し上げると、投資価値はあるといえます。ただ、これだけでは投資を始めるには心許ないので、なぜビットコインに投資価値があるのか理由を解説していきます。
(投資価値がある理由①)ビットコインは法定通貨にはないメリットがある
ビットコインなどの暗号資産に投資価値があると考えられる理由として、中央銀行に管理されている法定通貨と異なり、通貨としての価値が国や政府に依存していないメリットが挙げられます。
これがなぜメリットになるのかというと、ギリシアの経済危機で預金封鎖のリスクが高まった時に、ビットコイン保有者は国や政府に管理されていないために封鎖から逃れることができたからです。
これはつまり、情勢不安による資産維持の危機から資産を守ることができたということです。いかなる国であっても、絶対に安全であるとはいいきれません。
戦争や紛争など以外にも、国同士の政治的な対立や感染症の大流行など、様々な要因で情勢が不安定になることはあります。
グローバル化が進む中で国際的な政治情勢も不透明性が増している現状では、比較的法定通貨が安定している国であっても情勢不安が起こるリスクを考慮すると、暗号資産に資産の保存先としての価値を見出す人が多いのもうなずけます。
また、ビットコインなどの暗号資産は中央銀行が存在していませんが、全てのユーザーの取引記録が共有されて監視されており、ブロックチェーン自体も改ざんが難しい構造となっているため、不正が起こりにくいという特徴があります。
ただし、100%不正が起こらないというわけではなく、暗号資産の取引所は不正アクセスのターゲットになりやすいという事実もあるので、ウォレットなどを利用して個人的に資産を管理することは必要です。
(投資価値がある理由②)価格が上がる可能性がある
ビットコインをはじめとした暗号資産は下降トレンドになる度に「終わった」や「価値がなくなるのではないか」といった意見が出ますが、本当に終わるなら一般の投資家だけでなく、暗号資産に対して深い知識がある著名人達のほとんどはとうの昔に撤退しているはずです。
しかし、いまだにビットコインを保有している投資家が多数おり、ビットコインに足して前向きな見解を示している著名人が多いのは、それだけビットコインに値上がりが期待できるポテンシャルがあるからです。
ビットコインはあらかじめ最大発行上限が2,100万BTCと定められており、それ以上発行される予定はありません。
従って、社会への普及が進むほどにビットコインの希少性は高まっていき、それに伴って値上がりする可能性も高くなります。
また、ビットコインの価格は初期は10万円にも届かない程度のものでしたが、2017年にはバブルによって200万円を突破するほどまでに価格が上昇しました。
その後はバブルが崩壊し、一時的に持ち直すなどを繰り返して100万円の大台を超えるかどうかという状態が続いていますがビットコインそのものの価格上昇を期待する以外にも、相変わらず高いボラティリティを利用して利益を得られる可能性もあります。
もちろん、ボラティリティが高いということはそれだけ下落も大きいため、損失が発生するリスクも考慮する必要がありますが、それでもビットコインの可能性に期待を込めて将来は明るいという意見を持っている投資家がいることは、ビットコインに投資価値があると考えられる材料になります。
クリアすべき課題を抱えていることも事実
ここまでに述べた通り、ビットコインに投資価値はあるといえますが、ビットコインだけでなく暗号資産市場自体がクリアすべき課題を抱えていることは確かです。
暗号資産はボラティリティが高いからこそ利益が得られるという側面がありますが、それが機関投資家の市場参加の壁になっています。
暗号資産市場の成熟が進んで機関投資家が続々と参加するようになれば、彼らが持つ莫大な資金が暗号資産市場に投じられることになるため、投資先としての価値やビットコイン自体の価格も上がることが期待できます。
また、もう1つクリアしたい課題は高い税率です。日本国内ではビットコインなどの暗号資産によって得た収益は雑所得に分類されており、税率が高いという特徴があります。
しかも、株式やFXは損失が出た時は翌年に繰り越すことができますが、暗号資産は繰り越しが不可能なので節税対策も難しくなります。
これは投資家としては痛いデメリットだと考えられるので、ぜひとも克服したい課題だといえます。