EMSとは?蓄電池との相性や重要性についても!

EMSとは?蓄電池との相性や重要性についても!

電気料金の高騰やカーボンニュートラル政策などによって、事業者の多くが環境経営について調べているかと思います。特に自社ビルや工場、倉庫を所有しているのであれば、EMSやEMSと蓄電池の組み合わせを検討してみるといいかもしれません。EMSは、エネルギーの管理システムに関する専門用語で、既に国内の建物に適用されているケースもあります。

そこで今回は、EMSの特徴やメリット・デメリット、蓄電池との相性や組み合わせによる効果について詳しくご紹介します。自社ビルや工場を所有している方やEMSについて関心を持っている方などは、参考にしてみてください。

EMSとは何?

EMSとは何?

EMSとは英語表記の「Energy Management System」の頭文字をとった略語で、エネルギー管理システムとも呼ばれています。

家庭・オフィス・工場などで使われる照明・空調などの電気設備の省エネを、情報通信技術(ICT)を活用して自動で監視・制御することで、最適化に貢献するシステムです。

監視サーバーとネットワークなどで構成されており、エネルギーがいつ・どこで・何に使用されているかを一元的に把握し、エネルギーの使用状況を「見える化」します。

エネルギーの使用状況を「見える化」することで、削減できる設備が明らかになるなど無駄や改善点を把握・分析することができ、効率的なエネルギー削減が可能となります。

世界的に地球温暖化が問題になる中、CO2削減に向けて効率的に省エネを行うことが重要となっていることから、今後普及の拡大が見込まれている注目のシステムです。

EMSには種類がある!

EMSには種類がある!

基本的な仕組みは同じですが、建物や管理する設備などの規模の違いにより、EMSにはいくつか種類があります。各EMSの特徴などを紹介します。

住宅を対象にしたHEMS

住宅のエネルギーの管理をするのが、HEMS(Home Energy Management Service)です。

家庭で使用する家電製品や充電器などの電気器具、電気自動車や太陽光発電・蓄電池、さらにはガスや水道などの電気以外のエネルギーをネットワークで繋ぐことで、エネルギーの使用状況をパソコンなどのモニターで見ることができます。

エネルギーの使用状況を管理システムで一元管理できるため、エネルギーの無駄をなくし、電気使用量などの節約を行うことができます。

現在は多くのエネルギーが消費される時代となり、企業だけでなく一般の家庭においても、CO2排出量を削減するためにエネルギーの無駄を省き、効率的に使用していくことが求められています。

また、燃料費の高騰により電気料金の値段が上がり続けていることからも、HEMSの導入による省エネ対策が注目されています。

日本は国として「グリーン政策大綱」を掲げており、2030年までに家庭全てにHEMSの導入を目指しています。

マンションを対象にしたMEMS

マンションの建物全体のエネルギー管理をするのが、MEMS(Mansion Energy Management System)です。MEMSを導入しているスマートマンションでは、「MEMSアグリゲータ」という業者により、全入居者が一括で電力の契約を行います。

建物内の電力消費量などを計測して見える化し、照明や空調などの制御を行います。マンションなどの大規模な住宅では、各家庭で個々に節電することに加え、建物全体で行うことでより大きな節電効果をもたらすことができるのです。

ビルを対象にしたBEMS

オフィスや商業施設・病院・学校・ホテルなどの建物向けエネルギー管理をするのが、BEMS(Building and Energy Management System)です。MEMSと同様のシステムですが、規模の大きさによって区別がされています。

空調・照明・換気等の設備機器・エレベーター・給湯など、建物内では電気やガスなど多くのエネルギーが消費されています。

建物内で消費されるエネルギーの使用データを一元的に管理して見える化することで、使用状況を把握・分析し、無駄なエネルギー消費の改善ができるようになります。

資源エネルギー庁によると、BEMSを導入により10%のエネルギー削減ができるとされており、2030年には約235万kLの省エネができると予想されています。

工場を対象にしたFEMS

工場向けエネルギー管理をするのが、FEMS(Factory Energy Management System)です。受配電設備や生産設備などの工場全体の使用状況の把握、機器の制御、エネルギー管理を行います。

設備などの稼働状況データから改善点を把握することで、不要な稼働時間がある設備や、エネルギー使用量の多い機械を洗い出すことができます。

これにより、不要なエネルギー使用を制御するなど、消費エネルギーの削減を工場全体で行うことができます。

各EMSを1つにまとめたCEMS

特定の地域全体のエネルギー管理をするのが、CEMS(Community Energy Management System)です。BEMS・FEMS・HEMSなどのEMSを包括するシステムとなっています。

電気使用状況の把握や電気設備の制御により節電を行い、点在する太陽光発電や風力発電などの発電設備や蓄電池の制御を行うことで、地域全体の需給バランスを保つことができます。

蓄電池の導入に合わせてEMSを取り入れるメリット

蓄電池の導入に合わせてEMSを取り入れるメリット

EMSを導入するだけでも効率的な省エネを行うことができますが、合わせて蓄電池を導入すれば、より電力を効率的に利用することが可能となります。EMSが急速に発展する中、蓄電池が重要な装置として位置付けられているのです。

