非化石証書についてわかりやすく解説!最新動向についても

非化石証書についてわかりやすく解説!最新動向についても

近年、SDGsや脱炭素化、RE100など環境問題に取り組むための枠組みや制度、考え方などが提示されていて、太陽光発電事業者に追い風となる可能性のある状況です。中でも非化石証書は、太陽光発電設備を含む非化石電源を持つ事業者にとっても関連性のある制度で、知っておくべき内容の1つです。しかし、専門用語が多く、なかなか理解できずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、非化石証書の内容や最近の動向について分かりやすくご紹介します。企業価値アップなどといった理由から再エネを導入したい方や非化石証書について理解したい太陽光発電投資家の方などは、参考にしてみてください。

非化石証書は環境に配慮されたエネルギーを示すもの

非化石証書は、2009年に成立したエネルギー供給構造高度化法の非化石電源比率を高める法規制に合わせて作られたものです。まずは、非化石証書の特徴について確認していきます。

◇非化石電源で発電された電気を示す証明書

非化石証書とは、化石燃料以外のエネルギーで作られた電気を示す証明書のことです。化石燃料は、石油や石炭・天然ガスを指しています。具体的には動植物の死がいが、長い年月をかけて化石となり、燃料として活用可能な有機物へ変化したものを化石燃料と呼びます。

化石燃料以外のエネルギーは、太陽光や風力、水力、地熱といった再生可能エネルギーなどのことで、二酸化炭素の排出量0かつ半永久的に取り出せるのが特長です。

非化石証書を売買できるのは電力会社のみで、個人や電力関連事業以外の企業は取引できませんでした。ただし、2021年に制度変更が行われ、一般企業もオークションに参加できます。

個人で非化石証書由来の電気を利用したい時は、電力会社のHPから非化石証書の取得状況を確認することで、環境価値のある電気料金プランか判断できます。

非化石証書制度の設立理由

非化石証書という制度が作られた主な理由は、電力会社から提供される電気が再生可能エネルギー由来なのか判別できるようにするためです。

再生可能エネルギー由来の電気は、化石燃料由来の電気と判別の難しい状況でした。

再生可能エネルギーと化石燃料由来の電気そのものは、どちらも同じ性質を持っています。つまり、電気がどのような方法で発電されているのかという点を確認できれば、環境価値の有無を判断できます。

項目 内容
化石燃料由来の電気 電気としての価値のみ
非化石エネルギー由来の電気 電気+環境価値の2種類が含まれる

そこで政府は、再生可能エネルギーであることを示す非化石証明書の発行および取引可能な制度を立ち上げました。

非化石証書は、FIT認定を受けた設備から発電された電気かどうかで以下3種類に分かれます。

  • FIT非化石証書
  • 再エネ指定ありの非FIT非化石証書
  • 再エネ指定なしの非FIT非化石証書

FIT非化石証書は、FIT認定を受けた太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電気に含まれる環境価値を証書としたものです。

一方、非FIT非化石証書は、FIT認定を受けていない再生可能エネルギー由来の電気に含まれる環境価値を証書としたもので、再エネ指定あり・なしの2種類に分かれています。

再エネ指定ありは、再生可能エネルギー由来の電気のみを指します。一方、再エネ指定なしは、再生可能エネルギーに加えて原子力発電も含まれています。原子力発電は、二酸化炭素の排出量を抑えられるものの、他の点で環境への影響が懸念されます。

非化石証書の売買方法については、次の項目で紹介します。

非化石証書の売買方法は?

続いては、非化石証書を取引する方法について紹介します。

市場取引

市場取引は、JEPX(日本卸電力取引所)で管理された非化石価値取引市場内での取引をさしています。

非化石価値取引市場は、入札形式で取引されているのが特長です。非化石証書を発行している発電事業者は、売りの入札を行います。電気を購入したい小売電気事業者は、買いの入札を提示します。

市場取引の強みは、適正価格で取引されやすい点です。高く売りたい発電事業者と安く買いたい小売電気事業者が、入札価格を調整していくことで、適正価格に落ち着いていきます。

相対取引

非化石証書を発行している発電事業者と小売電気事業者の間で直接取引しているのが、相対取引の主な特徴です。

相対取引の強みは、小売電気事業者と発電事業者との間で非化石証書の取引だけでなく独自サービスの提供など、さまざまな連携が行われやすいという点です。また、市場価格に左右されない売買が行われるため、小売電気事業者と発電事業者どちらにとっても自由度の高い取引方法です。

消費者や小売電気事業者以外の企業は売買できなかった

電気を利用している消費者や小売電気事業者以外の企業は、非化石証書を購入したり発行したりできませんでした。

非化石証書を提示できるのは、太陽光発電所など再生可能エネルギー由来の電気を発電している事業者や原子力発電所を所有している電力会社に限られています。

そして、非化石証書を購入できるのは、小売電気事業者のみでした。小売電気事業者は、電気事業法によって定められた電気事業者で、大手電力会社や新電力会社などを指します。

ただし、2021年の制度変更によって非化石証書の市場取引には、一般企業も参加できるようになりました。2021年11月のオークションでは、6社の一般企業が参加しています。一般企業参加による取引量や価格については、後半で紹介します。

