エコキュートのしくみ

エコキュートの知名度はかなりのレベルに達していますので、多くの方は電気で動く給湯器であることはご存じでしょう。

ただ、実際にお湯を沸かすしくみについては知らない方が多いと思います。
しくみを理解すると、どうしてエコキュートで光熱費が安くなるのか、環境保全ができるのかが分かってきます。

非常に効率的な電気温水器

エコキュートは、大気中の熱を冷媒（CO2）に取り込み、それを急激に圧縮することで発熱させます。このようなしくみをヒートポンプ式と呼びます。

ヒートポンプ給湯器は従来の給湯器よりも効率的で、「1」の電気エネルギーを使って「3」倍の熱エネルギーを取り出すことができます（エネルギー消費効率が3の場合）。
単純に言えば、使うのは1/3の電気代で済むということ。この効率は技術の進化によって高くなっていきます。

排出CO2の削減が求められる昨今、このような効率的な方式は、ガス給湯器やフロン系冷媒の給湯器よりも地球環境保全に役立ちます。

安い深夜電力を使うため、電気代を削減できる

エコキュートは、基本的に安価な夜間電力を使ってお湯を沸かし、それを一日中使用します。
単純に電気代が減るのはもちろん、需要の多い昼間のピーク時の使用電力を減らせる（ピークシフト）ので、地域の節電や電力の無駄をなくすことにも効果があります。

効率的なヒートポンプで使う電気を1/3にし、CO2排出量を抑える。
夜間電力を使って電気代を削減し、ピークシフトによって節電と発電所のCO2排出量を抑える。

エコキュートは、経済性と環境保全を両立させた給湯器なのです。

エコキュートの選び方

エコキュートには、お住まいの地域や設置条件、使用人数などによっていくつかのポイントがあります。
ご希望や環境に合わせた選び方をご紹介します。

地域（最低気温）

エコキュートはヒートポンプの特性上、使用するための最低気温があります。
基本的には最低気温が－10℃までの地域は【一般地向け】、－25℃までの地域は【寒冷地向け】を選択してください。

この他、臨海地域では塩害仕様もあります。

※仕様に関しては担当者が判断します。

タンクの容量

これはあくまでタンク一杯分の水量を示しただけで、お湯が足りなくなれば沸き増し設定もできますので、お湯切れの心配はありません。

ただ、電気代節約・CO2削減というエコキュートの特性を生かすには、使用量に合ったタンク選びが重要。
家族の人数だけで選ぶのではなく、よく来るお客さまがいる、朝シャワーの習慣がある、お風呂に入る時間がご家族でまちまちなどの場合は、目安より大きめのタンクをおすすめします。

タンクの形状

エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクから成ります。

ヒートポンプユニットはお湯を沸かすもので、クーラーの室外機のような形状なので設置も容易ですが、貯湯タンクはかなり大型になるため、設置する場所選びが大切。

タンクは主に、下記3タイプがあります。
コンパクト・デザインタイプは従来置けなかった場所にも設置可能など様々なものがありますが、割高になる・電気代節減効果が出にくくなるなどデメリットもあるため、設置スペースが確保できるのであれば標準の角型がおすすめです。

標準（角型）		標準の戸建て住宅向け。種類も豊富にある。 タンクユニットは一般的に約70*70*210センチ程度。
薄型		奥行きが薄く、お隣との狭い境目にも設置可能。 タンクユニットは奥行き約45センチ*幅110センチ程度。
コンパクト・ デザインタイプ		デザインにこだわったものや、設置面積が1/2になったもの、マンションのメーターボックスに入るものなど、従来のエコキュートにはなかったタイプ。

機能

機能別には、下記3タイプがあります。

「フルオート」ボタンひとつでお湯はりから保温・たし湯までおまかせの全自動タイプ
「オート（セミオート）」自動でお湯はりを行い、たし湯などはスイッチで管理
「給湯専用」蛇口からお湯が出る、シンプルで設置もしやすいタイプ
もちろんフルオートタイプが一番高性能ですが、コスト的にはオートタイプと大きく変わるわけではないため、省エネ性やコスト削減を自動管理できるフルオートタイプがおすすめです。

給湯圧力

エコキュートは通常、二階への給湯が可能ですが、三階で利用される場合は直圧・高圧タイプをお選びください。
勢いの強いシャワー、マッサージシャワーを希望される場合も高圧給湯タイプがベストです。

なお、給水圧力によっては二階でも給湯圧力が下がる場合がありますので、ガス給湯器から入れ替える場合は注意してください。
使用しづらいほど圧力が低い場合は、別途専用ポンプなどが必要になります。

その他、便利な機能

給湯器にプラスする便利な機能は、メーカーごとに特色があります。

例えば、エコキュートで沸かしたお湯を床下のパネルに流して同時に床暖房する機能では、ガス温水床暖房に比べても格段に電気代が安くなります。 従来のガス温水床暖房のパネルをそのまま使用できるタイプもあります。
他にも、浴室暖房機能で衣類乾燥や冬場の保温をしたり、バブルバスや酸素入浴、ホームサウナなどで快適なバスタイムを楽しめたり、自動配管洗浄機能で日常のお掃除を短縮するなど、様々なものがあります。