太陽光パネルを冷却するには?対処法や注意点を解説!

太陽光パネルを冷却するには?対処法や注意点を解説!

太陽光パネルの表面は熱による影響を受けやすく、熱くなりすぎると発電効率の低下を招く可能性もあります。年々夏季の最高気温は高くなるばかりです。太陽光発電を運用している方にとって、太陽光パネルの冷却方法や熱対策は重要な課題となっているでしょう。

今回は、太陽光パネルの冷却方法や熱の影響、注意点について詳しくご紹介します。熱による発電効率低下に悩んでいる方など、ぜひ参考にしてみてください。

太陽光パネルに冷却をはじめとした熱対策が必要な理由

太陽光パネルは熱の影響を受けやすいため、冷却する機能などで熱対策を施す必要があります。

太陽パネルに搭載されている太陽電池は、主に結晶シリコン系です。結晶シリコン系は、パネルの表面温度が上昇すると、取り込める光エネルギーの量が減るため、電圧低下が生じます。太陽光パネルの発電効率が低下するため、発電量や収益に大きな影響を与える恐れがあるのです。

このため、遠隔監視を活用して太陽光パネルの表面温度を確認する、あらかじめ地域の気候に適した設備するといった対応が大切です。

太陽光パネルの他に熱の影響を受ける設備

太陽光発電と熱の関係について考える際、配線ケーブルやパワーコンディショナーへの影響も考慮する必要があります。

それでは、太陽光パネルの他に熱の影響を受けやすい設備と注意点について解説します。

配線ケーブル

太陽光パネルやパワーコンディショナーなど各設備を接続する配線ケーブルは、気温上昇による熱の影響を受けやすい部材です。

配線ケーブルの温度が上昇してしまうと、電気抵抗も高くなり、許容電流が減少します。許容電流の値を超える電流を流し続けた場合、配線ケーブルの発熱を引き起こし、発火や火災事故につながるおそれがあるため注意が必要です。

配線ケーブルに熱がこもらないよう(放熱性能の低下)、まとめてケーブルを配置したり周辺温度の高い場所へ配置したりしないよう工夫する必要があります。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナー(PCS)内部は電子回路が組み込まれており、半導体も搭載された制御機器です。半導体は熱に弱い傾向のため、太陽光パネルと同じく気温上昇をはじめとした熱の影響を受けやすい性質を持っています。

に電子回路の放熱で変換効率が低下しやすい構造のため、多くの製品には保護機能が搭載されています。

それでも熱の影響を受ける場合は、排熱用のファン周辺をメンテナンス・清掃したり日光の当たりにくい場所へ移動したりすることが大切です。

太陽光パネルの冷却方法

結論、太陽光パネルの冷却方法として非常に効率のよい方法はまだありません。太陽光パネルを熱の影響から守るためには、気温の上がりにくい場所で運用するのが理想です。しかし、一部で実施されている・開発されている方法はあるため、現状存在する太陽光パネルの冷却方法を紹介します。

散水や流水でパネル全体を冷却

スプリンクラーによる散水や流水を継続的に行うことで、太陽光パネル全体を冷却できる可能性があります。

たとえば、太陽光発電の周辺機器を製造している企業には、水道水もしくは貯水タンクからくみ上げた水をパネル上部から下部に向けて流し続ける製品を販売しているところもあります。太陽光パネル周辺にスプリンクラーを設置し、複数のパネルへ散水させる製品などもあります。

ただし、散水や流水で太陽光パネル表面を冷却する方法は、必ずしもメリットの多い対策とはいえません。家庭用太陽光発電であれば十分に冷却することができますが、産業用太陽光発電では難しいというのが現状です。

熱による変換効率や出力低下は、太陽光パネルだけでなくパワーコンディショナーや配線ケーブルなどでも生じています。また長期間水を供給し続けなければいけないため、太陽光パネルの規模が大きくなればなるほど、水道料金も増加します。

