仮想通貨のマイニングは、今や個人でも手軽に始めることができるビジネスとして広く知れ渡るようになりました。しかし、個人が自宅などでマイニングをするとなると以前とはかなり状況が変わってきています。
まず、問題になるのはマシンの処理能力です。かつては使わなくなった古いパソコンやスマホを使う方法などもありましたが、「最初に台帳記録をした人にだけ報酬が発生する」という仕組みにより、スピード合戦が激化しています。
和上サイクルが手がけているマイニングファームもその一環で、自宅などで片手間に取り組むことができたマイニングを、本格的なマシンと環境を用意することでより本格的なビジネスとして成立させようとするものです。
しかし、世の中にはどうにかして他人の力を使ってマイニングをして、儲けだけは自分のものにしたいという人もいるようです。その「あの手この手」をご紹介しましょう。
家電量販店のデモPCでマイニング
最初にご紹介するのは、どこか原始的な香りも漂う「手法」です。マイニングの専用ソフトを家電量販店に展示されているパソコンに勝手にインストールして、マイニングをした成果は自分のところに入るようにセッティング、この方法でたくさんのデモPCを自分のために動員することで利益を上げていたという事例があります。
「上げていた」という表現をしていますが、この方法はまだ発覚していないだけで他のところでも稼動している可能性があります。この事例は客として訪れた人物が勝手にインストールをしたため発覚が早まったのだと思いますが、家電量販店の社員がこれを仕掛けたとしたらもっと巧妙になり、発覚が遅れた可能性もあります。
家電量販店以外にも、会社の中で一番パソコンに詳しい人が他の社員のパソコンに勝手にマイニングソフトをインストールして稼動させるということも十分可能でしょう。
まさに「他人のふんどしで相撲を取る」ことを地でいくような手口ですが、それをもっとスマート化(?)した手口もあります。それは、coinhiveと呼ばれるもので、セキュリティ業界を騒然とさせたことで多くの人に知れ渡ることとなりました。
他人のパソコンで勝手にマイニングするcoinhive
私たちが普段何気なく閲覧しているWebサイトの中に、勝手に読み込まれるコードが仕込まれていて、それが自分のパソコンで勝手にマイニングされてしまうものだったとしたら、どう感じますか?
それが現実になったのが、coinhiveというスクリプトです。Webページを管理している人が自分のページにcoinhiveのスクリプトを埋め込むだけで、そのページを閲覧した人を勝手に自分のマイニングに動員することができます。
このcoinhiveは閲覧者のパソコンをどれくらいマイニングに使用するかを設定できるため、あまりこの稼働率を高くされてしまうと、そんなことも知らずにcoinhiveが埋め込まれたWebページを見ている人のパソコンは動作が遅くなってしまいます。
よくもまぁこんなことを考えたものだと思いますが、これも立派な収益のひとつだと考えてcoinhiveを埋め込むサイトは増えています。ちなみにこのcoinhiveはモネロという仮想通貨をマイニングしますが、coinhiveの他にも追随するスクリプトが登場しているので、さまざまな仮想通貨に広がっていくかも知れません。
勝手にマイニングされるリスクは解消できる
Webページを見ただけで他人のマイニングに勝手に動員されるというのは、気持ちの良いものではありません。そう考える人は多くいるので、今では一部のセキュリティソフトがWeb上の脅威として、このような勝手にマイニングをするスクリプトを定義して接続を遮断できるようになっています。
coinhiveなどが気になる方は、ノートンなど有名なセキュリティソフトを導入することをおすすめします。
やはりマイニングは他人のふんどしで相撲をとっても、長続きはしません。しっかりとした環境と設備を整えて万全の形で臨むのが結局は長続きしますし、収益も安定します。
和上サイクルがマイニングファームを使った最も効率の良いマイニングを推奨するのはそのためで、ぜひとも安定した収益を「マイニングのための設備」で手に入れていただきたいと思います。