非化石証書活用によるメリット

太陽光発電事業を展開している企業や小売電気事業者、さらに消費者にとっても非化石証書は、メリットの多い制度です。

そこでここからは、非化石証書活用によるメリットについて分かりやすく紹介していきます。

小売電気事業者は再生可能エネルギーの提供を示せる

消費者に対して再生可能エネルギー由来の電気を提供していることを示せるのが、非化石証書活用のメリットです。

電力の小売全面自由化によって多くの企業が、小売電気事業者として電力の販売サービスを始めています。そのため、これから小売電気事業者として参入する場合、大手電力会社や新電力会社とは異なるサービスおよび差別化を図るのも大切です。

非化石証書の取得は、環境問題に注目している消費者を集めやすく、各新電力との差別化につながります。

消費者は電気料金削減につながる可能性

消費者にとって非化石証書を取得している小売電気事業者との契約は、電気料金の削減メリットにつながる可能性があります。

非化石証書を取得している小売電気事業者との契約数が増えると、再エネ賦課金に充てられる資金も増えていきます。すると電気料金を負担している方たちの再エネ賦課金が、減っていきます。

再エネ賦課金の負担を減らすには、1人1人が非化石証書付きの電気料金プランを利用するのも大切です。

太陽光発電関連企業は企業価値アップにつながる

太陽光発電所を所有している企業は、非化石証書の発行および太陽光発電事業のアピールを行うことで、企業価値アップにつながる場合もあります。

非化石証書の発行は、低炭素投資促進機構が行っています。ただし、非化石証書が発行されていることを自社HPなどでアピールすることは可能なので、取引先や消費者に対して環境へ配慮された事業活動の継続をアピールできます。

また、小売電気事業者や太陽光発電で発電された電気を求めている企業などの目に留まりやすく、売電しやすい環境を作ることが可能です。

非化石証書に関する注意点

続いては、非化石証書の発行および利用に関する注意点を解説します。

RE100は非FITでなければ環境価値を示せない

国際的なイニシアチブ(主導権、戦略のようなもの)のRE100へ加入するには、非FIT型の非化石証書でなければいけません。

RE100(Renewable Energy 100%)は、2050年までに再生可能エネルギーで電力をまかなうことを目標とした国際的な組織およびイニシアチブです。加入企業は、年に1度再生可能エネルギー100%の目標へ向けた活動を事務局へ提出する必要があります。

また、加入には電源の構成を確認できる状況でなければいけないため、トラッキング(追跡)機能がついている非FIT非化石証書も必要です。

つまりFIT認定を受けた太陽光発電で発電している場合は、RE100への加入が認められないということです。RE100への加入を目指している企業は、非FIT型太陽光発電の運用を検討する必要があります。

個人で非化石証書は購入できない

非化石証書は個人で取引できない証書なので、他の証書と混同しないよう注意が必要です。

前半でも紹介していますが非化石証書の発行を示せるのは、発電事業者のみです。また、実際に発行手続きを行っているのは、低炭素投資促進機構です。

非化石証書の購入については、小売電気事業者とオークションへ参加した一般企業のみ認められています。

環境価値を示した証書をどうしても購入したい時は、Jクレジットやグリーン電力証書を検討してみるのもおすすめです。Jクレジットやグリーン電力証書は一般の企業や団体の間で売買可能で、非化石証書と同じく環境価値を示しています。

非化石証書の動向

最後は、非化石証書に関する最新動向について紹介していきます。

市場取引が増加傾向

非化石証書の市場取引は、増加傾向で推移しています。非化石証書の取引量は、1億kWhから少しずつ増え続け、3億~5億kWhの間で推移していました。

2021年11月の取引量は、過去の取引量を大幅に超える19億kWhでした。取引量が大幅に増えた主な理由は、制度変更が行われたためです。

  • FIT電気の非化石証書が取引可能
  • 一般企業も参加

このようなルールが追加されたことで非化石証書の取引量も増え、市場規模の拡大につながっています。

太陽光発電投資を行っている企業は、非化石証書の積極的な活用やPR活動を続けていくのが大切です。

非化石証書の取引価格

2021年11月の市場取引で非化石証書付きの取引価格は、1kWhにつき平均0.33円、最安価格0.30円、最高価格1.60円でした。

過去の平均取引価格は1kWhにつき1.30円なので、下落傾向で推移していることが分かります。非化石証書の購入企業にとっては、取引にかかるコストを抑えやすくメリットのある環境です。

RE100を目指す企業は、太陽光発電の導入や非化石証書の購入を検討してみるのがおすすめです。

非化石証書は発電事業者や販売者、消費者に関係している!

非化石証書は、再生可能エネルギー由来の電気および環境価値を示す証書です。発行手続きなどは、低炭素投資促進機構で行われています。これまでは小売電気事業者のみ購入できる状況でしたが、2021年の制度変更によって一般企業も市場取引へ参加することができます。

環境価値を示していきたい方や太陽光発電を積極的に活用していきたい方は、今回の記事を参考に非化石証書を調べたり活用したりしてみてはいかがでしょうか。

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