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暗号資産マイニングコラム

暗号資産のLUNAとUSTが無価値に?!ここで起きていることと暗号資産のリスク 前編

2022年5月は、暗号資産投資家にとって歴史に残るような時期になるかもしれません。特に韓国発の暗号資産であるLUNAと、このLUNAが裏づけ資産となっている米ドルステーブルコインのUSTが暴落したことは、関連の暗号資産に投資をしていた人には悪夢ではなかったかと思います。

この一連の騒動ではいったい何が起きたのでしょうか?そしてこの騒動から見えてきた暗号資産のリスクとは何でしょうか。この騒動を他山の石をするためにも、LUNAとUSTの問題について解説・考察します。

時価総額上位の暗号資産がわずか数日で無価値に

それではまず、LUNAの暴落がいかに恐ろしい出来事だったのかをチャートからご覧いただきましょう。こちらは2022年5月のLUNAの日足チャートです。

80ドル以上の価格で推移していたLUNAが、なんと数日で0.0001ドル台にまで暴落しました。暗号資産は値動きが荒いことで知られていますが、ここまでの値動きは近年ではとても珍しいものです。しかも暴騰で大きく値が動くことはあっても、逆に暴落でここまで大きく値を落とし、ほぼ無価値になるというのは実に珍しい現象です。ウクライナ侵攻で経済制裁を食らったロシアの通貨、ルーブルでもここまで暴落をすることはありませんでした。

わずか数日で99.99%もの価値が吹き飛んでしまったわけですが、これと同時にLUNAを裏づけ資産としている米ドルのステーブルコイン、USTも暴落しています。ステーブルコインなので1ドル=1USTでなければならないのですが、2022年5月19日現在では0.14台にまで下落しています。つまり、こちらも99%以上の下落になっているわけです。ステーブルコインとしての機能を喪失し、こちらも無価値になったと考えて良いでしょう。

事件は静かに始まった

それでは、なぜここまで重大な出来事になってしまったのでしょうか。折から金融マーケットではアメリカのテーパリングと利上げによって株価の暴落が始まっており、それが為替や暗号資産にも影響を及ぼしていました。

実際にアメリカが利上げを始めると、まず株価が暴落。その次に後を追うように暗号資産も暴落が始まりました。ビットコインが600万円台から300万円台に下落したことは象徴的ですが、まだ価値が半分残っているだけ「まし」といえるでしょう。

そしてついに、LUNAとUSTの下落が静かに始まります。1日にして無価値になったわけではなく、最初はジワジワと下落が始まりました。その背景にはLUNAがステーブルコインの中でもアルゴリズム型であったことが関係していました。これはとても脆弱な仕組みであることが以前から指摘されていましたが、その脆弱さが価格に反映するときが来てしまったわけです。

後編へ続く

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