海外と比較して日本は遅れている!経営コンサルティング業事業者の9割近くが、時代に合わせて企業ブランディングにも変化が必要と回答
株式会社和上ホールディングス(本社所在地:大阪府大阪市、代表取締役:石橋 大右)は、経営コンサルティング業従事者を対象に、「これからの企業ブランディングに必要なもの」に関する調査を実施しました。
二酸化炭素(以下、CO2)の排出については、海外企業と日本企業とでは意識の違いが大きいといわれています。
欧米などの先進国では地球温暖化に対する危機意識が高く、各企業をはじめ自治体や政府など、国を上げてCO2の排出削減に積極的に取り組んでいます。
そのため、再生可能エネルギーのインフラ設備も整っており、日本に比べて電気コストが安いことなども挙げられます。
また、消費者や投資家についても環境に配慮したサービスや商品を選んで購入、または投資することが当たり前となっているようです。
一方、日本での取り組み方を見てみると、多くの企業はまだまだ十分とはいえないかもしれません。
日本企業はこれからの時代、自社をどのようにブランディングしていくべきなのでしょうか。
そこで今回、企業の脱炭素経営を総合サポート『とくとくファーム0』(https://wajo-holdings.jp/farmzero/)を運営する株式会社和上ホールディングスは、経営コンサルティング業従事者を対象に、「これからの企業ブランディングに必要なもの」に関する調査を実施しました。
日本は遅れている!?企業ブランディングにも時代に合わせて変化が必要?
はじめに、日本企業が行っている企業ブランディングについて、どのように感じているのかお聞きしました。
「諸外国と比べて日本の企業ブランディングは遅れていると思いますか?」と質問したところ、『とても遅れていると思う(33.1%)』『やや遅れていると思う(55.0%)』『日本とあまり変わらないと思う(10.7%)』『進んでいると思う(1.2%)』という回答結果になりました。
『とても遅れていると思う』『やや遅れていると思う』を合計すると、実に経営コンサルティング業事業者の9割近くが、海外と比較して日本企業が行っている企業ブランディングは“遅れている”と感じているようです。
例えば、「社会的信頼を得る」など企業のブランド力を高める(企業ブランディング)ことができれば、自社製品が消費者に選ばれやすくなったり、あるいは価格競争から脱却できたりといった利益向上効果が期待できます。
また、入社を希望する者が増えるなど人材確保につながるなどのさまざまな効果が期待できるでしょう。
しかし、社会的信頼を得ることは容易なことではなく、また、日本の企業の多くが行っている企業ブランディングは“今の時代にも合ってない”と感じている方が多いようです。
そこで、「企業ブランディングは、時代に合わせて変化させていく必要があると思いますか?」と質問したところ、『とてもそう思う(40.4%)』『ある程度そう思う(49.2%)』『あまりそうは思わない(8.9%)』『まったくそうは思わない(1.5%)』という回答結果になりました。
『とてもそう思う』『ある程度そう思う』の合計で9割近くの方が、これからの時代に合わせて企業ブランディングも変えていく必要があると思っているようです。
では、それはどのような理由があるからなのでしょうか。
前の質問で『とてもそう思う』『ある程度そう思う』と回答した方に、具体的な理由についてお聞きしました。
日本企業も時代に合わせて企業ブランディングを変える必要がある!その理由とは?
- いつの時代も消費者ニーズは変化するものなので、顧客に合わせたブランディングの変更は必須だと思う(40代/男性/千葉県)
- これからの時代は各企業が環境問題に取り組むことが当たり前となる。日本企業もそれに合わせたプランニングが必要になる(50代/男性/大阪府)
- 環境問題が叫ばれる中、対策に後ろ向きな日本企業が多い。日本の経済が発展するにはヨーロッパのように積極的に環境ビジネスを行う企業がもっと多く必要になると思う(50代/男性/東京都)
- グリーンと呼ばれる施策が世界で行われており、これに取り組むアピールは重要。なので、それをベースとしたブランディングが必要(50代/男性/東京都)
などの回答が寄せられました。
「グリーン」とは、「環境に優しい」「環境意識が高い」という意味合いで用いられることもあるようです。
海外の企業は熱心に環境問題に取り組んでおり、今後はそれが当たり前の時代となるため、日本企業(の企業ブランディング)にも変化が必要だと考える経営コンサルティング業事業者が多いことがわかりました。
競合企業に差をつけたいなら、企業ブランディングは今どのようなことをやるべき?
