Non-Fit発電所の実状とは?
2012年に再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及を促すために導入された「FIT(固定価格買取)制度」も、近年は「賦課金」が国民の負担となっていることや、電気の需要と供給のバランスが不安定といった、さまざまな課題があることがわかってきました。
経済産業省は2022年4月、FIT制度とは別の制度をスタートさせましたが、今後このようなFIT制度に頼らない動きが加速するかもしれません。
では、実際にFIT制度に頼らない「Non-Fit発電所」を設置している経営者は、どのような経緯や理由で設置に至り、またNon-Fit発電所を設置したことの満足度はどのくらいなのでしょうか。
今後Non-Fit発電所の設置を検討している方は、どのようなポイントを重視し、いつ頃の設置を予定しているのか、こうしたことを明らかにすることでNon-Fit発電所の実状がわかるかもしれません。
そこで今回、企業の脱炭素経営を総合サポート『とくとくファーム0』>(https://wajo-holdings.jp/farmzero/)を運営する株式会社和上ホールディングスは、①Non-Fit発電所の設置を検討している経営者②設置した経営者を対象に、「経営者に聞いた Non-Fit発電所設置」に関する調査を実施しました。
どのような理由でNon-Fit発電所を検討する経営者が多い?
はじめに、Non-Fit発電所の設置を検討している経営者に検討理由について伺ってみましょう。
「Non-Fit発電所設置を検討している理由として近いものを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『自社の経費(電気代)を削減したいから(31.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『FIT買取期間が満了したから(30.2%)』『100%再エネなど環境問題に貢献したいから(28.4%)』と続きました。
いつ設置する?Non-Fit発電所を設置するタイミングについて
続いて、いつ頃の設置を考えているか伺ってみましょう。
「具体的に、いつ頃にNon-Fit発電所を設置しようと考えていますか?」と質問したところ、『決まっていない(まだ検討の段階)(16.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『2024年の春頃(14.7%)』『2023年の夏頃(14.5%)』『決まっていない(なるべく早期に設置したい)(12.8%)』と続きました。
設置を検討している時期にはバラつきがありますが、1年以内の設置を検討している方が多いようです。
それぞれの時期に設置を検討している理由を詳しく伺ってみましょう。
その時期に設置を検討している理由とは
- なるべく早く設置したい。この電気価格は、かなり厳しいと思います(40代/男性/岐阜県)
- コストの高騰を懸念しており、設置を急いでいる(40代/男性/神奈川県)
- 電力不足や電気代高騰に備えて(50代/男性/東京都)
- コスト面の課題があるが、なるべく早く設置したい(50代/男性/千葉県)
電気代や設置費用の高騰といった点から、早めの設置を検討している方がいることが分かりました。
Non-Fit発電所を検討している経営者が重要視していることと懸念していることは?
Non-Fit発電所の設置を検討している時期や、その理由について分かりました。
次に、設置をする際にどのようなポイントを重要視しているか伺ってみましょう。
「Non-Fit発電所を設置する際、どのようなポイントを重要視していますか?近いものを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『コストパフォーマンス(52.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『設置費用(42.8%)』『発電量(発電効率)(42.0%)』と続きました。
費用面に関して重要視している方が多くいることが分かりました。
それらのポイントを重要視している具体的な理由について伺ってみましょう。
そのようなポイントを重要視している理由とは
- 【発電量(発電効率)/コストパフォーマンス/売電収入(取引価格)】コストに見合うかどうかが一番大事だから(30代/男性/東京都)
- 【発電量(発電効率)/設置費用/コストパフォーマンス】エネルギーコスト削減(30代/女性/大阪府)
- 【発電量(発電効率)/コストパフォーマンス】費用削減のため(40代/男性/栃木県)
- 【発電量(発電効率)/設置費用/コストパフォーマンス】長い目でコスト削減に繋げたい(50代/男性/大阪府)
では、設置するにあたってどのような点を懸念しているのでしょうか。
「Non-Fit発電所を設置する際、懸念しているのはどのようなポイントですか?近いものを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『採算が取れないのではないか(38.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『太陽光パネルの故障やメンテナンスをどうするか(35.9%)』『発電した電気で自社エネルギーを賄えるか(35.3%)』と続きました。
『採算が取れないのではないか』ということを懸念している方が4割近くいることが分かりました。
懸念している点に関しても、費用面に関することに最も多くの意見が集まりましたが、故障やメンテナンスへの懸念も多くあるようです。
実際にNon-Fit発電所を設置した経営者は、どのような経緯で設置に至った?
