2025.03.11
カーポート基礎工事の重要性について!基礎の手抜き工事は設備の倒壊リスクが高くなる

こんにちは、『ソーラーカーポート専門店 とくとくショップ』です。今回は、自宅の駐車場にカーポートの設置を検討している方に向け、頑丈なカーポートを作るために重要になる基礎工事の流れや注意したい手抜き工事について解説します。
カーポートに限らないのですが、建物や構造物を作る際、非常に重要な要素になるのが「基礎」と呼ばれる部分です。実は、基礎工事をきちんと行っていなければ、その上にどれだけ質の良い構造物を作り上げたとしても、本来の耐久力を発揮することはできず、地震の揺れや強風などによって早期に倒壊してしまうリスクがあるのです。
ただ、カーポートなどの外構設備に関しては、工事が完了してから基礎の状態などを確認することはできません。構造物の基礎は、地中に埋まってしまっているため、一般の方が目で確認できるのは上物の構造物の部分だけになり、基礎工事が手抜きだったとしても、後からそれに気づくことができない…と言う状況になってしまうのです。
カーポートは、外構設備の中でも特に基礎工事が重要な要素となり、正しく工事を行っていなければ、駐車場を利用する住人さんにも危険を及ぼしてしまいます。カーポートは、常に風の影響を受け続けるため、台風などの強風があった際、基礎の強度が不十分だと簡単に風に負けて倒れてしまうリスクが生じるからです。
この記事では、カーポートの基礎について、手抜き工事を防ぐためのポイントや正しい工事の流れをご紹介します。
目次 [非表示]
一般的なカーポート工事の流れについて
カーポートは、柱と屋根のみで構成される簡易的な車庫のことを指します。駐車場にカーポートを設置すれば、雨風、紫外線などの自然現象や鳥の糞と言った飛来物から車を守ることができるようになります。さらに、悪天候時でも車の乗り降りの際に濡れずに済むなど、駐車場の利便性を高めることができる設備として人気です。
そして、このカーポートを設置する際に欠かせない工事が、カーポートの柱を固定するための基礎工事です。カーポートは、駐車場に停める車を守ることが目的の設備ですし、強風や地震の揺れに設備が耐えられるだけの強度が必要となります。基礎工事は、カーポートを支える柱の根元を固める工事で、カーポートの安全性を実現するための非常に重要な工事となります。
ここでは、一般的なカーポートの基礎工事について、その流れを分かりやすく解説します。
柱を立てるため基礎の穴を掘る
カーポートを設置する工事の流れを大まかに紹介すると、まず柱を立てるために基礎の穴を掘り、柱を立てて基礎コンクリートを打つ、基礎コンクリートが固まったら屋根部分を組み立てていくといった流れで進みます。
基礎の穴を掘削する作業については、もともとの駐車場の状況によって多少流れの違いがあるのです、以下の流れが一般的となっています。
- 柱を設置する位置の確認
まず、業者立会いのもと、柱を立てる位置や高さを決定します。設置する柱の数は、カーポートのタイプによって異なりますが、1~4本の柱を設置することになります。 - 基礎穴を掘る
柱を立てる場所が決まれば、その部分に基礎の穴を掘っていきます。基礎穴の大きさや深さは、設置するカーポートのタイプによって異なりますが、基本的に60cm程度の深さの穴を掘ります。 - はつりハンマーが必要になるケースもある
はつりハンマーとは、硬い岩盤などを砕いたり、削ったりする電動工具です。基礎穴を掘り進める時には、地中に固い岩盤が出てくるケースがあり、そのような場合、はつりハンマーで岩盤を砕きながら掘り進めます。なお、既にコンクリートが地面に打たれている場所に基礎を作る場合、最初にはつりハンマーなどでコンクリートを砕き、掘り進めます。 - 規定値に達するまで穴を掘る
カーポートの柱を設置するための基礎については、安全性を確保するため、必要な基礎穴の深さが定められています。したがって、その規定値に達するまで、基礎穴を掘る必要があるのです。なお、柱を設置するための基礎の規定値(深さや穴の広さ)は、商品によって異なる数値が定められています。そのため、設置するカーポートによって基礎工事にかかる手間が変わるので、工事費用なども上下します。
カーポートを設置するための基礎工事は、まず上記の流れで基礎の穴を掘る作業が進められます。メーカーなどに定められた広さ、深さの穴が掘れたら、柱を立てる工程に進みます。
柱を設置する
規定の大きさ、深さの基礎穴が掘れたら、いよいよカーポートを設置していきます。カーポートの設置は、以下の流れで進みます。
- 基礎穴に柱を設置する
基礎穴に柱を設置するのですが、きちんと水平になるよう穴の底にプレートを設置し、その上に柱を置くタイプのカーポートがほとんどです。 - 柱の周りにモルタルを流し込む
