太陽光発電所は定期的な除草が大事
太陽光発電所は広い土地が必要なことから、土地の価格が安い自然が豊かな郊外に多く建設されます。そしてその自然が太陽光発電所の運営上でトラブルの原因となってしまう場合があるのです。
雑草の成長の速さに驚いた経験のある人は多いでしょう。太陽光発電所でも定期的に除草を行わないと、雑草が成長して太陽光パネルに影を落とし、発電量の減少を招いてしまう場合があります。
さらに雑草による影は、単に発電量の低下を招くだけでなく、ホットスポットとなることがあります。すると火災のリスクもあります。ホットスポットとは、太陽光パネルである部分に大きな抵抗が生じて発熱する現象です。雑草によって影ができるようになると、そこに抵抗が生じてホットスポットになってしまう場合があるのです。
ホットスポットによってパネルが焼損するケースは、住宅用太陽光発電、産業用太陽光発電の両方で報告されており、住宅用太陽光発電では火災となって屋根が焼け落ちるといった大きな被害となったケースも報告されています。
雑草の中でもススキ、チガヤ、カモガヤといった種類のあるカヤなどの茎系の植物は厄介です。カヤは地下茎があるため、単に地表にでている分を刈り取っても枯れることはなく、しばらくすると茎がのびてきてしまいます。そのため、年に何度も除草が必要になります。
年に何度も除草を行うとなると手間がかかりますし、業者に依頼する場合は大きな費用が発生します。また除草を行った後の雑草の破棄費用もかかります。カヤの一種であるススキが胞子を飛ばすところを見たことがある人も多いでしょう。茎系の植物は近隣に胞子を飛ばすことから農業や緑化にも影響を及ぼすため、近隣から苦情が寄せられることもあります。
クズなどのツル性植物は日本全国に分布しており、太陽光発電所にとって厄介な植物です。それはツル性植物がフェンスや太陽光パネルの架台、電柱などに絡みついて伸びてしまうためです。ツル性植物には多数の種類がありますが、そのひとつであるクズは、多年生植物で秋には枯れてしまうのですが、それは地表に現れている部分のことで、地中には塊根が残って翌年には生育が始まるため厄介です。
そしてツル性植物のさらに厄介なところは年々、植生範囲が増大することでしょう。環境にもよりますが、太陽光発電所の場合2~3年くらいでフェンスを覆いつくほどにもなると報告されています。そのためツル性植物の除草についても大きな費用がかかります。
郊外の太陽光発電所は、土地代が安いという大きなメリットがあります。しかしその一方で自然が豊かなため、その自然に対する対策が必要になり、大きな費用がかかってしまう場合もあるのです。
トラブル事例一覧