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暗号資産マイニングコラム

Coinhive終了から考える、特定の仮想通貨に特化したマイニングツールのリスク

仮想通貨のマイニングツールであるCoinhive(コインハイブ)が3月8日をもってサービスが終了することになったことについて、驚いた方も多くいらっしゃったと思います。
マイニング状況が確認できるダッシュボードは4月末までアクセス可能とのことなので、実質的なサービス終了は4月末ともいえますが、マイナーに大きな影響を与えたことに変わりはありません。
以上のことを踏まえて、マイニング業界を驚かせたCoinhiveのサービス終了から、特定の仮想通貨に特化したマイニングのリスクについて考えていきたいと思います。

画期的なマネタイズ手段なのか?マルウェアなのか?議論を起こしたCoinhive

まずは、Coinhiveについて軽くおさらいしておきたいと思います。
このツールは、専用のJavascriptコードをあるサイトに埋め込んでおくことで、そのサイトを閲覧した人のパソコンのCPUを借りてMonero(モネロ)という仮想通貨のマイニングを行うというものです。
つまり、サイトを閲覧した人にマイニングさせることでサイトの運営者が利益を得るという仕組みになっています。
Coinhiveの開発者側は、サイトにとって邪魔な広告表示の代替手段として提供することをコンセプトにしていたようで、サイト運営者は煩わしい広告を表示しなくてもサイト閲覧者から直接、かつリアルタイムに利益を得ることができるとしています。
このCoinhiveの在り方をめぐって、広告に変わる新たなマネタイズ手段だという期待の声もあれば、ユーザーのCPUを勝手に使用するマルウェアであると批判する声もあがりました。
実際にCoinhiveのコードを導入して、そのサイトを閲覧するという検証をしてみたところ、デフォルトのコードのままだとCPU使用率が非常に高く、ファンがうなりだすほどの稼働率が設定されており、サイト閲覧者のCPUに相当の負担をかけることが分かったようです。
閲覧者がほぼ作業できなくなるくらいCPUに負担をかけるにもかかわらず、マイニング収益は微々たるものでマイニング効率は良くなかったようです。
このような結果と、悪意あるサイトでの利用によってマルウェア開発者の収入源にもなっていると指摘されていました。
また、一部のウイルス対策ソフトもCoinhiveをブロックするなどの動きもみせるようになりました。
以上の流れを受けて、Coinhiveの開発チームはユーザー側が認可を明示した時だけ稼働するようにするなど、ユーザーの負荷を軽減する対応をすすめていくとしていましたが、これだけの議論を巻き起こしたCoinhiveは意外な形でサービス終了を迎えることとなりました。

CoinhiveはMoneroの価値暴落などによって経済的に存続できなくなった

CoinhiveはMoneroという仮想通貨をマイニングするツールですが、このMoneroがハードフォークしたことによりハッシュレートが50%以上低下することになりました。
それに加えてMoneroの市場価値そのものが低下しており、ここ1年間で85%以上も暴落したこともCoinhiveの存続に大きな打撃を与えました。
これらのことに加えて、Moneroが再びハードフォークすることと、アルゴリズムのアップデートを予定していることが分かると、開発チーム側はこれ以上Coinhiveを続けることは困難であると判断したようです。
画期的なマネタイズ方法なのか、それともマルウェアなのかという議論を起こして今後の動向が注目されていたCoinhiveですが、このツールの終わりを告げたのは技術的な問題でも法的なものでもなく、マイニング対象の仮想通貨の価値の下落というあっけないものでした。

1つの仮想通貨に特化してマイニングすることで起こるリスク

Coinhiveの終了から考えられることは、仮想通貨のマイニングツールは便利ではあるものの1つの仮想通貨に特化していた場合、その仮想通貨の価値が下落した時にサービスそのものが終了するというリスクがあるということです。
また、マイニングサービスそのものが終了するということは、収益をあげられる見込みのある仮想通貨を新たに見つけ出し、改めてマイニングするという労力が発生するということでもあります。
いかに早く採掘できるかを争うマイニングにおいて、収益が見込める仮想通貨を改めて探すという手間は、収益を上げる機会の損失にも繋がりかねません。

1つの仮想通貨に絞らずにマイニングができる方法がある

1つの仮想通貨に絞ってマイニングしていた場合に起こり得る、収益を上げる機会の損失に繋がるリスクは、マイニング対象を絞らずにマイニングできるツールを利用することで抑えることが可能になります。
その方法として、和上サイクルが独自開発したAIマイニングを利用することが挙げられます。
AIマイニングはマイニング可能な全コインに対して、価格変動予測と値上がり予測を行うと共に、全マイニングプールのハッシュレートの変動予測も行います。
これらの予測データを元に、最も効率よく利益が上げられると予測される仮想通貨とマイニングプールでのマイニングを可能とします。
つまり、このAIマイニングを利用すれば例えばビットコインが暴落したとしても収益をあげることができると考えられます。
Coinhiveの終了は、将来どうなるか誰にも分からないマイニング業界において継続的に収益を上げ続けるためには、出来る限り特定の仮想通貨から受ける影響を減らし、より効率よくマイニングすることが重要であるということが浮き彫りになったともいえます。

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