こんにちは、石橋です。
太陽光発電やオール電化など、エネルギーに関連する和上住電の人間として、この話題に触れないわけにはいかないでしょう。
それは、シェール革命です。
報道によってはシェールガス革命と表記することもあります。
これは、はっきり言ってとんでもないことです。
これまでの石油や天然ガスなど、エネルギーに関連する常識がことごとく塗り替えられるでしょう。
それほどのインパクトを持つシェール革命とは何か?
まずは簡単に解説を。
この「シェール」というのは、地中深くにある地層のことです。
頁岩(けつがん)とも呼ばれ、硬くてはがれやすい性質を持った岩盤です。
この頁岩があまりにも硬いため、これまで石油などの採掘は頁岩、つまりシェール層よりも上で行われていました。
しかし、化石燃料とも呼ばれる石油や天然ガスは地中のいろいろな層に埋蔵されており、これまでは「掘りやすいもの」だけを採掘していたにすぎません。
技術革新とともに採掘技術も向上し、ついにそれはシェール層に到達したのです。
シェール層まで掘れる技術があれば、エネルギー問題は解決するのに・・・と言われていたことが現実になりつつあるのです。
この分野で先行しているのは、アメリカです。
アメリカ合衆国には、ほぼ国土全域にシェール層があるらしく、そこには莫大な石油や天然ガスが!
古くから陸地があった場所、つまり大陸にはほぼシェール層があると言われており、他にもロシアやオーストラリア、中国などにも有望なシェール層があるとされています。
このままシェール層の開発が進めば、2020年頃にはなんとアメリカが世界一の産油国になる見込みだそうです。
現在は中東の産油国に多くのエネルギーを依存している世界が、もう中東に依存しなくなることを意味しています。
中東はアラブ、つまりイスラム世界です。
私たち日本人から見てもそうですが、欧米から見ても異質な世界であるのは言うまでもありません。
しかし、石油があるから付き合っていなければならない。
その結果、アラブはとてもお金持ちになりました。
ドバイやアブダビ、カタールなどの繁栄は石油がなければあり得ないものです。
そんな中東の地位が、大きく下がることになります。
日本も石油の大半を中東に依存していますが、今後はアメリカからの輸入が増えると見込まれています。
政治的に輸入しやすいだけでなく、価格は2割ほど安くなるとか。
つまり、シェール革命は日本にとっても大きなメリットをもたらすのです。
先日、アルジェリアでプラント開発会社「日揮」の優秀な社員が10人も殺されるという痛ましい事件がありました。
エネルギー輸出産業に大きく依存しているアルジェリアにとっては、プラント開発などをしてくれる会社は大切なパートナーであるはずです。
実際に現地では日揮も40年以上の実績を持っており、アルジェリア政府と緊密な関係を築いていました。
そんな会社に対して、そんな会社のスタッフに対して、あの所業です。
国家転覆をもくろんでいる組織なので、日本人が出て行ってくれることも目的のひとつだったことでしょう。
シェール革命が起きれば、そんな危険なところに行く必要もなくなるのです。
エネルギーを安全に、安定して供給するというのは何よりも重要なことです。
和上住電も関わりのある太陽光発電は次世代のエネルギーとして普及が進んでいますが、すべてのエネルギー消費をまかなうようになるには、まだまだ時間がかかります。
原発の再稼働も、まだまだ本格的には進まないでしょう。
そんなところに登場したのが、シェール革命です。
日本のエネルギー事情も一変し、もっとコストの安いエネルギーが充分に供給され、経済の発展にも大きく寄与するはずです。
世界最大のモーターショーであるアメリカのデトロイト・モーターショー。
ここ数年はエコカーブーム一辺倒でしたが、今回は訳が違いました。
いわゆる「アメ車」というイメージを存分に持つ、バカでかい車が続々と登場していました。
やっぱり、アメリカ人は本来こういう車が好きなんですね。
しかし、それができないエネルギー事情が続いていたので、トレンドが変わってしまっていました。
シェール革命が起きれば、燃費なんて気にしなくていい・・・という考えは短絡的ですが、アメリカ人の本音はそんなところでしょう。
やはり今年も、シェール革命や太陽光発電、原発再稼働などなどエネルギーに関する話題が尽きない年となりそうです。