パスポート保有率18%のニッポン、この事実が意味すること

石橋大右

2026.8.23 石橋の考え

パスポート保有率18%のニッポン、この事実が意味すること

こんにちは、石橋です。
先日、知人が海外旅行に出かけた話を聞き、その話が興味深かったので、その内容を交えて以前から思っていたことを綴ってみたいと思います。

日本人のパスポート保有率は、18%だそうです。
これが高いと見るか低いと見るかは主観によると思いますが、これだけ国際化が進んで4,000万人を超える外国人が毎年日本に押し寄せている状況を考えると、私は低いと感じます。5人に1人もパスポートを持っていない、つまり今すぐ海外に行ける、もしくは行きたいと考えている人は5人に1人もいないのですから。

そんな状況を反映するように、海外では日本人を見かけることが本当に少なくなったといいます。お盆休みの期間は海外でも日本人旅行者が多くなるのが例年の風景ですが、今年はそんなこともなかったそうです。
日本人に人気の海外旅行先といえばハワイやグアム、台湾、韓国、タイ、シンガポールなどが思い浮かびますが、これらの国々の中でも特にハワイやグアム、さらにはここに挙げませんでしたがアメリカの本土やヨーロッパなどに行く日本人が極端に減っているとのことです。
かつてグアムは日本人観光客でもっているようなところがあったため、現地は廃墟街のようになってしまっているんだとか。
これって海外旅行だけに限らず、留学や国際交流など、あらゆる面で日本人が内向きになっている気がしています。
なぜそうなったのか?を考察してみました。

最大の理由は、やっぱりお金でしょう。
歴史的な円安が進んでいるため、海外旅行に行くにも、現地でお金を使うにも、日本円をベースに考えると高くなってしまうため、どうしても足が遠のいてしまう。これは外的要因なので仕方ありません。
それに加えて、日本人の可処分所得が少なくなってしまい、海外旅行に出かけたり若い人が留学をしたりといった機運になりにくいと思われます。物価高で生活を守るのに精一杯という人が増えると、当然海外旅行のような消費から先に削減されていきます。

これをデータでも見てみましょう。
2025年に海外旅行をした日本人は約1,410万人。これに対して訪日外国人客は4,000万人超え。実に4倍近くの差があります。それだけ日本に魅力があるからと言ってしまえばそれまでですが、やはり海外に出かける日本人が少なすぎるように思いますよね。
ちなみにこの数字は、コロナ禍以前の水準をまだ回復していません。訪日外国人の数はコロナ禍前の水準を回復どころか上回っているのに、です。つまり、コロナ禍によって日本人の内向きな目線に拍車がかかってしまったとも考えられます。

インバウンドの外国人が4,000万人も来ているのは、旅行先としての日本に魅力があるからです。もちろん円安によるオトク感もあると思いますが、それだけで海外旅行先を決める人はそれほど多くないでしょう。しかも中国が政治的な嫌がらせで日本に行かせないようにしているのに、総数は史上最高値。これで中国からも訪日客が来ていたら、どんな数字になっていたのかと思ってしまいますよね。
このことは外国人だけでなく、日本人にもいえます。日本国内には魅力的な旅行先がたくさんあるので、わざわざ海外に行く必要がないと感じる人が多くなった、これも説得力のある一説ですね。
確かに私も沖縄が大好きですし、北海道や東北、九州などなど、日本国内には行きたくなるところが目白押しです。
このこと自体は全然問題のないことですし、日本国内の旅行先でお金を使うことでそれぞれの地域が潤うのは良いことだと思います。

ただ、海外に目を向ける日本人が少なくなることには、少々危機感もあります。
海外旅行に行ったことがある方であれば肌感覚でイメージできると思いますが、日本とは違うことを楽しむのが海外の醍醐味です。物価や言語、風習、気候、そこに住んでいる人の考え方など、何から何まで違って当たり前です。それを感じて、外から日本を見ることにも大きな意義があると思っています。
海外に目を向ける日本人が少なくなると、「海外の経験がない日本人」が増えてしまうことになります。私はこれが、中長期的に日本の競争力をそいでしまうのではないかと危惧します。

最近ではネットで海外のことを知る機会が本当に多くなりました。手軽に海外の生々しい情報にアクセスできるので、まるで現地に行ったような気分になることもあります。
しかしそれは行った気分になっているだけで、実際に行ったわけではありません。
海外に全く行ったことがないのに、ネット情報で耳年増になってしまっただけで、見てきたように海外現地のことを話している人のことを聞いたことがあります。それはあまりにも現地の実情とかけ離れたもので、「見たような気になっている」ことの危うさを感じたといいます。
治安や現地での禁忌などに関することを生半可な知識で理解したつもりになって、その状態で現地に行くことを想像すると、確かに怖いですよね。
ネット情報で受け取れるのは、視覚と聴覚の情報だけです。現地の匂いや温度感、人の雰囲気などは現地に行かなければ受け取ることができません。ここに私は価値があると思っているので、特に若い人はどんどん海外に目を向けてほしいと思います。

2025年のパスポート発行冊数は362万冊で、前年比で5%ほど減ったそうです。しかし、その一方で有効旅券冊数に2,282万冊に増えたそうです。短期的には減っていても、まだまだ6人に1人以上の人が海外に目を向けている、もしくは海外に出かけていることになります。
物見遊山でも何でもいいので、多くの人が海外に出向いて、現地で自分だけの「何か」を感じてほしいです。たとえそれが思い出になっただけであっても、十分価値があると思います。

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