こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、エコキュートを導入している方に向けて、できるだけ同じ機器を長く使用するためのメンテナンス方法について解説します。
エコキュートは、省エネ効果が非常に高く、その他の給湯器と比較するとコストパフォーマンスが高い機器として人気です。日本国内で広く普及しているガス給湯器と比べると、イニシャルコストは割高になるのですが、日々の給湯コストを大幅に節約することができるため、中長期的に見るとお得に利用できる給湯器と判断され、年々導入台数が伸びています。
ただ、注意してほしいのは、エコキュートのイニシャルコストの高さを給湯にかかるコストの節約効果で相殺するためには、設置した機器をできるだけ長く使用する必要がある点です。そして、エコキュートを長持ちさせる秘訣が、ユーザー様による日々のメンテナンスなのです。
ここでは、エコキュートのメンテナンスの必要性や、実際にどれぐらいの頻度でどういったメンテナンスを行うべきなのかを解説します。
エコキュートの基本構造とメンテナンスの必要性について
エコキュートのメンテナンス方法を知る前に、この設備の基本的な構造を知っておくべきでしょう。エコキュートは、ガス給湯器と比べると、かなり大型の設備となります。これは、エコキュートが大きく分けて2つの構造(貯湯タンク・ヒートポンプユニット)から構成されているからです。
エコキュートという給湯システムは、貯湯タンクとヒートポンプユニットの2つの機器が動作するうえで重要な機器となります。どちらか一方が故障するだけで利用できなくなってしまうので、それぞれの機器が正常に動作できるように、定期的なメンテナンスや点検を欠かさないようにしましょう。
それでは、エコキュートを構成する2つの機器について、それぞれが持つ役割も簡単にご紹介します。
沸かしたお湯を貯めるための『貯湯タンクユニット』
貯湯タンクは、基本的に屋外に設置される大きなボックスのような機器です。名称から分かるように、沸かしたお湯や水を貯めておくという役割を持っています。エコキュートの基本的な運用方法は、一日に使用するお湯を「電気代が安い深夜帯に沸かす」という仕組みになっていて、この仕様から給湯コストを節約できます。つまり、エコキュートの省エネ効果を生かすためには、貯湯タンクが常に正常な状態にあることが大切です。
エコキュートを導入している場合、基本的に貯湯タンクに貯めていたお湯が配管を通り水栓に送られる仕組みになっています。
エコキュートの心臓とも言われる『ヒートポンプユニット』
ヒートポンプユニットも屋外に設置するのが一般的で、見た目はエアコンの室外機にそっくりです。
この機器は、外の空気を取り込み、その熱を使用してお湯を沸き上げるためのもので、エコキュートにとっては最重要の部品とも言えます。
エコキュートは、「大気中の熱を利用してお湯を沸かせる」という仕組みから給湯にかかる電気代を大幅に削減できます。
メンテナンスの必要性について
エコキュートは、上記のように、2つの重要部品をうまく組み合わせることで給湯器として動作しています。どのような機械でも同じですが、機器を構成する部品が多くなればなるほど、メンテナンスの重要性は増していくものです。
一般的に、エコキューの寿命は10~15年と言われているのですが、これはあくまでも定期的な点検と適切なメンテナンスを行っていることが前提です。なぜなら、エコキュートには、本来10年の耐用年数など持たない部品も多く採用されていて、メンテナンス不足に陥ると、そういった部品の不具合から、機器全体の故障に繋がってしまう恐れが高くなるのです。例えば、水漏れを防止するゴムパッキンなどは、5~7年程度が寿命と言われていて、メンテナンスを怠るとパッキンの不具合から水漏れが生じ、基板のショートなど重大故障に繋がるといった感じです。
これからも分かるように、購入時に大きな費用がかかるエコキュートについて、出来るだけ長く使用するためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
エコキュートのメンテナンスを怠るとどうなる?
