半減期を迎えて何かと話題に事欠かない2024年のビットコイン。前編ではビットコインETFの上場が大きな上昇要因となっていることについて述べました。半減期になるとこの傾向がさらに加速することが必至なので、後編ではビットコインETFに関係する大量の買いと半減期の関係について筆者がビットコインに強気の予測を立てている理由を解説します。
半減期でビットコインの1日あたりの供給量も半減する
ビットコインETFの上場により、機関投資家などの大口投資家がポートフォリオの一部に暗号資産を組み込み始めています。そのETF経由の買いが莫大で、すでに半減期の前から1日の供給量を超える買いが入っていることが指摘されていました。ビットコインETFは最初に米国の証券取引所に上場されたので、対ドルでのビットコイン価格が上昇し、それにつられる形で対円などの価格も上昇しました。
ビットコインの半減期は、1ブロックあたりのマイニング報酬が半分になるという意味です。マイニングによって記録されるブロック数が大きく変わるわけではない一方で、その報酬は半分になります。つまり、1日に供給されるビットコインの量が半分になるわけです。すでにETF経由の莫大な買いが入っている状況で供給量が半分になってしまったら、理論的にはビットコインの価格は今の倍になります。
さすがにそんな極端な値動きは起きないと思いますが、これまでの暗号資産の値動きを考えると、時間をかけてでも倍の価格になることは十分にあるのではないかと見ています。
理想のポートフォリオ「3%説」
ETF経由で莫大な買いが入っていると述べましたが、それでは大口の投資家はビットコインをどうしようと思っているのでしょうか。規模の大小はありますが、多くの投資家は資産ポートフォリオの3%をビットコインで構成しようとしているとの説があります。
株式や法定通貨などの伝統的な資産と暗号資産は逆相関の関係にあり、両者の間を投資マネーが行き来しているという仮説を立てると、伝統的資産と暗号資産の両方を半分ずつ持っているとリスク分散が効きます。
しかし、暗号資産はボラティリティの大きさやビットコインのすでに需給がぶっ飛んでいる状況を踏まえると、半分も必要ないというのが「3%説」の根拠です。97:3の構成比であっても、3%の暗号資産が大きく上昇することによって伝統的資産のマイナス分をカバーすると考えているようです。逆に暗号資産の保有比率をあまり高くすることにはリスクを感じている投資家も多いと思いますが。
3%の構成比でも十分リスクをカバーできると考えられているビットコインは、やはり筆者だけでなく多くの投資家が強気のスタンスを持っていると考えて間違いありません。