次世代電池の大本命!全固体電池で日本復活なるか

石橋大右

2026.7.24 エネルギー問題

次世代電池の大本命!全固体電池で日本復活なるか

こんにちは、石橋です。
しばらく体調が思わしくなく、ブログの更新も思い通りになりませんでした。
ようやく体調も戻って来たということで、ブログのほうも再開していきたいと思います。

今回テーマに選んだのは、全固体電池です。
EV(電気自動車)の普及には蓄電池の技術革新が必須といわれていますが、その蓄電技術において次世代の主役になると目されているのが、全固体電池です。
最近ではニュースにもたびたび名前が登場するので、見聞きしたことがある方は多いかもしれません。

そもそも、全固体電池って何なのでしょうか。これについてもあまり知られていない部分があると感じるので、簡単におさらいしておきたいと思います。
現在、蓄電池の主流として広く利用されているのはリチウムイオン電池です。スマホなど小さな電子機器から系統用蓄電池など大規模な蓄電設備まで、おおむねリチウムイオン電池が広く用いられています。
このリチウムイオン電池は、電池の内部でイオンを移動させることで電気を蓄える仕組みになっているのですが、イオンが移動できるように液体を使用しています。
これに対して、液体ではなく固体が使用されているのが全固体電池です。リチウムイオン電池が液体電池であることに対比して、全固体というわけです。

この全固体電池には、リチウムイオン電池にはないメリットがいくつもあります。
まず思い浮かぶのが、安全性です。リチウムイオン電池は衝撃に弱く、衝撃を与えると発熱したり発火することが知られています。最近、多くの航空会社がリチウムイオン電池のモバイルバッテリーを持ち込むことや機内で充電することに規制を設けていますが、これもリチウムイオン電池の脆弱性があるからです。
これに対して全固体電池は液体がないため液漏れや高温になりにくいなどの特性があります。つまり、リチウムイオン電池のように発熱したり発火したりするリスクがきわめて低いということです。
そしてもうひとつ注目したいのが、充電のスピードです。スマホの充電を思い起こしても、バッテリーの充電には一定の時間がかかることをイメージできると思いますが、これがもっと大規模な電池になると充電時間がネックになります。
EVの充電をするために何時間も足止めを食らってしまっては、行程に大きな影響が出てしまいますよね。ガソリン車であればせいぜい10分程度で給油完了となりますが、リチウムイオン電池だとそうもいきません。そのため、EVの普及には充電スピードが課題になるといわれてきました。
全固体電池は液体よりも内部でイオンが移動しやすいため、充電スピードか飛躍的に向上します。現在の最新技術だとリチウムイオン電池よりも数倍早く充電ができるところまで来ています。これなら運転の休憩を兼ねてEVの充電をするという使い方も現実的になります。
また、全固体電池は液体電池と比べて電池自体を小型化できるため、同じスペースであっても蓄電量が多くなります。EVに搭載した場合、1回の充電での航続距離が大幅に長くなります。EVの課題は充電なのですから、そもそも充電の回数が少なくなるのも有効だと思います。

まだまだ技術的、コスト的なハードルがあるものの、全固体電池は次世代の大本命と見なされていることもあって、世界各国が熾烈な開発競争を繰り広げています。
ここで、当コラムでよく言及している日本の強みについて触れておきましょう。
日本は全固体電池の開発において、長らく先行してきました。特にトヨタやパナソニックなどの主要メーカーが実用化に向けて研究開発を続けてきたこともあり、特許の出願件数は日本が突出しています。トヨタやパナソニック以外にも富士フイルムや出光興産なども全固体電池の特許を続々と出願しており、日本のメーカーが先行していることがうかがえます。
そしてもうひとつ、日本には世界トップレベルの素材技術があります。素材技術とはさまざまな工業製品に使われる材料の品質を高めたり、次世代材料を開発したりと、素材に強みを持っています。
日本の素材技術については、以前にも当コラムで取り上げた炭素素材など、世界に先行している分野がいくつもあります。全固体電池には硫化物系固体電解質と呼ばれる素材が必要になるのですが、この分野の基礎研究も日本が先行しています。
すでに一部で実用化のレベルに到達しているメーカーもあるのはまだ日本だけで、この強みをいかせば、日本国内に強固な全固体電池のサプライチェーンを構築できるでしょう。系統用蓄電池の分野でも期待されている次世代技術だけに、日本の力を結集して新たな産業となることを期待します。

  • 事業内容
  • メール相談
  • 電話相談