JWサイクル【国内運営】暗号資産採掘

暗号資産マイニングコラム

「マイニング全面禁止」の中国で、今もマイニングに励むマイナーが存在

かつてのマイニング大国として知られる、中国。ビットコインなど主要な暗号資産のマイニング市場で世界トップのシェアを占める名実ともに世界一のマイニング大国でした。「でした」と過去形にしているのは、中国の当局が暗号資産を問題視した結果、マイニングはおろか決済や所持なども全面禁止にしたからです。
しかし、今も中国では秘密裏にマイニングに励むマイナーが多数おり、莫大な利益を上げているといいます。なぜそんなことができるのか、その真相に迫ってみました。

官に政策あれば民に対策あり

中国には古くから、「官に政策あれば民に対策あり」という言葉があります。国が何か政策を打ち出したとしてもそれが規制であったり、民衆の意に沿わないものだとすると、民衆はそれに従ったポーズだけを取って実はこっそりと対策を講じているという意味です。これまで中国は長い歴史を通じて何度も王朝が代わり、そのたびに民衆が受け入れられないような政策や規制が生み出されてきました。中国は民主主義体制になったことがなく、民衆が選挙などの方法で対抗することはできません。そこで、中国の民衆は官の政策に従ったふりをしながら、実はちゃっかりと規制逃れをするしたたかさを持っているわけです。
2021年に打ち出された、中国の暗号資産全面規制。それまでマイニングについては何だかんだと理由をつけて規制をしていたのですが、2021年9月には取引そのものも規制され、これにより中国国内で暗号資産の投資をしたりマイニングをすることは一切できなくなりました。
これが、中国政府による「政策」です。しかし、民には「対策」がありました。

海外を経由するネット接続で中国の規制を回避する手法

中国当局は国内のマイニングや暗号資産取引規制について、ネット接続ベースでその網を掛けています。暗号資産はネット空間に存在する通貨なので、中国国内のネットワークで暗号資産のネットワークにつながらないようにする規制をしています。
しかし、これには抜け道があります。最も有名なのは、VPNです。VPNは仮想的に専用線を利用できる技術のことで、これを利用することによって中国の国内から接続しているのにそれ以外の国からの接続であるかのように偽装することができます。中国国内でマイニングをしている人たちの多くは台湾や日本など暗号資産が規制されていない国のVPNを利用して接続し、中国当局の規制を回避しているとのことです。まさに「民に対策あり」です。

VPNがあればグレートファイアーウォールも回避可能

ちなみに中国では暗号資産だけでなく、西側諸国のネットサービスへの接続も規制されています。Facebookやインスタグラム、LINE、Googleなど、私たちが日常的に利用しているサービスが中国国内では利用できません。こうした大々的な規制のことを、グレートファイアーウォールといいます。ネット空間の検閲をするためのシステムですが、こうした西側諸国の自由な情報が飛び交うサービスへの接続も遮断しています。
しかしながら、これもVPNを利用することで回避できます。筆者は香港で購入したSIMカードを装着して中国国内に入り、そこでVPN接続をして中国の広東省でLINEやFacebookなどを利用したことがあります。VPNを規制するのは困難で、これを規制するとなると海外からの接続を大々的に遮断する必要があるため、現実味がありません。
まだまだ中国人の「民に対策あり」は健在で、これからも中国がマイニングの裏大国であり続ける期間は続きそうです。

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