私が代表を務める和上ホールディングスの公式サイトには、大きな文字で「ゼロカーボンを総合支援」とあります。
太陽光発電の有用性に早い時期から着目し、エネルギー問題だけでなく環境問題や災害対策などのメリットを世に広めたいとの思いでここまで突っ走ってきました。
それでは、このゼロカーボンって何でしょう?よく似た言葉にカーボンニュートラルやカーボンオフセットもありますが、これらの違いを説明できますでしょうか?
今回はこの似た言葉についてその違いや目指すところ、私の考えについて述べていきたいと思います。
まず、それぞれの言葉の意味を1つずつ解説していきましょう。
ゼロカーボンとは、温暖化ガスの代表格である二酸化炭素を排出しない経済活動のことです。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは発電時に二酸化炭素を排出しないので、こうしたエネルギーの普及を進めることによって地球温暖化などの環境変動を食い止めようとする考え方です。
次に、ゼロカーボンとよく似た言葉にネットゼロカーボン(ネットゼロ)があります。このネットというのは「実質的」といった意味合いがあるので、ネットゼロは「実質的にゼロカーボン」という意味になります。二酸化炭素を排出する一方で、その二酸化炭素を吸収することで排出と吸収が釣り合っている状態のことを、ネットゼロカーボンといいます。人間が活動する以上、完全なるゼロカーボンを達成することは困難です。太陽光発電や風力発電は発電時こそ二酸化炭素を排出しませんが、それぞれの機器を製造したり設置工事をする際には二酸化炭素を排出します。もちろん化石燃料を燃やすのと比べると圧倒的に低炭素ではありますが。
このどうしても排出してしまう分を植林や森林保全などによって吸収し、実質的にゼロカーボンにするというのが、ネットゼロカーボンです。私たち和上ホールディングスが目指している方向性であり、最も現実味のある考え方だと思います。
そして3つ目は、カーボンニュートラル。実質的なゼロカーボンを実現するための考え方なので、ネットゼロカーボンと基本的に意味合いは同じです。ただし、微妙な部分で意味の違いがあります。
カーボンニュートラルは主に二酸化炭素を対象としているのに対して、ネットゼロは温室効果ガスのすべてを対象にしています。二酸化炭素以外にもメタンガスなど温室効果ガスがあるので、ネットゼロはこうしたガスもすべて対象にして地球温暖化を食い止めようというわけです。
取り組みについても少し違いがあって、カーボンニュートラルは排出と吸収の均衡を保つことで実質ゼロを目指します。その一方でネットゼロは温室効果ガスを吸収する技術の開発を進め、森林の保全や工業的なアプローチによって二酸化炭素を吸収することも目指しています。
そしてさらにもう1つ、カーボンオフセットについて。ここまで解説した3つの言葉との大きな違いは、二酸化炭素の吸収・削減に重点を置いていることです。二酸化炭素の排出と吸収を実質ゼロにする考え方は同じなのですが、そのために「どうやって二酸化炭素を吸収したり減らしたりするか」に取り組みます。再生可能エネルギーの普及促進はもちろん、森林保全や植林、土壌の改良といった幅広いアプローチで環境問題の解決を目指します。
このように脱炭素に関わることがいくつもあるということは、それだけこうした取り組みに対する社会の関心が高まっており、環境問題への積極的なアプローチが待ったなしであることを示しているといえます。