自家消費型太陽光発電は企業にとってメリットはある?

自家消費型太陽光発電は企業にとってメリットはある?

企業にとって太陽光発電は、収益確保という点でもメリットがあります。しかし、自家消費型太陽光発電の導入メリットについては、分からない方もいるのではないでしょうか。固定費削減や企業価値アップなどを求めている事業者は、自家消費にも注目です。
そこで今回は、自家消費型太陽光発電のメリットやデメリット、導入時の注意点について詳しくご紹介します。自家消費型太陽光発電へ関心を持っている企業は、参考にしてみてください。

自家消費型太陽光発電とは?

自家消費型太陽光発電は、運用方法の1つで、発電した電気を全て自家消費されるのが特徴です。自家消費は、自社工場や事業所内で消費している状態を指します。売電は行いません。
個人だけでなく企業も導入可能なので、検討しやすいのも特長です。さまざまな企業が自社工場や事務所、ビルの屋上などへ太陽光パネルを設置し、自家消費型で運用を始めています。
自家消費型の導入・切り替えには、売電用の逆潮流回路を取り除いたりRPR(Reverse Power Replay )という逆電力継電器の設置が必要です。なお、設備の設置工事は、売電型と同じく太陽光発電施工業者へ依頼します。

企業が自家消費型太陽光発電を導入するメリット

自家消費型太陽光発電の基本を把握したあとは、企業の導入メリットについて確認していきます。 自家消費型太陽光発電は、企業にとってもメリットの多い運用方法なので、検討してみるのがおすすめです。

固定費削減につながる

企業が自家消費型を導入するメリットは、電気代の削減や固定費削減につながる点です。
自家消費型太陽光発電は、発電した電気を全て各コンセントや照明設備、その他自社設備へ供給できます。たとえば、日中に発電した電気を夜間に照明へ利用することで、効率よく電気を活用することが可能です。
さらに高圧電力契約を結んでいる企業の場合は、ピークカットを行うことができます。

  • ピークカット:電力使用量の削減

高圧電力契約は、従量電灯制のプランと異なり、30分ごとの消費電力量から最も高い値を基本料金とされます。そのため、1回でも消費電力量を更新してしまうと負担増加につながります。
自家消費型太陽光発電と蓄電池を併用した場合は、ピーク値を更新する瞬間に自家消費を行い基本料金の抑制を実現できます。現在、電気代の負担が大きい状態、ピーク値の更新が繰り返されている時は、自家消費型太陽光発電の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

ESG重視の社会に合った投資

自家消費型太陽光発電の導入は、近年の社会情勢に合った設備の1つです。
日本や海外では、脱炭素化や再生可能エネルギーの推進、環境や関連エネルギーに注目が集まっています。投資家の間でESG(環境・社会・ガバナンス)投資にも注目が集まりつつあります。ESGに力を入れた企業は、投資家や取引先からの評価アップにつながる可能性があります。
他にも以下のような取り組みが行われています。

  • Jクレジット:再生可能エネルギー設置後、Jクレジットの売却益を得られる
  • RE100:環境へ配慮した企業が加盟できる制度、企業価値アップにつながる
  • SDGs:国連の打ち出した目標に沿った活動(環境活動など)、企業価値アップにつながる

自家消費型太陽光発電の導入は、CO2削減や脱炭素化といった取り組みにつながるため、企業価値や信頼性向上を見込めます。さらに取引先から再生可能エネルギーの協力などを求められた際に、即対応できるのが特長です。
環境への取り組みやビジネスの機会損失を抑える方法について悩んでいる時は、自家消費型太陽光発電の導入も検討してみるのがおすすめです。

BCP対策として役立つ

BCP対策にも役立つのが、自家消費型太陽光発電の優れたポイントです。
BCP対策は、災害やテロなどといった有事の際に事業活動の継続および早期復旧を行うための取り組みを指します。
日本の場合は、台風や地震といった災害の多い環境です。企業は、災害発生後の復旧・事業継続をどのように行うのか決める必要があります。自家消費型太陽光発電は、停電時にも電力を確保できる手段となりますし、復旧や事業活動の継続にもつながる重要な要素です。
災害対策が進んでいない企業や電力の確保に悩んでいる企業は、自家消費型太陽光発電の検討をおすすめします。