日本と諸外国の企業を比較すると、CO2排出量に対する意識に違いがあるといわれています。
(参照:環境エネルギー政策研究所、『日本と世界のエネルギー』https://www.isep.or.jp/jsr/2017report/chapter1/1-2)
CO2の排出量を減らす手段として、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスといった「再生可能エネルギー」を利用するなど供給エネルギーの脱炭素化が挙げられますが、ヨーロッパやアメリカなどではこうした企業を優先的に投資先として選ぶ(ESG投資)など、環境問題に取り組んでいる企業が注目されることが増えているようです。
企業ブランディングを考えるなら、日本でも脱炭素経営(RE100への参加など)は今すぐにでも講じるべき対策だと考えるべきなのでしょうか。
そこで、「企業ブランディングを考える際、脱炭素経営(RE100への加盟など)は今すぐ講じるべき対策だと思いますか?」と質問したところ、『とてもそう思う(32.6%)』『ある程度そう思う(55.4%)』『あまりそうは思わない(9.9%)』『まったくそうは思わない(2.1%)』という回答結果になりました。
「RE100」とは、企業が事業活動に使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄う国際的イニシアチブのことです。
世界でも影響力のある大企業が参加していますが、日本でも多くの大企業が参加しています。
(参照:環境省、環境省RE100の取組 https://www.env.go.jp/earth/re100.html)
中小企業の場合は難しい場合もあるかもしれませんが、9割近い方が、大なり小なり脱炭素経営は「すぐにでも講じるべき企業ブランディング」であると考えているようです。
前の質問で『とてもそう思う』『ある程度そう思う』と回答した方に、具体的な理由についてお聞きしました。
今それをやるべきだと思う理由とは?
- 顧客や消費者は環境に配慮する企業を支援する傾向が強くなっているため、脱炭素経営は企業のブランドイメージアップに大きく寄与する可能性があります。企業のブランドイメージアップだけでなく、顧客忠誠度の向上やビジネスの成長などの恩恵も期待できます(40代/男性/東京都)
- 脱炭素経営に取り組むことで、競合企業との差別化が大いに期待できると思うからです(40代/女性/兵庫県)
- 今どの企業も(脱炭素経営に対する)模索や試行の段階で、従来の企業の形からシフトしていくのにコストも労力も時間もかかり速度感が鈍化している傾向にあるが、今その取り組み方や成果が、今後の企業の成長に大きく影響すると考えるため(40代/男性/埼玉県)
- SDGsは優良カンパニーとしての必須ブランド、ここにフォーカスすることはブランディングの第一歩だから(50代/男性/愛知県)
などの回答が寄せられました。
「脱炭素経営」や「SDGs」といったキーワードはブランド力が高いため、企業ブランディングの第一歩となるようです。
また、「ライバル企業との差別化」や「企業ブランディング以外にも恩恵が多い」といった理由だけでなく、現在、多くの企業が脱炭素経営の“過渡期”にあるため、今のうちに少しでも取り組んでおくと、今後の企業の成長に大きく影響するという理由もあることがわかりました。
まだ脱炭素に取り組んでいない企業がやるべきこととは?
RE100に参加している日本企業は数多く、2023年3月現在、78社となっています。
(https://japan-clp.jp/climate/reoh)
もちろん、RE100に参加することばかりが脱炭素経営ではありませんが、具体的な脱炭素への取り組みができてない企業も少なくないかもしれません。
では、そうした企業は諸外国ではどのように評価されるのでしょうか。
そこで、「脱炭素の取り組みができていない企業について、諸外国ではどのように企業評価されると思いますか?」と質問したところ、『大きく評価が落ちると思う(41.4%)』『やや評価が落ちると思う(49.5%)』『日本とあまり変わらないと思う(9.1%)』という回答結果になりました。
脱炭素経営に取り組んでいない企業についても、合計で9割が「評価が落ちる」と考えていることがわかりました。
「脱炭素経営」とは、事業の脱炭素を目標として企業経営を行うことを意味しますが、CO2の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」ならば取り組みやすいのではないでしょうか。
では、脱炭素経営に取り組んでいない企業がカーボンニュートラルに取り組むとしたら、どのようなことから始めると良いのでしょうか。
そこで、「企業がカーボンニュートラルに取り組むとしたら、どのような取り組みを行なったら良いと思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『社用車、商用車をガソリン車からEV(電気自動車)に変える(46.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『こまめに電気を消す、冷暖房を適切な温度に設定する(41.0%)』『無駄を省くため、社内状況の再検討や効率の最適化をする(DXの導入など)(36.2%)』『環境に配慮された製品の製造、または販売する(30.0%)』『電力会社や電力プランの見直しをする(23.6%)』『ソーラーパネルを設置する(19.1%)』『環境保護活動へ投資する(19.1%)』『太陽光発電投資など再生可能エネルギーに取り組む(17.5%)』『ノンフィット(Non-Fit)発電を導入する(8.1%)』と続きました。
社用車や商用車をガソリン車からEV(電気自動車)に変えることや、こまめに電気を消したり冷暖房を適切な温度に設定したりすること、DX(デジタルトランスフォーメーション)を導入して社内の無駄を省くことなどで、カーボンニュートラルに取り組むことができるようです。
なぜ、このような取り組みが行うと良いと思ったのでしょうか、具体的な理由についてもお聞きしました。
脱炭素経営が難しいならカーボンニュートラルの取り組みから始めよう!