蓄電池とEMSを合わせて導入することのメリットを紹介します。

電力の需給バランスを維持しやすい

再生可能エネルギーを導入している場合、発電電力変動に対応できることが鍵となるため、蓄電池の導入が非常に重要となります。

再生可能エネルギーは気候や天候により発電量が大きく変動するため、その分を調整する必要があります。

発電設備の発電電力変動と蓄電池の活用をEMSにより制御すれば、電力の需給バランスを維持しやすくなります。

安定した電力供給と地球温暖化対策のためのCO2削減に向けて、さまざまな再生可能エネルギーを導入した分散型のエネルギーマネジメントが注目されていることからも、今後蓄電池とEMSを合わせた導入が拡大されていくとされています。

蓄電池の安定的な運用が可能

蓄電池は、100%になっても充電を続けると「過充電」となり、また0%になるまで電気を使用すると「過放電」となります。

これを繰り返すことで蓄電池の充電性能は劣化していき、寿命を縮めることになります。

蓄電池とEMSを合わせて導入すれば、蓄電池の「過充電」や「過放電」を管理することができます。

さらに、電気使用量が少ない時間に蓄えた電気を、使用量が多い時間帯に放電する「ピークシフト」を制御するなど、EMSを併用することで蓄電池のより安定的な運用が可能となります。

また蓄電池をEMSによりピークシフト制御することは、電力需要平準化への貢献と、電気の使用コストの削減にも繋げることができます。

人を介さず迅速に蓄電池を制御できる

蓄電池の導入には費用がかかるため、コスト回収のためにも効率的に活用できることが理想です。しかし規模が大きくなればなるほど、エネルギーの使用状況などを監視しながら人の手で蓄電池を含めた電気設備を効率よく運用していくのには限界があります。

EMSを使って全体的にエネルギーマネジメントすることにより、エネルギーを効率的に使用していくことができます。

そのため、蓄電池とEMSを同時に導入するのがより効率的といえます。

EMSの導入デメリット

EMSの導入デメリット

EMSにも導入するにあたってのデメリットがありますので解説します。

初期費用負担が大きい

EMS導入を検討する時に一番のデメリットとなるのが、初期費用負担がとても大きいことです。

小規模な事務所への導入でも250万円以上は必要だと言われており、さらにEMS関連機器を合わせると、1,000万円以上はかかる可能性があります。

商業施設・病院・学校・ホテルなどは条件によっては1,000万〜8,000万円、さらに大規模な工場など多くの大型設備がある事業所などの場合には、1億円を超えることもあります。

EMSの導入により省エネやエネルギーコントロールを効率的に行うことができますが、初期費用の回収にどれほどの期間がかかるのかをよく考えてから検討するようにしましょう。

既存設備がEMSに対応できない場合もある

EMSでは全ての設備などを一元管理で制御するため、設備がEMSに対応できない場合には入れ替える必要が出てきます。

すると、さらなる費用の増加に加え、設備交換のための時間や労力も必要となります。

EMSの運用管理に専門知識と技術が必要

EMSを効率的に運用するためには、専門的な知識と技術が重要になります。

EMSが収集したエネルギーの使用状況に関するデータを分析し、問題点の把握や改善するための施策を行うことができなければ、実際の効果を得ることができません。

そのため、高い知識や技術を持つ専門家などに相談したうえで導入することが必要です。

EMSと蓄電池の導入時は太陽光発電の自家消費も組み合わせるべき

EMSと蓄電池の導入時は太陽光発電の自家消費も組み合わせるべき

EMSと蓄電池を合わせて導入することで、需給バランスをより効率的に行うことができます。さらに自家消費型太陽光発電も組み合わせれば、より多くのエネルギーコストの削減が実現できます。

燃料費の高騰により電気料金の値上がりが続いている中、これを大幅に下げるには、電力会社から購入する電気量を減らすことが一番の対策です。

自家消費型太陽光発電を合わせれば、自社で発電した電力を自家消費できるため、電気会社から購入する電気料を大幅に下げることができます。

さらに、蓄電した電気を災害時の非常用電源として活用できるほか、再生可能エネルギーである太陽光で発電するためCO2の排出量削減にも貢献できます。

蓄電池を効率よく活用するにはEMSの導入がおすすめ!

蓄電池を効率よく活用するにはEMSの導入がおすすめ!

蓄電池には、電気代削減や災害時や停電時の非常用電力などの用途のほか、ピークシフトに貢献できるなど、さまざまなメリットがあります。

その蓄電池を自動制御でより最適に活用するために、EMSを合わせて導入することをおすすめします。

今回の記事を参考に、自家消費型太陽光発電や蓄電池の導入に興味を持たれた方、導入を検討している方には、弊社、和上ホールディングスの自家消費型太陽光発電サービスをおすすめします。

和上ホールディングスでは、創業から30年の実績およびノウハウにもとづき、蓄電池の導入とあわせた自家消費型太陽光発電の企画作成から設計、施工、保守運用まで一括サポートすることが可能です。

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