こんにちは、石橋です。
9月終わろうかとしているのに、まだまだ暑い日が続きます。
この暑さの原因は言うまでもなく強い日差しですが、今回は太陽光発電がこの日差しをうまくコントロールしている面白い研究を紹介したいと思います。
私も可能性を感じていることではありますが、改めてこうした研究結果が発表されるのは、とても興味深いことです。
英国のランカスター大学と民間企業の調査で、太陽光発電所が貴重な生き物たちを育む住処になっているという研究結果が発表されました。
このレポートによると、調査対象になった英国内の多くの太陽光発電所内で数が減りつつある希少な生き物が繁殖や生活をしていること明らかになりました。主にそれらの生き物は昆虫で、そのほとんどが保護対象になっているものだそうです。
太陽光発電所内は太陽光パネルが設置されている関係上、昼間は日陰になる場所があります。植物の中には適度な日陰を好む種もあるため、こうした植物が群生しやすくなります。しかしながら植物が成長しすぎると太陽光パネルに当たるはずの日光を遮ってしまうため、草刈りによって除去される可能性があります。そこで注目したいのが、営農型太陽光発電です。
営農型太陽光発電とは農業と太陽光発電を両立するソーラーシェアリングのことで、太陽光パネルが作る適度な日陰に適した農作物を生産しつつ発電もするという一石二鳥の仕組みです。
営農型太陽光発電では太陽光パネルを高い位置に設置するため、その下にある植物にとっては絶好の環境となります。ジャングル内に植物は鬱蒼と茂るジャングル植物の日陰で育つ種もあります。営農型太陽光発電ではこれに似た環境が生まれ、そこに希少な昆虫が繁殖するというわけです。
もうひとつ、太陽光発電と自然の調和という意味で面白い事例があります。それは羊の飼育です。羊の飼育には餌となる草と、羊たちが休息できる適度な日陰が必要です。一般的な太陽光発電所では雑草が伸びすぎると草刈りの必要がありますが、その草刈りに羊を利用するというわけです。羊が日々草を食べるおかげで雑草が生い茂らないようにする一方で、太陽光パネルが作り出す日陰が羊たちの休息場所になります。これにより、発電+メンテナンス+羊の飼育という理想的なエコシステムが完成します。
太陽光発電所の面積が広い場合は牧畜エリアと営農エリアを分けて、農産物を生産するエリアを毎年変えながら両立するモデルもあります。羊は太陽光パネルの下で休息をしながら草を食べ、糞をします。そのエリアを翌年は農地にして肥沃な環境で農産物を育てます。そして翌年はまた牧畜エリアと営農エリアを入れ替えて、サスティナブルな仕組みが出来上がるわけです。これについても実験的な取り組みが各地で行われており、太陽光発電の新たな可能性を感じさせてくれます。
なお、和上ホールディングスグループには「和上の郷」という営農型太陽光発電を専門とするグループ会社があります。弊社としてもこの理想的なエコシステムの普及に向けてビジネス的な展開もしていきたいと考えており、とても夢のあるビジネスモデルだと思います。