前項でご紹介しているように、購入したエコキュートについて「できるだけ長く使用したい!」と考えている場合、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
それでは、メンテナンスを怠ったらどうなるのでしょうか?ここでは、エコキュートのメンテナンスを怠った時に生じるいくつかの問題をご紹介します。
問題点① お湯が汚れる
エコキュートは、定期的な貯湯タンクや配管、フィルターの清掃と言ったメンテナンスが必要です。
エコキュートの内部には、綺麗な水道水が循環するだけなので「定期的な清掃なんて必要ない」と考える方が多いです。しかしこの考えは間違いです。
綺麗な水道水にも、いくらかの不純物が含まれています。また、追い炊きなどをするときには皮脂などが含まれたお湯が配管内を循環します。そして、このような汚れがエコキュート内部に蓄積していきます。つまり、定期的なエコキュートの清掃メンテナンスを怠ると、お風呂のお湯に不純物などが混ざり、汚れるという問題が発生します。
問題点② ランニングコストが高くなる
エコキュートのメンテナンスを怠ると、内部に汚れや不純物が蓄積して、エコキュートの動作に通常よりも負荷がかかるようになります。
そのため、正常な状態のエコキュートを使用する場合と比較すると、電気代や水道代が高くなる可能性があると言われています。また、メンテンナンス不足が原因で故障しやすくなることがあり、修理費用が通常よりもかかるなどと言ったケースも考えられます。
問題点③ 故障しやすくなる
エコキュートの寿命は「10年〜15年」と解説される場合が多いです。しかしこの年数に関しては、「定期的な点検とメンテナンスを欠かしていない」というのが前提条件となっています。
上述したように、エコキュートのメンテナンスを怠ると、細かな部品の劣化やフィルターの目詰まりなど、軽微な不具合が発生します。ひとつひとつの不具合は軽微なものなのですが、その都度、エコキュート本体に負担がかかることになり、エコキュートの寿命を縮めてしまう恐れがあります。
実際に、エコキュートのメンテナンスを一切行っていないというお宅では、10年持たずに買い替えが必要になるケースも珍しくありません。エコキュートは、いずれ買い替えが必要になりますが、早期の買い替えは確実に損になるので小まめにメンテナンスを行うことで故障を未然に防ぎましょう。
問題点④ 細かな部品の劣化が早くなる
エコキュートは、使用することによって消耗していく、いわゆる消耗部品が多く採用されています。
例えば、ポンプ類やパッキンなどの消耗部品があげられるのですが、これらの部品は、メンテナンスを怠ると汚れが蓄積し、余計に劣化を早めてしまう可能性があります。
消耗部品は、多くの場合、メーカー保証や販売店の保証範囲外となりますので、この部分が早期に劣化にすると、余計な修理費用がかかります。したがって、小まめにメンテナンスを行うことで消耗部品も長持ちさせるようにしましょう。
※エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップの『省エネ住宅設備10年パーフェクト保証』は消耗品も対象となっています。
エコキュートのメンテナンス方法について
それではここから、エコキュートを長持ちさせるために、ユーザー自身が行うべきメンテナンスについて解説します。
「エコキュートのメンテナンス」と聞くと、素人には難しい…と考える方が多いのですが、誰でも簡単に行えるメンテナンスは多いです。以下で、メンテナンスの手順と頻度をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
貯湯タンクの清掃
エコキュートのメンテナンスの中でも、必ず行っておきたい重要な作業が「貯湯タンクの清掃」です。
タンクの中は、綺麗な水道水が貯められているだけなので、汚れる心配なんてないと考える人が多いです。しかし、水道水にも多少の不純物が含まれていますので、長年メンテナンスを怠ると、汚れや不純物が蓄積してしまいます。つまり、タンクの清掃をしないと、汚れたお湯でお風呂に入ることになるなど、不衛生な状況になってしまいます。
エコキュートの貯湯タンクは、以下の流れでメンテナンスを行ってください。
- STEP1 漏電遮断器の電源を切る
- STEP2 給水止水栓を閉じる
- STEP3 逃し弁レバーを上げる(1分程度)
- STEP4 排水栓を開いて排水する(2分程度)
- STEP5 排水が止まったら給水止水栓を開く