柱の基礎は、モルタルを流し込むことで作ります。モルタルとは、砂とセメントと水を混ぜて作る材料を指すのですが、分かりやすく言うとコンクリートの事と思っていただければ大丈夫です。モルタルを現場で作り、それを基礎穴に立てた柱の周りに流し込んでいきます。 - 水平をチェック
水平器などを用いて、柱が垂直に立っているのかを確認していきます。なお、この作業は、既にモルタルが流し込まれてから行います。モルタルは、時間経過とともに硬化していき、完全に固まってしまうと柱を動かして調整することができなくなります。したがって、素早く水平チェックを行い、ズレがあれば正確な位置に修正しなければいけません。
カーポートの基礎工事は、ここまでの作業で完了です。基礎穴に流し込んだモルタルが固まるのを待ち、モルタルが固まればカーポートの屋根を組み立てていくという流れとなります。
屋根部分の組立てが完了すれば、カーポートの設置工事は終了です。
カーポートの設置工事にかかる日数とは
カーポートの設置は、上記の流れで進みます。簡単に言うと、柱を立てる場所を決め、そこに穴を掘って柱を置き、コンクリートで固定するといった流れの工事になるのです。こう聞くと、複雑な作業はないわけだし、工事自体も短時間で完了するのではないかと思いますよね。実際に、カーポートの設置工事は、購入した製品の種類によって多少の誤差があるものの、基本的に2~5日程度で完了します。
最も一般的な、片側支持タイプの1台用カーポートであれば、設置工事の工期は2日に設定されているのが基本です。1日で完了しないのは、モルタルが固まるまで待つ必要があるからで、基本的に1日目に柱を設置してモルタルを流し込むまでの作業を行い、後日モルタルが固まったのを確認してから屋根を組み立てていくという流れになるのが一般的です。
なお、基礎穴を掘り進める際、硬い岩盤にぶつかり、掘削作業が思うように進まない…なんて時には、施工期間が伸びてしまうことがあります。
カーポートの基礎工事は手抜き工事に注意!

ここまでは、一般的なカーポート設置工事の流れをご紹介しました。先ほどご紹介したように、カーポートを設置する際には、メーカー側が定めている広さ、深さの基礎穴を掘り、そこに柱を固定することが重要です。
カーポートは、雨や風などの自然現象から駐車場に停める車を守るための設備です。つまり、カーポートそのものは、風や雨、地震の揺れと言った自然現象の影響を受けやすい設備であるのです。メーカーが定めている基礎に対する基準は、耐風圧強度や耐積雪強度と言った、カーポートの耐久性に関係するポイントとなるため、安全に利用できるカーポートを実現するためには、しっかりと規定通りの基礎工事を行ってもらう必要があるわけです。
ただ、残念ながら、カーポートの設置工事を請け負う業者の中には、メーカーが定める基準を無視するような手抜き工事を行う業者もいて、そのような業者に工事を依頼した時には、早期にカーポートが倒壊してしまう…と言ったリスクが生じてしまいます。ここでは、カーポートの手抜き工事について、どういった手抜きが行われるのか、また手抜き工事を行われたときのリスクなどについて解説します。
基礎工事の手抜きとは?
基礎工事の手抜きと聞いても、カーポートの設置工事は先ほど紹介したように、そこまで複雑な工事ではなく、穴を掘って柱を立てるだけなので、手抜きをするメリットなどないのではないか…と感じる人も多いかもしれません。しかし、そうではないのです。
そもそも、カーポート工事などを請け負う外構工事業者が手抜き工事を行うのは、工事が楽になる上にコストを最小限におさえることができるからと言うのが理由です。これは、近年では、お客様側も外構工事に「安さ」を求める方が急増していて、外構工事を請け負う業者は低価格で工事を引き受けなければならない状況になっているのが要因です。
安い価格で工事を引き受けた場合、ギリギリの利益しか確保できない、最悪の場合は利益を上げることが難しい…なんてことになります。そのため、なんとか利益を出すために、手抜き工事によって帳尻合わせを行うという業者が増えているとされるのです。どのような工事でも、工期を短くすれば人件費が浮きますし、使用する材料が少なくなれば材料費を浮かせることが可能です。
カーポートの基礎工事に関わる手抜きに関しては、基礎穴が「メーカーに定められている深さ・広さを確保していない」というものが多いです。この手抜き工事では、掘削作業の手間が少なくなるうえ、処分しなければならない残土の量が少なくなる、打設するモルタルの量が少なくてすむなどのメリットがあり、人件費や材料費を浮かせることができるのです。さらに、基礎部分は、カーポートが完成した後、どの程度の深さを確保しているのか、施主様側に確認するすべがないため、何か問題が発生するまで手抜き工事に気付くことができないという特徴があるのです。
こういった基礎工事の手抜きを防ぐためには、カーポート工事を行ってもらう際は、現場を小まめにチェックしに行くという方法が最も効果的です。工事を請け負う業者からすると、小まめに施工状況を確認されるとわかれば、手抜きのしようがなくなりますので、正しい施工を行ってもらうことが可能です。