- 【車をEVに、環境に配慮した製品、環境保護活動投資】今は電気自動車などインフラが整備されていないが、10年後には自動車の大半はEVになっているのは明らかだから(30代/女性/神奈川県)
- 【節電、DXなど最適化】何かをすれば環境問題が解決できるということではなく、身近な無駄をなくす意識が大事だと思う。会議が終わったら捨ててしまう資料などはペーパーレスにするなど、できることからやると良い(40代/男性/福岡県)
- 【節電、環境に配慮した製品、ソーラーパネル、再生可能エネルギー投資】消費電力の少ない製品を推進し、同時に節電にも取り組むと良い。あとソーラー、風力などもカーボンニュートラルに有効(40代/男性/福岡県)
- 【節電、車をEVに、DXなど最適化、環境に配慮した製品、ソーラーパネル、ノンフィット】製造現場等の多量に炭素を排出する施設を保有している企業はそれに対する脱炭素装置の設置を行えばよいが、難しい場合は細かい事の積み重ねによってカーボンニュートラルを目指さなければ、ステークホルダーから評価されないと思われるから(50代/男性/東京都)
などの回答が寄せられました。
ガソリン車からEVに代えることは、近い将来を見据えたカーボンユートラルの一環といえそうです。
ステークホルダーとは、消費者や労働者、株主、仕入先や得意先といった企業の利害関係者のことですが、脱炭素の取り組みが難しくても、できることや身近な無駄を省くといった「意識」が大切であり、このようなカーボンニュートラルに取り組むことで企業の評価を落とすことを防ぐこともできるかもしれません。
これからの時代、日本国内でも脱炭素に取り組んでいる企業の評価は高まっていく!?
先程の調査で、合計で9割の経営コンサルティング業事業者が、「脱炭素経営に取り組んでいない企業は海外では評価が落ちる」と回答しました。
現在、まだ日本ではそのような傾向は少ないように思われますが、今後はどのように変わっていくのでしょうか。
そこで、「今後、日本でも脱炭素といった取り組みに参加しないと企業としての評価が変わってくると思いますか?」と質問したところ、『とてもそう思う(33.6%)』『ある程度そう思う(54.8%)』『あまりそうは思わない(9.4%)』『まったくそうは思わない(2.2%)』という回答結果になりました。
この調査でも、合計で9割近くの経営コンサルティング業事業者が、「今後、日本でも評価が変わってくる」と考えていることがわかりました。
では、どのような理由でそう思ったのでしょうか。
前の質問で『とてもそう思う』『ある程度そう思う』と回答した方に、具体的な理由についてお聞きしました。
今後は日本も海外と同じように、脱炭素などに取り組んでいない企業の評価は変わる!その理由とは?
- 日本と外国では評価基準の違いはあるとは思うが、経営理念に環境に配慮した事項を多くの日本企業が意識するようになると、諸国の企業の見る目も変化していくのではないか(20代/男性/東京都)
- 国も電気の節電プロジェクトを企業に呼びかけているが、こうした脱炭素に参加することが企業のクリーンアップに繋がり、引いては顧客から企業努力として評価され、一周回って利益として反映されるであろうと考えるため(40代/男性/埼玉県)
- グローバル化社会において世界的スタンダードな事は、遅かれ早かれ評価の対象になってくるため(40代/男性/千葉県)
- 環境対策については、世界では経営戦略に取り組んでいる企業が日本よりも深く浸透しており、日本もこれに取り組まなければ世界に遅れることになると考えるから(40代/男性/兵庫県)
などの回答が寄せられました。
まだ日本では脱炭素経営に取り組んでいない企業への風当たりは強くないものの、脱炭素やカーボンニュートラルへの取り組みは世界的な流れとなっているため遅かれ早かれ評価対象となり、そうなれば多くの日本企業が環境問題を意識するようになると考えているようです。
また、こうした取り組みは企業のクリーンアップとなり、消費者からも評価されて利益につながると考えていることがわかりました。
脱炭素やカーボンニュートラルが企業ブランディングの第一歩となるのは、このような理由があるからなのではないでしょうか。
【まとめ】企業ブランディングで今後重要になっていくのは、脱炭素経営やカーボンニュートラル!
今回の調査では、これからの時代、企業ブランディングを高めるために必要なことがわかりました。
海外の企業の評価基準と日本の企業の評価基準の違いにはまだ差があるものの、今後は「脱炭素経営」や「カーボンニュートラル」といった環境問題に対して企業として取り組むことが、「企業ブランディング」につながることが明らかになりました。
RE100への参加や脱炭素を目標として企業経営を行うのは難しくても、ガソリン車からEV(電気自動車)に変える、こまめに電気を消す、冷暖房を適切な温度に設定する、DXを社内に導入して無駄を省く、といった「カーボンニュートラル」ならば、経営に無理なく取り組むことができるのではないでしょうか。
調査概要
調査概要:「これからの企業ブランディングに必要なもの」に関する調査
- 【調査期間】2023年1月30日(月)~2023年1月31日(火)
- 【調査方法】インターネット調査
- 【調査人数】1,010人
- 【調査対象】経営コンサルティング業従事者
- 【モニター提供元】ゼネラルリサーチ