- STEP6 お湯が出るのを確認する
- STEP7 逃し弁レバーを元の位置にもどす
- STEP8 漏電遮断器の電源を入れる
- STEP9 お湯側の混合水栓を開いてお湯が出るのを確認する
上記の流れは、一般的なタンク清掃の流れとなります。使用しているエコキュートによっては、微妙に流れが変わる可能性があるので、実行する際には取扱説明書を確認してください。
貯湯タンクの清掃は、タンク内のお湯を排水するだけなので、やってみると意外に簡単です。メンテナンス頻度としては、半年に1回という頻度で行うのが理想です。
フィルターの清掃
フィルターの清掃は、貯湯タンクの清掃よりもさらに簡単です。エコキュートのフィルターは、給湯・追い炊きの際にお湯が通る金具内部(浴槽内)に取り付けられています。このフィルターに、ゴミなどが付着するとお湯の通りが悪くなりますので、フィルターに溜まっているゴミや不純物を取り除く必要があります。
フィルター清掃の手順は以下の流れで進めてください。なお、使用するエコキュートによって手順が異なる場合もあるので、取扱説明書は必ず確認してください。
- STEP1 フィルターを取り外す
- STEP2 フィルターを水洗いする(歯ブラシなどで優しく擦ると汚れが落ちやすいです)
- STEP3 綺麗になったフィルターを元の位置に戻す
フィルターの掃除は、毎日行うのが理想です。お風呂掃除は毎日行っていると思うので、その時に一緒にすると良いでしょう。なお、エコキュートの機種によってはフィルターがついていないタイプもあります。
エコキュートの配管洗浄
エコキュートを長持ちさせるためには、配管の清掃も大切です。ただ、最近のエコキュートは、ボタン一つで配管洗浄を行ってくれる便利機能が搭載されている機種が増えていて、毎日それを使っていれば「大丈夫なのでは?」と考える方が多いです。結論から言いますが、エコキュートに搭載されている配管洗浄機能を毎日使っていても、徐々に汚れが蓄積していくので、市販の配管洗浄材を利用した配管の清掃は、定期的に必要になります。
手順としては以下のような流れで行いましょう。
- STEP1 浴槽の循環口よりも多めに水を張る
- STEP2 市販の風呂配管用洗浄材を浴槽に入れる
- STEP3 リモコンの「風呂配管洗浄」ボタンを押す
- STEP4 1時間ほど経過したら、洗浄を止め浴槽の中のお湯を排水する
- STEP5 浴槽に水を張りなおす(循環口の少し上ぐらいまで)
- STEP6 再度「風呂配管洗浄」ボタンを押して配管を洗浄(30分程度)
- STEP7 浴槽の水を排水して浴槽を洗って完了
配管洗浄は、エコキュートの機能を利用して行うだけなので、時間はかかるものの誰でも簡単に行えます。配管洗浄材は、『ジャバ』など、市販のものでも構いませんが、メーカーによっては指定のものをメーカー側が販売している場合があります。この辺りは取扱説明書に記載されているので確認してみましょう。
なお、配管洗浄の頻度は半年に1回程度行うのが理想です。
ヒートポンプユニットの水抜き
ヒートポンプユニットは、エコキュートがお湯を沸かすための重要部品です。そして、この部品にも配管が通っていて、配管内に汚れが蓄積するため、定期的な清掃メンテナンスが必要です。
ヒートポンプユニットのメンテナンスも、機種によって微妙に手順が異なりますので、実施の際は取扱説明書を確認してください。一般的には、以下の流れで進みます。
- STEP1 ヒートポンプユニットの水抜き栓を開く
- STEP2 1分程度放置
- STEP3 水抜き栓を閉じる
ヒートポンプユニットの水抜きは非常に簡単です。メンテナンス頻度は、3~4カ月に1回程度が理想ですので、欠かさずに行いましょう。
エコキュートの点検について
エコキュートを長持ちさせるためには、上述したメンテナンス以外にも定期的な点検が重要です。点検を行っておけば、細かな部品の劣化や故障を早期に発見することができ、問題が大きくなる前に対処することができます。
ここでは、定期的に点検を行っておきたいポイントをご紹介します。
配管の点検
配管は、エコキュートの部位の中でも劣化しやすいので、目視できる場所についてはユーザー様自身で点検しておきましょう。
特に、配管の接続部からの水漏れが起きやすいので、しっかりと点検しておくのがおすすめです。
点検時のポイントは、以下の点を確認すると良いでしょう。
- 配管の接続部から水漏れが起きていないか?
- 配管の保温材が破損していないか?
