系統用蓄電池は、電力ネットワークや再生可能エネルギー発電所などに連結される蓄電装置を指します。これらの蓄電池は、電力ネットワークの安定性を確保するために使用されます。通常の蓄電池が需要地に取り付けられ、電力需要に応じて充電と放電を行うのに対し、系統用蓄電池は電力ネットワークに組み込まれ、主に電力の安定供給を目的として運用されます。
系統用蓄電池は、気象条件などによる再生可能エネルギーの発電出力の変動に対応するために特に重要です。2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」では、2030年までのエネルギー政策の方針が示されています。この方針の中で、再生可能エネルギーの利用を拡大するための具体的な取り組みが明確にされています。その中で、特に注力するポイントとして、「系統用蓄電池の電気事業法への位置付けの明確化」が挙げられています。
系統用蓄電池の導入が進むことで、再生可能エネルギーの出力制御が向上し、電力市場価格の抑制など、さまざまな良い影響が期待されます。
たとえば、太陽光発電は朝から夕方にかけて発電がピークになりますが、その発電量が需要を上回る場合、余った電気はこれまで捨てるしかなかったのです。しかし、系統用蓄電池を使うことで、余った電気を蓄えて、需要が高まる時間帯に電力を提供できます。これにより、電力を有効活用しながら環境にも貢献することが可能です。
国内外で系統用蓄電池が着実に導入されつつあります。系統用蓄電池とは、主に再生可能エネルギーの発電の変動に対応し、電力供給の安定を図るための装置です。この技術は、世界的にも注目されており、例えばアメリカ・カリフォルニア州では2022年7月時点で約316万kWもの系統用蓄電池が稼働しています。
日本でも、2022年に入ってから系統用蓄電池の導入が活発化しています。特に北海道では、再生可能エネルギーの導入が進んでおり、太陽光発電や風力発電などの導入量が272万kWに達しています。これに対応して系統用蓄電池の申し込みも急増し、2022年7月末時点での累積申込件数は61件、累積申込量は約160万kWに達しています。
企業も積極的に系統用蓄電池の導入に取り組んでいます。例えば、九州電力とNTTアノードエナジー、三菱商事が協力して設置検討を始め、関西電力とオリックスは和歌山県内に113MWの系統用蓄電池を設置する計画を発表しています。また、国や自治体も系統用蓄電池の導入を支援するための取り組みを展開しており、これにより今後ますます導入が進むことが期待されています。
電力価格の高騰と、太陽光発電の増加による、
アービトラージ(値差)が発生。
昼の電力価格は限りなく下がり、夕方の電力価格は非常に高くなる。
安い電力を一時的に貯めておき高い時間に売電をする、
価格差でビジネスにできるのは系統用蓄電池だけです。
電力価格の上昇と太陽光発電の増加により、価格の差(アービトラージ)が生まれました。
昼間の電力価格は低い傾向にあり、一方で夕方は非常に高くなります。この時、系統用蓄電池は安い電力を貯め、高い時間帯に電力を供給することで、価格の差を利用してビジネスが成り立ちます。
太陽光発電が昼間に最も多く発電するため、昼間の安い電力を蓄え、夕方の電力が高騰する時間帯に売ることは、大規模な蓄電池でしか実現できません。
和上ホールディングスでは、系統蓄電池の導入を始めから終わりまで、用地の確保から蓄電池の用意・設置、そして保守管理まで一括してサポートいたします。同時に、電力の販売を担当するアグリゲーターもご紹介し、お客様の負担を最小限に抑えるお手伝いをいたします。お客様には、蓄電池の所有と蓄えた電力のアグリゲーターへの販売を包括的にサポートするワンストップパッケージをご提供しています。さらに、新しい年度の補助金に関するサポートも行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。
2022年4月に行われた電力関連法の改正により、蓄電池を使った市場取引が解禁されました。これにより、新しいエネルギービジネスがスタートしました。
今は主に取引が行われている卸売市場(JEPX)に加えて、将来的には需給の調整市場や容量市場にも参加できるようになります。これにより、より高い収益が期待できます。
