技術大国として世界に知られている日本ですが、その技術が発揮されている分野というの
は実に広く、今や日本の基幹技術がなければ人類の文明は維持できないとさえ言われてい
ます。
そのことは、先日中国で大事故を起こした高速鉄道を見ても明らかですね。日本で同様の
事故が起きるというのは考えられません。
さて、そんな日本が誇る技術の中でも、ちょっとユニークなものがあります。
それは、発毛や増毛の技術です。
発毛や増毛の技術は、普段どこで使われているのかと言いますと、そうです、薄毛に悩ん
でいる人のためのカツラです。
本来カツラというのは、言うまでもなく「ハゲ隠し」のために使うものです。
つまり、美観のために使うわけです。
しかし、その技術をなんと節電に応用しようとした製品を開発し、高い効果を収めている
会社があります。
早い話、ビルの屋上にカツラとも言える屋上緑化を施して、その緑によって真夏の直射日
光を遮り、温度上昇を抑えるという仕組みです。
![](http://wajo-holdings.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/11/20150424175907.jpg)
これまでにも屋上緑化というのは、さまざまな形で考案されてきました。最も簡単なのは
屋上に土を敷き詰めて、そこに芝生などを植えることです。これは実際に商業施設などで
行われています。
しかし、これだとどうしても重量が大きくなるので水漏れや建物の老朽化を早めてしまう
などの問題があります。お金さえかければ、というところです。
しかし、この「屋上カツラ」は違います。
何せカツラなので、それこそ後からでも乗せるだけでOKなのです。
考えみれば誰でも思いつきそうなことですが、それを本格的に研究したところがスゴい。
かくして、軽量化や低コスト化に成功したこの屋上緑化システムは、現在急速に導入が進
んでいます。
肝心の効果についてですが、平均的なデータによると15度くらいの差が出るそうです。
屋上の温度が24度も低く抑えられるということは、それだけ建物の空調の出力を下げるこ
とができます。
最近では緑のカーテンと言ってゴーヤーなどの植物を窓のところに植えるのが流行ってい
ますが、この仕組みはそれをカツラという技術で応用したものです。
屋上緑化のメリットは広く認識されているものの、その予算が確保できないことや建物へ
の影響を懸念して導入に踏み切れていない事例は数え切れないほどあります。
しかし、この「屋上カツラ」なら、あらゆる建物への導入が期待できそうです。
町中にこんな建物が増えれば、エアコンからの熱排出が少なくなり、町全体ももっと涼し
くなるという可能性もあります。
カツラというあまり目立たない技術ですが、その分野で世界一を誇る日本。
そのアイディアや応用力には、脱帽です。