こんにちは、石橋です。
なかなか終わらないイランでの戦争、そして原油の供給不安。
テレビ報道を見ていると、まるで石油ショックがまた始まったかのようなニュアンスの情報ばかりです。こうした報道を見ていると視聴者の不安を煽っているのが見え見えですが、今回の本題ではないのでこの件はまた機会を改めるとしましょう。

今回の本題として語らせていただきたいのは、危機への備えを怠っていなかった日本のすごさです。
日本は原油の調達先を中東に依存していて、その比率は9割です。私たちの日常生活を支えているのは中東の原油だといって過言ではありません。イランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことによってその原油に供給不安が発生しているのはご存じの通りです。
しかしこの危機に、日本はしっかり備えていました。まず直接的な備えとして際立っているのが、石油の備蓄です。日本は200日分以上の石油を国内に備蓄していますが、これは世界のトップクラスです。資源がない国だけに、供給不安になった途端に干上がってしまわないように備えてきたわけです。
以前、沖縄の宮城島にある石油備蓄基地を見たことがありますが、ちょっとしたスタジアムがすっぽりと収まるような巨大なタンクがたくさん並んでいる光景は壮観でした。あんな巨大な備蓄基地が日本全国の各地にあります。そのおかげで、日本はいきなり干上がってしまうことなく、中東からのタンカーが来なくなってもパニックにはなっていません。
日本だけを見ていると「ガソリンが高くなった」とぼやく声が聞かれますが、あまり備えてこなかった国では1リットル600円、1,000円という国も少なくありません。これもあまり報道されていませんが、ベトナムなど日本が備蓄している石油を売ってくれませんかとオファーしてきている国まであるのです。この一点だけを見ても、日本がいかにしっかり備えてきたのかが分かりますが、これだけではありません。
さらに日本が過去の教訓から学んできたのが、省エネ技術です。日本は世界トップレベルの省エネ大国で、クルマの燃費はどんどん伸びていますよね。トヨタのプリウスは1リットルで30km以上走りますし、ホンダのバイクはその倍以上走ります。アメリカのクルマを買えと言ってきている某大統領がいますが、当のアメリカ人が日本車を買っているのですから、まずはその人たちにアメ車を買えと言ったらいいのにと思います。
世界的な潮流で石炭を使わないようにしましょう、という流れになっていますが、実はこれ日本の技術があれば石炭火力をもっと使っても問題ないんです。というのも日本の石炭火力発電技術は世界一でエネルギー効率がとても高く、そしてクリーンです。太陽光発電を取り扱う会社の代表である私が言うのもなんですが、日本はもっと石炭火力を使っていいと思います。海外で悪者になっている石炭火力とはまるで別物の技術があるんですから。
こうした努力の結果、日本はGDPあたりのエネルギー効率が世界トップクラスで、その座をほぼ独占し続けてきました。限りある資源を有効に使う発想はまさに日本人の「もったいない精神」ですが、この精神がイラン情勢による危機で強みを発揮しているわけです。
そして今は、再生可能エネルギーへの転換も進んでいます。ここからは私の専門分野ですが、太陽光発電や系統用蓄電池の普及拡大により、再生可能エネルギーをもっと安定的に活用できる態勢が整ってきています。この分野については日本だけが先行しているわけではありませんが、日本が世界の先頭集団を走っていることは間違いありません。
イラン情勢は日々変化していて、今日の時点でいつ終わるのか見通せていません。おそらくこの戦争を仕掛けた某大統領自身も「こんなはずじゃなかった」と思っていることでしょう。当事者が出口戦略を見いだせない今、「アリとキリギリス」のアリとなってコツコツと備えてきた日本の強みがクローズアップされています。
備蓄と省エネ技術、そしてエネルギーの構造転換。これらの強みは日本にとってチャンスでもあります。戦争は忌むべきもので早期の終結を願って止みませんが、日本の技術や産業が世界から評価されていることを誇りに思います。