こんにちは、石橋です。
今回も、近年注目度が飛躍的に高まっている系統用蓄電池の話題です。
今回取り上げるのは、系統用蓄電池ファンドです。

系統用蓄電池ファンドとは、系統用蓄電池を運用対象とする投資商品のことです。事業主体は系統用蓄電池を開発、所有、運用しており、そこに投資をすることで収益の一部を投資額に応じて受け取れる仕組みです。
不動産の世界にはREITといって、投資法人が投資家から集めたお金で不動産投資をして、その利益を分配する商品があります。個人投資家だとなかなか手が届かない優良かつ高額の不動産に小口で投資ができるとあって、高い人気となっています。
こちらは、一般社団法人投資信託協会の公式サイトに掲載されている、REITの図解です。

中心にあるのがJ-REITと呼ばれる投資法人で、運用対象を不動産から系統用蓄電池に置き換えるとほぼ同じ構図になっています。もっとも、J-REITのように上場しているわけではないため、現状では事業主体となる企業が募集している投資案件を探して出資をする形になります。
現在投資が可能なファンドのほとんどは、クラウドファンディングのスキームを採用しています。事業主体となる会社がクラウドファンディングの仕組みを使ってネットで資金を募り、集めた資金を使って系統用蓄電池の開発を行います。そして、稼働が始まったらそこで得られた利益を出資者に分配します。
投資家にとってのメリットは、主に4つあります。
1つ目は、初期投資額が高額になってしまう系統用蓄電池事業に個人投資家レベルの金額で参入ができること。自分が事業主体となって系統用蓄電池事業を始めるとなると少なくとも数億円規模の資金が必要になりますが、クラウドファンディング方式の系統用蓄電池ファンドであれば、1口1万円から投資ができます。これなら「ちょっとやってみよう」と考えている人にも手が届きますよね。
2つ目のメリットは、投資したくても門戸が狭い系統用蓄電池の世界において、参入できる確率が高くなることです。当コラムでも何度か述べてきているのでご存知の方は多いかもしれませんが、現在、系統用蓄電池は注目度の高さゆえに申請が殺到しており、始めたくてもそう簡単ではない状況が続いています。蓄電池を設置できる要件を満たした土地を探すのが難しいことも参入障壁となっており、大資本であっても思い通りに参入できていないのが実情です。ファンド経由であれば、すでに事業参入しているプロジェクトに参加するため、最もネックとなっている参入障壁をクリアしやすくなります。もっとも、系統用蓄電池ファンドも人気が高いため、思い通りに参入できるわけではないんですが、それでもかなり有利ではあります。
そして3つ目は、運用ノウハウが不要であること。系統用蓄電池は単に設置すれば儲かるという代物ではなく、運用には専門的なノウハウが求められます。アグリゲーターといって電力の販売を担当する会社があるほど、運用次第で収益性が大きく左右されます。和上ホールディングスでは系統用蓄電池の開発、提供といったサービスにおいてアグリゲーターの紹介も行っていますが、アグリゲーター選びを間違えると期待通りの収益が得られないこともあるんです。その点において、ファンド投資であれば事業主体がアグリゲーター選びも含めて運用をしてくれるので、投資家は専門知識不要です。
4つ目のメリット、これが投資家にとって最大の関心事です。系統用蓄電池事業は収益性が高く、利回りが10%を超える案件も珍しくありません。不動産クラウドファンディングやREITなどで2桁の利回りを狙うのは難しくなっている昨今ですが、系統用蓄電池ファンドだと10%を超える案件多数なので、個人投資家からの注目度は高まるばかりです。
これだけのメリットがある一方で、もちろんデメリットもあります。
最も知っておくべきデメリットは、元本保証ではなく、投資したお金が減る可能性があること。系統用蓄電池という実物に対する投資だけに、蓄電池を設置している場所が自然災害にあうリスクがありますし、それ以外にも蓄電池の劣化や故障といった物理的なリスクもあります。もちろんこれらのリスクは自分が事業主体になっても同じなので、ファンドだけに限ったことではありません。
系統用蓄電池ファンド特有のデメリットとしては、運用コストがあります。自分で運用するわけではないため、系統用蓄電池の運用にかかるコストは投資家が負担することになります。負担するといっても系統用蓄電池が期待通りの収益を上げているのであれば分配されるお金の一部がコストとして差し引かれるため、投資家が手持ちの資金を持ち出す必要はありません。利益は出ているが事業主体の取り分があるため、収入が少し減るというわけです。
系統用蓄電池に投資してみたいと考える個人投資家は多くいます。すでに不動産投資や太陽光発電投資の世界でもこうした小口化スキームは確立しているため、それと同じことが系統用蓄電池でも起きるのは自然な流れといえます。
やはり、今後も目が離せない世界であることは間違いありません。

