こんにちは、石橋です。
AIがどんどん進化して、私たちの仕事や生活にも確実に浸透しつつあります。
私もAIにはとても高い関心を持っているので、公私ともに活用しています。
今回は、そんなAIを巡る技術の最新事情と、それを語る上で避けて通れないGPUの話をしたいと思います。
私は「日本びいき」なので、GPUの覇権争いにおける日本の立ち位置についても語ってみます。

GPUとは、「Graphics Processing Unit」の略でコンピューターの演算機能を支える中核的な部品です。コンピューターの中核的部品といえばCPU(Central Processing Unit)が広く知られていますが、現在ではGPUの存在感がどんどん大きくなっています。
Graphicsという名前のとおり、もともとはグラフィック機能を強化するために開発されたプロセッサーなのですが、GPUは大量の演算ユニットを並列動作させる仕組みになっているため、グラフィック以外にもAIの学習能力などに応用されるようになりました。
ちなみにこのコラムのアイキャッチ画像は、生成AIのChatGPTを使って生成しました。こんな画像を瞬時に生成してしまうのですから、その裏では膨大な数のGPUが頑張ったんだなと実感します。
他にも、暗号資産のマイニングといってブロックチェーンにて取引記録を管理する際にも複雑かつ膨大な計算をするため、GPUがそれに適しているとされました。そのせいで一時期、暗号資産マイニングがブームになった時はGeForceなどのGPUがパソコンショップから姿を消し、品薄になったこともありましたね。
AIは、暗号資産のマイニングとは比べ物にならないほど複雑な計算を行います。それによって学習能力や生成能力が支えられているため、現在の各種AIは大量のGPUがなければ稼働できません。覚えて、調べて、考えて、生成するという高度な処理は、いずれも大量のGPUがなければ実現しないのです。
つまり、AI時代におけるGPUは極めて重要な戦略部品なのです。
そうなると、AIを開発する国や企業同士で世界的なGPUの獲得競争が起きます。
ただでさえ半導体の需要に生産が追いついていない昨今、大量の半導体で成り立っているGPUの需要が半導体獲得競争を巻き起こしているわけです。
アメリカのエヌヴィディアや台湾のTSMCといった世界的な半導体企業の株価が天文学的な金額になっているのは、ご存知の通りです。日本でもキオクシアや東京エレクトロンなど、半導体関連株がマーケットを支えている状況です。
そんなGPUの世界においては我が国ニッポンはどう戦っているのでしょうか。
GPUの設計やAIへの活用などにおいて世界のトップを走っているのは、アメリカです。エヌヴィディアだけでなくAMDやインテルなど、誰でも名前を知っているような先端半導体企業がたくさんあります。
そして最新世代の半導体製造で世界トップを走っているのが、台湾のTSMC。中国が台湾を統一しようと野心を抱いているのは、このTSMCが欲しいからだと言われるほど重要な半導体メーカーです。
メモリの製造においては韓国が先行していて、SKハイニクスとサムスン電子が世界的なシェアを握っています。
そして、日本です。日本には有名な半導体メーカーがあるわけではなく、国策企業のラピダスや元・東芝のキオクシアくらいしかないのですが、日本の強みは半導体製造装置や素材です。これらに分野で東京エレクトロンやSCREEN、ディスコ、信越化学などが圧倒的なシェアを握っており、これらの企業の製品がなければGPUはおろか、半導体を作れません。
実に日本らしい強みですね。
GPUは今後、AIの基幹部品としてその重要度はどんどん高まっていきます。
AIは今や軍事やサイバー戦争、医療など国の存亡にかかわるような分野にも本格的に導入され始めています。こうしたきわめて重要な仕事に欠かせないGPUをいかに安定的に確保するかが主要国にとってきわめて重要になっていきます。
世界のさまざまな動きをGPUを軸に考えてみると説明がつくことも多く、今や石油などのエネルギーと並ぶほど世界を動かす存在になっていることを意識しつつ、今後もウォッチしていきたいと思います。