企業が自家消費型太陽光発電を導入するデメリット

続いては、企業が自家消費型太陽光発電を導入するデメリットについて解説していきます。

発電量増加のみでは電気代削減につながらない

自家消費型太陽光発電は、発電量の増加や発電効率の向上のみでコスト面のメリットを得られません。
自家消費型太陽光発電は、発電した電気を効率よく消費することで電気代削減というコスト面のメリットを得られるのが特長です。そのため、デマンド値の抑制やピークシフトなどにつながらない状態では、導入メリットを伸ばせません。また、自社の電力需要を大きく超える出力は、無駄な設備能力です。
自家消費型太陽光発電の設置・切り替えを予定している企業は、電力需要の合わせた設備設計、ピークシフトやデマンド抑制などに関するシミュレーションを行うのが重要です。たとえば、夜間にピーク値を更新する時は、蓄電池を併用しなければ抑制できません。
電気代削減および効率的な運用を目指すには、電力の消費状況やシミュレーション、必要な設備規模の確認を行うのが大切です。

設備の交換や逆潮流防止といった工事が必要

売電型太陽光発電を設置している場合は、切り替えの手間という点でデメリットのある運用方式です。
自家消費型太陽光発電には、専用のパワーコンディショナ設置、逆潮流防止回路の設計・組み込み、RPRの設置(逆潮流検知)などの導入および工事が必要です。また、売電型の太陽光発電は、自家消費型へ切り替えなければ完全な自家消費を行えません。
設置費用については、売電型太陽光発電と大きく変わりません。切り替え工事の費用は設備の規模などによって変わるため、複数の施工業者へ見積もりを依頼してみる必要があります。
既に売電型太陽光発電を設置している時は、切り替えにかかる費用や工事の施工期間、切り替え可能な状態か専門業者へ相談してみるのも大切です。

売電型と同じくメンテナンス費用は発生する

自家消費型太陽光発電は、売電型と同じくメンテナンスや部品交換費用などが定期的に発生します。
自家消費型太陽光発電では、売電収入を得られません。そのため、電気代削減効果で余った資金を維持管理費用でカバーできるか、事前にシミュレーションしておく必要があります。
太陽光パネルは、15年や20年間継続利用できます。パワーコンディショナは、10年程度で交換します。その他機器類は、周辺環境によって劣化状況が変わります。太陽光発電の発電効率は各部品の経年劣化と共に下がるため、定期的な交換や修理が重要です。
自家消費型太陽光発電を検討する時は、メンテナンス費用と電気代削減効果とのバランス、各部品の寿命を考慮しながら運用を考えてみてはいかがでしょうか。

企業が自家消費型太陽光発電をどこに設置する?

企業は、個人と異なりさまざまな場所で太陽光発電を設置しやすい状況です。遊休地や駐車場を所有している企業は、太陽光発電の設置場所についても検討してみます。
ここでは、企業向けに自家消費型太陽光発電の設置場所を解説します。

工場や事業所の屋根

自社工場や事業所を所有している企業は、各施設の屋根に太陽光パネルを設置することが可能です。
工場や事業所の屋根に設置する時は、住宅用太陽光発電と異なり出力10kW以上の太陽光パネルを配置可能な場合もあります。しかし、工場や事業所の屋根に太陽光パネルを設置する時は、以下の点に注意する必要があります。

  • 設置可能な面積か
  • 耐震基準を満たした設備か
  • 南向きに設置できるか

旧耐震基準の建物である場合は、太陽光パネルを設置できないケースもあります。また、トタン屋根や二重の屋根などは、太陽光パネルの荷重に耐えられません。
屋根や屋上に自家消費型太陽光発電を設置したい場合は、施工業者へ耐荷重や耐震基準などを調査してもらうのも大切です。