再生可能エネルギーの発電が変動する中、系統用蓄電池は電力ネットワーク全体を調整する役割を果たします。今後、この系統用蓄電池の需要はますます増えるでしょう。系統用蓄電池は、以前は捨てるしかなかった電力を有効に利用できる唯一の手段です。
用地選定
電力申請
土木工事
設置工事
電気工事
蓄電池提供
保守メンテナンス
補助金申請サポート
必要な電力容量や土地の広さなどを相談し、
見積もり図面の提出などを行います。
収支シミュレーションや土地の広さ、電力の内容を確認して いただき内容にご理解いただいた上でご契約となります。
ご契約いただきましたら用地のご契約や
部材の発注をさせていただきます。
土地の造成から蓄電池の設置、電気工事などを行います。
完工したらお客様へ書類の提出、情報の共有を行い、 運用開始できるように備えます。
※最短でのスケジュールになります。実際は蓄電池ののうき、電気接続契約の進捗により異なります。あらかじめご了承ください。
系統用蓄電池導入のメリット
電力安定化とピークカット
系統用蓄電池は、電力の需要と供給のバランスを調整し、ピーク時の需要ピークカットに寄与します。ピーク時に電力需要が急増すると、蓄電池から蓄えた電力を放出して需要をサポートすることができます。これにより、発電設備の拡張や追加投資を抑え、電力供給の安定性を向上させることができます。
再生可能エネルギーの効率向上
蓄電池は再生可能エネルギーシステム(太陽光発電や風力発電など)と組み合わせて利用されることが多いです。再生可能エネルギーは天候や気象条件に左右されるため、その発電量は不安定です。蓄電池は、再生可能エネルギーの発電がピークの時に余剰電力を蓄え、需要が低い時に放出することで、再生可能エネルギーの利用効率を向上させます。
非常時のバックアップ電源
系統用蓄電池は、災害や緊急事態時においてバックアップ電源として機能します。従来の発電設備がダウンしたり、電力供給が途絶えた際に、蓄電池から供給される電力によって、重要な施設やサービスの稼働を維持できます。これは、停電時における信頼性向上や、重要な施設(病院、通信設備など)の運用を継続可能にする点で重要です。
系統用蓄電池導入のデメリット
一方で、系統用蓄電池システムの採用にはいくつかのデメリットも考えられます。
高コスト
蓄電池システムは一般的に高い初期投資が必要です。蓄電池自体やその取り扱い設備、制御システムなどの導入には多額の資金が必要となります。このため、初期投資が採算に合わない場合や、財政的な制約がある地域では導入が難しい場合があります。
ただ、国や自治体は普及を支援しており、系統用蓄電池は補助金制度の対象となっています(*条件あり)。これらの補助金を上手く活用すれば、導入コストを抑えることができます。
寿命とメンテナンスコスト
蓄電池は時間とともに劣化し、性能が低下します。典型的なリチウムイオン電池は、数千サイクルの充放電サイクルで寿命が定義されていますが、寿命が尽きると交換が必要となります。また、適切なメンテナンスが必要であり、メンテナンスコストもかかります。これらの寿命とメンテナンスに伴うコストは、導入コスト以外にも企業や組織に負担をかける要因となります。
環境影響とリサイクルの課題
蓄電池の製造や廃棄には環境への影響があります。蓄電池に使用される材料の採掘や生産プロセスは、環境に対する負荷を生む可能性があります。 これらのデメリットは技術の進歩や経済的な要因により改善されつつありますが、蓄電池システムの導入を検討する際には、これらの側面も考慮する必要があります。
系統用蓄電池の導入には、国や地方公共団体などから補助金が交付される場合があります。
【2023年最新】令和5年度の系統用蓄電池等導入支援および実証支援事業の公募が開始されました。
太陽光・風力等変動再エネのさらなる導入加速化のため、調整力等を供出する下記のいずれかの設備を新規で導入する事業が補助金対象となります。
1)電力系統に直接接続する蓄電システム
2)水電解装置
詳細は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)のページをご参照下さい。
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資本金 | 5,000万円(グループ全体15,510万円) |
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