エコキュートの配管は、露出していない部分も多いですが、目視できる部分は「年に2、3回」と言った頻度で点検しておくのがおすすめです。ユーザー自身で点検できない場所は、販売店に定期点検してもらうのがおすすめです。
漏電遮断器の点検
漏電遮断器は、漏電による火災や感電事故を防ぐための安全装置ですので、必ず点検を行いましょう。この部品が正常に動作していれば、漏電が起きたとしても、自動的に電気を遮断してくれるため、安全にエコキュートを運用することができます。
漏電遮断器の点検は、以下の手順で行えます。
- STEP1 操作窓を開ける
- STEP2 『テスト』ボタンを押す
- STEP3 エコキュートの電源が切れることを確認する
- STEP4 電源レバーをONに戻す
漏電遮断器は、テストボタンを押した時にエコキュートの電源が切れることが、正常に動作している証拠です。非常に簡単な点検ですので、年に2回程度は行っておきましょう。なお、テストを行った時、正常な動作を行わなかった場合は、早急に専門業者に連絡し対応してもらいましょう。上述したように、この部品は、エコキュートを安全に使用するための機能ですので、不具合が生じている場合は危険です。
逃し弁の点検
逃し弁は、お湯を沸かす際に発生する膨張水を外に逃がすために取り付けられています。これに何らかの不具合が生じている場合、エコキュートのタンクが高圧状態になり、大きな故障に繋がる恐れがあります。
したがって、下の手順で逃し弁が正常に機能しているのかを確認してください。
- STEP1 逃し弁レバーを上げ下げできるか確認する
- STEP2 逃し弁レバーを上げた時に水が出るか確認する
- STEP3 逃し弁レバーを下げた時は、水が止まるか確認する
逃し弁レバーの点検も、年に2回程度行っておくのが良いでしょう。なお、逃し弁レバーをもとに戻したのにお湯や水が漏れてきた…という場合は、劣化している証拠ですので、業者に連絡しましょう。
専門業者による点検も重要
エコキュートの点検は、上記のようにユーザー自身が簡単な手順で行うことができる部分もあります。
しかし、配管は目視で確認できない場所を通している場合もありますし、ヒートポンプや貯湯タンク内部の細かな部品までを自分で点検することは難しいと言わざるを得ません。
したがって、エコキュートを長く使用したいと考えるのであれば、最低でも3年に1度程度の頻度で専門業者に点検してもらうのがおすすめです。専門業者による点検は、普段チェックすることができない場所までしっかりと確認してもらうことができますので、大きな故障を未然に防ぐことが可能になります。なお、「3年に一度」という頻度がおすすめなのは、エコキュートに使用されている消耗部品の中に3年程度で劣化するものがあるからです。
専門業者による定期的な点検のことを考えると、「どの業者からエコキュートを購入するのか?」が重要になります。なぜなら、エコキュートの定期的な点検については、販売店によって扱いが変わるからです。例えば、定期点検のお知らせをはがきで送ってくれる業者でも、実際に点検を行ってもらうには、1回につき1〜2万円程度の点検費用がかかる場合もあれば、サービスの中に定期点検が含まれている販売店もあるなど、業者によってかなりの違いがあります。エコキュートを購入する際には、その時点でかかる費用で比較検討する方が多いのですが、10年以上利用することを考えると、定期点検などにかかる費用も含めて検討するのがおすすめです。
『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』は、アフターフォローサービスに力を入れており、購入後10年間は2年に一度の無償点検を実施しています。つまり、点検に費用がかかる販売店と比べると、とくとくショップで購入するだけで5~10万円お得になるわけです。エコキュートは、イニシャルコストばかりに注目するのではなく、その後のアフターフォロー体制も重視しましょう!
まとめ
今回は、購入したエコキュートをできるだけ長く使用するため、ユーザー様自身が行っておくべき、定期的な点検とメンテナンスについて解説しました。給湯器のメンテナンスと聞くと、「素人には難しいのではないか…」と感じる方が多いのですが、記事内でご紹介したように、誰でも簡単に行えるメンテナンスで、エコキュートの寿命を延ばすことができるのです。
エコキュートは、ガス給湯器と比較すると大型の住宅設備になる分、導入時にかかるイニシャルコストが割高になってしまいます。しかし、日々のランニングコストの安さから、中長期的に見ると、お得に利用できる給湯システムになるという特徴があります。逆に言うと、イニシャルコストの高さをランニングコストのお得さで相殺するためには、一般的な寿命である10年間は絶対に使用できるような運用をすることが大切になると考えてください。
エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップでは、全国でエコキュートの販売・設置工事を行っています。とくとくショップは、どこよりも手厚いアフターフォロー体制を構築していますので、お客様が安心して同じ機器を長期間利用できます。エコキュートの購入・交換の際は、是非とくとくショップにお問い合わせください。