導入を検討する際には経済合理性があるかどうか、シミュレーションをして確認しておきましょう。

冷却シートの活用

現在は実用化にはいたっていませんが、太陽光パネルの新しい冷却方法として、冷却シートの活用も検討されています。

近年、太陽光発電関連企業には、太陽光パネルに組み込める冷却シートの開発を手がけているところもあります。冷却シートが実用化された場合、散水や流水による冷却と異なり水道設備を設置せずに済みます。また、水道料金コストの負担も抑えられるため非常に期待できる冷却方法です。

とはいえ実用化を待たなければならないため、後半でお伝えするような冷却以外の熱対策も視野に入れていきましょう。

太陽光パネルに水をかけて冷却する際の注意点

太陽光パネルを水で冷却する際に注意すべきポイントを解説します。

水道水をそのまま使用すると水垢が付着する

水道水をそのまま冷却水として使用する際、太陽光パネルの表面に水垢が付着してしまいます。汚れが光の吸収量を減少させてしまうため、発電量や利益低下につながる可能性があります。

水道水には、カルキなどの成分が含まれています。ろ過せずに太陽光パネルへ散水した場合、不純物などが水垢としてパネル表面に残ってしまうのです。

水垢が蓄積しないよう、定期的にO&Mサービスを活用して洗浄したり、ろ過した水を使用したりしましょう。

長時間水を使用するため水道代のコストがかさむ

前段でも触れたようにスプリンクラーによる散水、専用の装置を使用した流水は、長時間行わなければいけません。そのため、水道料金の負担が増加し、太陽光発電事業の収益にも影響を与えてしまいます。

太陽光パネルへの散水・流水は、大幅な発電効率改善を見込める方法ではありません。費用対効果という点では、慎重に検討すべき冷却方法です。夏場や気温の高い日に発電効率が低下してしまう場合は、さまざまな方法で熱対策を進めていくことをおすすめします。

太陽光発電の熱対策は?

ここまでの解説で太陽光パネルの冷却方法には、コストを含めデメリットも存在することが理解できたかと思います。しかし、熱による発電効率低下は、太陽光発電事業の利益にかかわる大きな問題で放置できません。

ここからは、太陽光発電の熱対策として検討したい方法を3つ紹介していきます。

熱に強い太陽光パネルを導入する

熱に強く設計された太陽光パネルも存在しています。太陽光パネルに組み込まれている太陽電池には種類があり、変換効率や性質なども異なります。中でもシリコン系のHITやアモルファス、化合物系のCIS太陽電池は、熱による影響を受けにくいです。

こうした比較的熱に強い性質の設備を選ぶ方法は、熱対策に関する特別な操作や管理などが不要のため、運用管理もしやすいでしょう。

ただし、太陽光パネルメーカーで取り扱っているのは、主に単結晶シリコン型太陽光パネルが多いです。HITやアモルファス、CIS系太陽光パネルを導入するときは、素材によく注意して検討しましょう。

太陽光パネルの過積載で発電量を確保する

太陽光パネルの過積載を取り入れれば、夏季でも一定の発電量を確保することが可能です。

過積載は、パワーコンディショナーを超える容量の太陽光パネルを設置することを指します。太陽光パネルの設置枚数を調整することで、容量のバランスを整えるのです。

通常、太陽光パネルから発電された電気をすべて処理するため、太陽光パネルの容量は、パワーコンディショナーの容量より少ない値になるようにします。

たとえば、パワーコンディショナーの容量5kWなら、太陽光パネルの容量は4kWといったイメージです。

過積載は、正常に運転できているときに発電したすべての電力をパワーコンディショナーで処理しきれなくなります。しかし、熱によって発電効率が低下しても、太陽光パネルを多めに設置しているため、その分多くの発電量を確保することが可能です。