手抜き工事を見落とした場合のリスク
それでは、カーポートの基礎工事について、知らないうちに手抜き工事をされていた…と言う場合に考えられるリスクについても見ていきましょう。なお、基礎工事に手抜き工事があったとしても、カーポート設置後、1年や2年で問題が発生することはないと言えます。施工後、1年程度でカーポートが倒壊する…なんてことになれば、施工の不備を疑われてしまう可能性が高いですし、業者が設けている施工保証期間内であることが多いため、業者側の責任範疇で手直ししなくてはいけなくなる可能性が高いからです。
ただ、カーポートの場合、強風や積雪などの影響を受けやすい設備であるため、基礎工事に手抜きがあれば、意外に早く問題が発覚するケースも考えられます。先ほどご紹介したように、基礎工事の手抜きでは、本来必要な基礎の深さを確保せず、穴の深さが足らないことから基礎コンクリートの厚みが足らない状態になっている可能性が高いです。
そして、基礎コンクリートの厚みが足らない場合、カーポートが強風の影響などを受け続けた時に、徐々にコンクリートにひびが入り、台風などの非常に強い強風があった際に傾く、倒壊する…と言った被害に繋がる可能性があるのです。そもそも、基礎部分に施工されるコンクリートに関しては、柱の周りを「固める」ことだけが役割ではありません。コンクリートの基礎は、その重量によってその上にある構造物を支えるという役割も担っているのです。つまり、規定の深さに達していない基礎に関しては、カーポートを支えるだけの重量を確保できていないという意味になり、強風や地震の揺れなどの影響があれば、それに耐えられずに傾いてしまう可能性が高いと言えるのです。
カーポートの基礎に関する手抜きは、見た目が悪くなるわけではありませんが、カーポートそのものの安全性が著しく低下する可能性があるので注意しなければいけません。
カーポート設置工事に関わる注意点について
自宅の駐車場にカーポートの設置を考えた場合、いくつか注意しなければならないポイントがあります。ここでは、カーポートの設置工事に関わる代表的な注意点をご紹介します。
建築確認申請について
カーポートを設置する場合、事前に建築確認申請をしなければならないケースがあります。カーポートは、柱と屋根があり、土地に定着しているため、法律上は建築物に該当します。
そして、建築基準法では、床面積が10㎡を超える建築物の増築をする場合、建築確認申請を義務付けているのです。ちなみに、「防火地域及び準防火地域以外で計10㎡以内の増築や改築」の場合は建築確認申請が不要となるので、1台用など小型のカーポートの場合であれば、建築確認申請が不要になるケースもあります。
専門業者にカーポートの設置を依頼する場合、確認申請が必要かどうかは業者側がきちんと判断してアドバイスしてくれるはずです。しかし、DIYでカーポートの設置を検討している方は、法律的な問題も自分で判断しなければならないのでその点は注意してください。建築確認申請が必要な条件なのに怠った場合、建築基準法違反による罰則を科される可能性があります。
建ぺい率に注意
建ぺい率は、敷地面積に対して建築可能な割合のことを指しています。先ほど紹介したように、カーポートは法律上、建築物に該当するため、後付けでカーポートを設置する際には、建ぺい率の制限を超えないかどうかをチェックしなければならないのです。
例えば、既に建ぺい率が上限に達しているというお宅の場合、カーポートを設置したいと考えても、敷地内に新しくカーポートを設置することはできません。なお、建ぺい率に関しては、緩和措置が用意されていて、以下の条件を満たしている場合、建築面積が建ぺい率に算入されないので設置が可能になるケースもあるでしょう。
- 柱の間隔が2メートル以上
- 天井の高さが2.1メートル以上
- 外壁がない部分が4メートル以上
- 1階建て
多くのカーポートは、上記の条件を満たすことができるため、建ぺい率の緩和措置を受けることができるはずです。もちろん、製品によっては、一部の条件が引っかかってしまうケースもあるので、設置可能なカーポートがどれか、専門業者に相談してみると良いでしょう。
残土処分について
カーポートの設置工事では、基礎を作るために残土やコンクリートガラなどが生じるため、これらの処分方法を検討しなければいけません。先ほど紹介したように、カーポートを設置する場合、柱を埋めるために60cm程度の深さを確保した穴を掘らなければいけません。カーポートの基礎となる穴は、土を埋め戻すのではなくモルタルを流し込んでコンクリート基礎を作ることになるため、どうしても残土が生じてしまう訳です。また、もともとコンクリートを地面に敷いていた場所にカーポートを設置する場合、コンクリートガラも生じます。