ここからは、Non-Fit発電所を設置した経営者に設置した経緯について具体的に伺ってみましょう。
Non-Fit発電所を設置した経緯
- FIT買取期間が満了したタイミングで好条件の売電先が見つかった(20代/女性/東京都)
- 先に設置していた人の勧めなどがきっかけ(30代/男性/大阪府)
- SDGSに取り組みたかったから 環境を守りたいため(30代/女性/東京都)
- ソーラーを工場の屋根や会社の屋上に設置して近くに有るこども園(乳児園、保育園、幼稚園併設)に安く売却している(30代/女性/東京都)
売電先が見つかったことや、すでに取り入れていた人のすすめ、環境問題への取り組みなどさまざまな理由があるようです。
Non-Fit発電所を設置したことの満足度はどのくらい?
Non-Fit発電所を設置した経緯について伺いましたが、Non-Fit発電所を設置する前はFIT制度を利用していたのでしょうか。
「Non-Fit発電所を設置する前にFIT制度を利用していましたか?」と質問したところ、6割以上の方が『はい(62.4%)』と回答しました。
次に、Non-Fit発電所を設置したことに対して満足しているか伺ってみましょう。
「Non-Fit発電所を設置したことに対する満足度を教えてください」と質問したところ、『とても満足している(15.3%)』『やや満足している(35.8%)』『どちらともいえない(36.4%)』『やや不満がある(9.5%)』『とても不満がある(3.0%)』という回答結果になりました。
『やや不満がある』『とても不満がある』と回答した方を合わせると、不満の声を上げた方は約1割という結果となりました。
そのような満足度になった理由とは
【とても満足している】
- FIT制度を利用していたときよりも売電収入が上がった(20代/女性/東京都)
- 環境問題に貢献して以前よりは未来に繋げていけている行動がはかれているから(30代/女性/東京都)
【やや満足している】
- 収益が上がった(20代/男性/東京都)
- 電気代をうまく節約することができている(40代/男性/群馬県)
【どちらともいえない】
- 電気代の抑制に役立つが、買取価格が低すぎる(40代/男性/沖縄県)
- 10年20年経過した時のメンテナンスや故障した時の対応がわからなぃ(40代/男性/栃木県)
【やや不満がある】
- 販売価格が下がりやや不満に感じる(40代/男性/北海道)
収入が直接満足度に繋がっていたり、環境問題への取り組みが満足度UPとなっていたりすることが分かりました。
一方、どちらともいえない、やや不満があると回答した方は、今後のメンテナンスや故障の際の対応がわからないことや、販売価格が下がっているといった理由があるようです。
【まとめ】Non-Fit発電所を設置した経営者の不満は少ない。設置をするなら早めにしっかりとした準備を。
今回の調査結果で、Non-Fit発電所を設置した経営者の半数以上が、売電収入が上がったことや、電気代をうまく節約することができているといった理由で満足していることが分かりました。
Non-Fit発電所の設置を検討している方の多くは、自社の経費削減やFIT買取期間が満了したという理由で、1年以内を目安になるべく早めの設置を検討しているようです。
また、コスト削減を目的とした方が多いことから、設置の際にはコストパフォーマンスや設置費用、発電量といったポイントを重要視していることが分かりました。
Non‐fit発電には、安定的電源の確保、脱炭素経営の実現、環境ビジネスの事業化など、多くの可能性があります。
電気料金高騰が危惧されている今、新時代の発電システムをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
調査概要:「経営者に聞いた Non-Fit発電所設置」に関する調査
【調査期間】2023年5月1日(月)〜2023年5月8日(月)
【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査
【調査人数】①Non-Fit発電所の設置を検討している経営者:510人/②設置した経営者:346人
【調査対象】調査回答時に①Non-Fit発電所の設置を検討している経営者②設置した経営者と回答したモニター