駐車場にソーラーカーポートを設置

敷地面積の広い駐車場を所有している企業の場合は、ソーラーカーポートという選択肢を検討できます。
ソーラーカーポートとは、駐車場に柱と屋根を設置し、屋根に太陽光パネルを取り付けて発電を行う運用方式のことです。別途土地の取得が難しい時や耐震などの理由から工場や事業所の屋根に設置できない時は、特に検討しやすい場所の1つです。
さらに電気自動車の導入が進んでいる企業の場合は、ソーラーカーポートへ急速充電気を設置し、発電した電気を自動車の給電に活用することも可能です。
ソーラーカーポートを検討する時は、設置角度や向き、駐車場の邪魔にならないかなど、1つずつ確認してみます。

遊休地を保有している場合

自社の敷地や別の土地に遊休地を所有している時は、自家消費型太陽光発電へ活用してみるのもおすすめです。
遊休地とは、取得2年を経過しても利用されていない土地のことです。立地や土地の状態によっては、不動産投資などに向いていない場合もあります。一方、太陽光発電は、一定の面積と日当たり良好といった条件などを満たしている土地であれば、設置運用可能です。
自社と遊休地が離れている場合は、自己託送(オフサイト)という方法で自社工場や事業所などへ電力を供給できます。自己託送(オフサイト)は、遊休地に設置した発電設備を既存の系統(高圧線や鉄塔など)に接続し、自社へ送電する運用方法を指します。

別途土地を取得という選択肢

現時点で太陽光発電の設置が可能な土地を所有していない時は、別途土地を取得し自家消費型太陽光発電を設置、もしくは土地付き太陽光発電所を購入といった方法で対応できます。
土地の取得方法は、不動産会社もしくは太陽光発電の仲介会社から探すことが可能です。太陽光発電の設置工事は、専門業者へ依頼できます。
土地付き太陽光発電所については、太陽光発電専門の売買仲介サービスで購入手続きを進められます。土地を含めて購入・設置する場合は、土地取得費用を含めた収支のシミュレーションや予算の確保、融資の相談を行う必要があります。
弊社サービスとくとくファームは、全国各地の中古太陽光発電所を常時掲載しています。さらに購入手続きから税務処理、所有権移転登記を含めて代行いたします。

自家消費型太陽光発電に蓄電池が重要な理由

自家消費型太陽光発電単体では、効率よく電気を消費できません。
たとえば、15時台の消費電力が多い傾向であるにもかかわらず、発電量のピークが14時台では電気代削減効果を伸ばせません。そこで蓄電池を設置すると、14時台に発電した電気を一旦蓄えておき、15時台に消費することが可能です。
このように蓄電池は、電気を蓄えるだけでなく任意のタイミングに消費できるのが特長です。また、発電できない夜間に自家消費できるようになるため、夜間業務が含まれる企業にとってメリットのある設備です。
災害時に蓄電池と併用する場合は、非常用電源として効率よく電気を供給しながら、事業活動の継続や復旧へ役立てることが可能です。
太陽光発電向けの蓄電池は、設定状況に応じて蓄電量や放電の時間、放電量などを細かく調整できます。さらに停電時は、自動で自立運転へ切り替わり、発電した電気を太陽光発電と負荷(照明など)へ供給されます。
蓄電池を検討する際は、費用や容量、定格出力、機能などを総合的に比較してみるのが大切です。さらに設置場所を検討する際は、設置場所のスペースや湿度、温度などを確認しておきます。

企業にとって自家消費型太陽光発電はさまざまなメリットを得られる

企業にとって自家消費が太陽光発電の導入は、電気代削減をはじめ、BCP対策や企業価値アップなどといった面でメリットがあります。また、蓄電池を併用することで、夜間や任意の時間帯に電気を放出し、ピークカットやピークシフトの実行しやすい環境へ変わります。
デマンド値の抑制方法に悩んでいる企業や太陽光発電事業に関心を持っている企業は、今回の記事を参考に自家消費が太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。
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