系統用蓄電池の接続申し込みが厳格化、これで「渋滞」は解消されるか

石橋大右

2026.1.18 エネルギー問題

系統用蓄電池の接続申し込みが厳格化、これで「渋滞」は解消されるか

こんにちは、石橋です
年が明けてからも依然として注目度が高い系統用蓄電池について、今回も最新事情をお伝えしたいと思います。

系統用蓄電池投資のブームが過熱気味になっていることにより、接続検討の申し込みが急増しています。しかし、その中には実現性に乏しい申請も多数含まれており、「とりあえず枠を押さえておきたい」という思惑による空押さえが問題になっていました。そのことについては、当ブログでも過去に指摘してきたとおりです。

申し込みが殺到すると、審査に時間を要します。そうなると実現性が十分ある申請に対してもなかなか手続きを進められなくなってしまいます。再生可能エネルギーは自然由来のエネルギーだけに、自然の気まぐれによって発電量にムラが生じます。そのムラをならすためにワンクッションを入れる技術として蓄電池が開発され、それを系統に接続するのが系統用蓄電池です。再生可能エネルギーをより安定的に利用できる環境を整備するために、収益モデルが確立しました。

収益が見込める(しかも確実性が高い)とあれば、投資家が殺到します。かくして申し込みが「渋滞」になっているわけですが、それに拍車をかけているのが空押さえです。中には投機的な目的で多数の申し込みをしている事業者も含まれており、ますます主旨に反することの問題が深刻化してきました。すでに別の用途に利用されている土地で申請をしたり、申請された土地に別の建物が建っていたりといった杜撰な事例も多く含まれていたことには、さすがに私もお粗末だと感じました。
接続数に上限を設けたことも、一層「今のうちに滑り込まなければ」という動機になり、とにかく枠を押さえたいと考える事業者を多くしてしまい、逆効果になってしまったと思います。

こうした問題を解消するべく、2026年からは系統用蓄電池の接続検討の申し込み基準がかなり厳格化されています。この厳格化のポイントは、大きく2つあります。
1つは、登記簿や現地の確認結果、所有者との合意事項などを書面にして提出することが義務化されました。分かりやすく言い換えると、確実にその土地が利用可能な状態で、所有者の所在が明確、さらにその所有者と系統用蓄電池を設置するための合意が成立していることなどを証明しなければならない、ということです。これまでは現地の確認結果を提出する必要がなかったため、地図上では何もない土地であれば申請できてしまいました。2026年1月からは、そういった杜撰な内容の申請は不可能になります。逆に考えると、そんなにいい加減なことがまかり通っていたことにも驚きますが。
2つ目のポイントは、土地に関する権原です。申請している土地を系統用蓄電池の設置場所として使用することを契約で明確になっていることを証明しなければなりません。1つ目のポイントでは申請している土地の実体性が求められ、2つ目のポイントではその土地を使用できる権利があることを証明する、ということです。
なぜこのような厳格化が行われたかというと、最初に候補地を選定して地権者との話し合いは後回しにして、先に系統枠を確保するという動きがあったからです。さらには、最初から転売目的で系統枠を確保するといった投機的な申請もあったため、これだと系統用蓄電池に関する施策の主旨が反映されないと考えたのでしょう。

こうした厳格化をすることによって、最も期待されているのは、規制強化によって空押さえといった行為は不可能になるため、本当に事業化する見通しが立っている申請しか受け付けられなくなり、「渋滞」が解消に向かうことです。
申請件数が前年比で6倍のペースで急増しているのは、現場を知る者として明らかに異常です。系統用蓄電池は要件が意外に厳しく、好適地はあるようでなかなかありません。それなのに申請が6倍も増えているのは、その中に空押さえが相当数含まれていると考えるのが自然です。この大部分を占める空押さえが解消すれば、実現性のある計画で申請している事業者は早期に事業を開始できるため、機械損失を防げます。

このように、系統用蓄電池を取り巻く状況は目まぐるしく変化しています。投資を検討している方にとって重要なのは最新の情報とノウハウです。和上ホールディングスは太陽光発電の黎明期から関わってきた環境ビジネス、電力ビジネスの専門家集団です。系統用蓄電池については土地選定などに難しさがありますが、だからこそ専門家の知見をお役立てください。
系統用蓄電池投資を検討している方、所有されている土地の有効活用をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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