ただし、太陽光パネルの費用はその分増加し、メーカー保証外のリスクもあるため、過積載は業者などの専門家とよく相談して検討するとよいでしょう。

O&Mサービスへ相談する

熱による発電量低下に悩んでいるときは、O&Mサービスへ相談してみるのがおすすめです。

太陽光発電のO&Mサービスは、熱対策に関するアドバイスや提案なども行っています。また、熱以外の影響で発電量が低下している場合でも、別の方法から発電効率や発電量改善に向けた対策を進めてくれるでしょう。

変換効率の原因調査や対策を進めるのは、自社・個人のみで対処が困難です。また、太陽光発電所のメンテナンス作業などは、資格取得した専門業者でなければ実施できません。

O&Mサービスへの相談は、対策にかかるコストや手間などを抑えられるほか、熱対策に関する新しい方法を提案してもらえる可能性もあります。困ったことがあれば、まずは相談してみましょう。

O&Mサービスの活用メリットは熱対策だけではない

O&Mサービスのメリットは、熱対策の提案や対応だけではありません。メンテナンスや運用管理など、さまざまな作業に対応しているのが、O&Mサービスの特長です。

最後は、O&Mサービスの活用メリットについて詳しく解説していきます。

24時間設備を監視してもらえる

O&Mサービスでは24時間の監視業務に対応しており、自社のリソースを消費せずに発電事業を続けられます。

太陽光発電所は、落雷などの災害や飛来物による破損、その他経年劣化や盗難・獣害などで故障したり発電量低下を招いたりしてしまいます。しかし、自社単体で24時間監視および現地でのチェックは、リソースや技術的な点で難しいでしょう。

O&Mサービスへ依頼しておけば、遠隔監視システムによる24時間の監視や緊急時の現地調査までサポートしてくれます。

定期点検でパネル表面のコーティングや洗浄も対応

太陽光発電所は10年・20年と運用していくうちに少しずつ劣化するため、定期的な点検を継続していくことが重要です。しかし、点検や修理交換作業は、資格取得した者でなければ法律で認められていません。

O&Mサービスは、あらゆる点検業務に対応しており、なおかつ修理・交換などもサポートしています。

たとえば、弊社とくとくサービスの場合は、以下のような点検に対応しているのが特長です。

  • モジュールの割れや汚れをチェック
  • 高圧洗浄によるパネル清掃
  • 太陽光パネルの防汚コーティング
  • ケーブルやパワーコンディショナーを含む目視点検
  • 架台接続部のゆるみや腐食チェック
  • 電圧、抵抗点検

また、初めてO&Mサービスを利用する方や切り替えを考えている方に向けた無料おためし点検を用意しており、どのようなサービスか気になる方も気軽にご利用いただけます。

発電量改善に向けたサポートにも対応

O&Mサービスによっては、発電量改善へ向けた提案から改修工事まで提供しているケースがあります。とくとくサービスの場合は、リパワリングやDR(ダメージングリペア)、リプレースなどのサポートにも対応可能です。

リパワリングとは、老朽化した太陽光パネルやパワーコンディショナー、その他周辺機器や部材などを新品へ交換することで本来の発電性能へ回復させる作業のことです。DR(ダメージングリペア)は、新しい技術の導入による発電性能の改善を目指す取り組みです。リプレースは設備全体の更新を指す取り組みで、太陽光発電所の老朽化が進んでいる場合におすすめといえます。

太陽光パネルの冷却方法は限定的!O&Mサービスへの相談が大切!

太陽光パネルの冷却方法は、主に散水や流水とされています。しかし、配線ケーブルやパワーコンディショナーも熱による影響を受けるため、太陽光パネルの冷却で発電効率を大幅に改善することは難しいでしょう。

太陽光発電の冷却以外で発電効率を改善したい方は、今回の記事を参考にしながらO&Mサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

O&Mサービスのとくとくサービスは、太陽光パネルの汚れや割れのチェックから架台接続部やパワーコンディショナー、配線ケーブルなどの目視点検、電気点検まで一括サポートしております。

少しでも太陽光発電所の運用管理に悩んでいるときは、お電話やWebフォーム、無料ZOOM相談よりお気軽にお問い合わせください。

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