専門業者にカーポートの設置を依頼する場合、これら残土の処分も請け負ってくれますが、当然そこには処分費用がかかります。悪質な業者の中には、見積り書には残土処分を含めておらず、後から高額な処分費用を請求してくることもあるようなので、見積り段階で残土の処分方法や費用については確認しておきましょう。
なお、DIYでカーポートの設置を考えている方の場合、残土処分もご自身で行わなければいけません。大きな庭があるお宅なら、土を庭にまくことで処分することも可能ですが、そうでない場合はご自身で産業廃棄物の処理場に持ち込む必要があり、処理には費用がかかってしまいます。ちなみに、カーポートの基礎工事で出てくる残土の量は、柱1本当たり土のう袋5袋程度とされているので、皆さんが考えている以上に大量の残土が生じるので注意が必要です。
埋設物について
カーポートの基礎工事では、穴を掘る場所に埋設物が埋まっていないのかきちんと確認しなければいけません。住宅の敷地内の地中には、水道管やガス管などの埋設物が存在しています。当然、カーポートの柱を設置するにしても、これらの埋設物に干渉しない形で設置する必要があるわけです。
住宅を建設した時の図面が残っていれば、埋設物の位置が明確になるのですが、そうでない場合は、業者に試し掘りをしてもらいながら設置場所を決める必要があります。埋設物の位置によっては、希望通りの場所にカーポートの設置ができないケースもあります。
カーポートの交換の場合、既設カーポートは完全に撤去する
カーポートの設置工事では、古くなったカーポートを交換するというケースもあります。この場合、新しいカーポートを設置するための費用に加えて、既設カーポートの撤去費用がかかります。
古くなったカーポートの交換工事については、柱や基礎穴を流用することでコストを抑えられないかな…と考える人が多いです。しかし、基本的に古いカーポートの残存部品を活用して新たなカーポートを設置する工事は実施することができません。柱も基礎穴も同様で、古いカーポートを撤去したのち、柱の根元をカットして、地中部分をモルタルで埋め戻すといった作業が行われます。
カーポートの交換は、古いカーポートを撤去したのち、新しいカーポートを設置していくという施工手順になると覚えておきましょう。
カーポート設置工事の費用相場について

それでは最後に、カーポートの設置工事について、どの程度の費用がかかるのかについても簡単に解説します。カーポートの設置工事は、基礎工事とカーポートの組立て工事で成り立っています。
カーポート設置工事の見積りに関しては、本体価格にプラスして、基礎工事や組立て工事費、残土処分費などが含まれています。大まかな内訳をご紹介すると、以下のような感じになります。
- カーポート本体の購入費・・・20~30万円(1台用)
- 標準工事費(基礎工事と組立て工事)・・・5~7万円
- 残土処分費・・・1㎥あたり5,000円程度
カーポートの設置工事は、大まかに上記のような費用がかかります。ただ、設置するカーポートの種類によって、本体価格が異なりますし、基礎工事の費用なども変わります。例えば、片側支持タイプのカーポートなら、基礎穴は2カ所で良いのですが、両側支持タイプのカーポートを設置する場合、基礎穴を4カ所用意しなければいけません。当然、基礎穴が増えれば、作業の手間が増えますし、残土処分費なども高くなります。また、設置するカーポートがソーラーカーポートの場合、一般的なカーポートの設置工事に加えて電気工事も必要になります。
まとめ
今回は、カーポートを設置する際、必ず行わなければならない基礎工事の流れや、注意すべき基礎工事の手抜きについて解説しました。
カーポートの設置工事は、基礎穴を掘り、そこに柱を設置してコンクリートを流し込むといった感じで、非常に単純な施工内容になります。そのため、カーポートの設置を依頼するお客様側すると、「カーポート工事は手抜きするような工程がない!」と感じてしまう人が多いようですね。しかし実は、カーポートの設置工事は、基礎工事部分の手抜き工事が後を絶たないと言われていて、メーカーの規定を満たさない基礎工事になってしまっているため、本来は耐えられるはずの強風などで倒壊してしまった…なんて残念な事態を招いてしまったという方も少なくないのです。
なお、こういった基礎工事の手抜きを防ぐのはそこまで難しいわけではなく、工事当日に小まめに確認しに行く、コンクリートを流し込む前に既定の深さに達しているか確認させてもらうといった対策を行うと手抜き工事の被害を防ぐことが可能です。カーポートは、常に風の影響を受けてしまう構造物となるため、適切な基礎工事が行われているかどうかが非常に重要になるので、少し手間かもしれませんが、当日はご自身の目でチェックするようにしましょう。
『ソーラーカーポート専門店 とくとくショップ』では、経験豊富な職人がソーラーカーポートの設置工事を行いますので、安心してお問い合わせください。