2024年1月、遂にビットコインの現物に投資するETFが上場しました。米国のブラックロック社が上場の承認申請を出してからというもの、常に承認審査の動向がビットコインをはじめとする暗号資産相場に影響を与えてきました。
そのETFが遂に上場を果たし、暗号資産界隈でも大きな注目を集めています。そもそもこのビットコインETFとは一体どんな金融商品なのでしょうか。今さら聞けない、ビットコインETFの基本を解説します。

ビットコインETFとは

ETFとは、上場している投資信託のことです。さまざまな金融資産の価格と連動するように運用されており、例えば日経平均株価と連動するETFであれば、日経平均株価の値動きとETFの価格が連動しています。
つまり、ビットコインETFはビットコインの価格に連動するように運用されているETFのことです。

ビットコインETFに投資するメリット

ビットコインETFには、いくつかのメリットがあります。そのメリットは、主に3つです。

①証券取引所でビットコイン投資ができる

ビットコインは暗号資産なので、購入や売却は暗号資産取引所で行います。日本であればビットフライヤーやコインチェックなどが有名です。しかしながら暗号資産にはそれ以外も海外の取引所などから購入する方法もありますが、日本で認可を得ていない取引所が多く、何かあった時に自分の資産を回収できないリスクがあります。
ビットコインETFは証券取引所に上場しており、証券会社の口座で手軽に売買ができます。証券取引所の上場審査はとても厳しく、財務体質に問題があるようなETFは上場が認められません。実質的にビットコインに投資しているのと同じ効果が得られる一方で、伝統的な金融システムを経由して売買ができるため、投資の安全度は飛躍的に向上します。

②利益に対する最高税率が低い

暗号資産による利益は他の所得と合算して申告をする必要があります。そのため、多くの利益を上げると最高税率は55%にもなってしまいます。その一方で、株式やFXなどの投資で得られた利益に対しては分離課税の扱いになり、税率は一律で20.315%です。
ビットコインは今後も価格の乱高下が予想されるため、利益を上げると大きな金額になる可能性があります。その時に最高税率が半分以下であることは、大きなメリットです。

③資産を管理しやすい

ETFは株式と同じ金融商品として位置づけられているので、ビットコインETFは証券会社の口座で保有できます。これに対して暗号資産はウォレットなど保管方法が多数あり、それぞれ一長一短です。
伝統的な金融システムである証券口座はセキュリティ性が高く、株式と同じ感覚で暗号資産を管理できることは、投資家にとって安心感があります。

ビットコインETFの登場で価格は上がる？

暗号資産初のETFとなるビットコインETFは、申請を検討している段階から大きく注目を集めてきました。ETFとして上場すると機関投資家など、これまで暗号資産に投資をしてこなかった勢力の参入が予想されるため、「ビットコインETF上場＝ビットコイン価格上昇＝暗号資産全体の価格上昇」という思惑が働きました。
しかし、現実は違いました。上場直後はビットコインも上昇したのですが、その後は急落する場面がありました。これはおそらく、ビットコインETF上場の話題が買いの思惑となって価格上昇を招いたものの、実際に上場を果たしたら利益確定の売りが出たものと思われます。「噂で勝って事実で売る」という株式投資の格言通りの値動きになったのかもしれません。
しかしながら機関投資家などからの資金流入が起きることは予想できるので、長期的には価格上昇する可能性が高いと見てよいでしょう。