こんにちは、石橋です。
いざ始まってしまえば万博フィーバーとも呼べる状況が起き、あれだけ叩きまくっていたメディアやネット言論などは果たしてどうなったのかと心配になるレベルですね。
さて、そんなフィーバーを巻き起こしている万博ですが、先日私は万博の本当の意義について語りました。期間限定のテーマパークのようなイメージが先行していますが、実は「万国」の「博覧会」であると述べました。世界中の国や企業が自慢の技術やモノを持ち寄ることで新たなビジネス交流を目指すのも、万博の大きな役割です。そのことについてはすでに述べているので、その記事もご参照いただければと思います。

今回も、そんな万博に関するお話です。今回は、万博外交についても触れておきたいと思います。
万博の会場には世界各国のパビリオンがあります。独自の建物を作った国や、集合住宅のようなパビリオンに「入居」している国もあります。それぞれ形は違えど、全世界のほとんどの国や地域が出展をしています。そして、万博の期間中には出展をしている国が持ち回りで主役になる、ナショナルデーがあります。例えば、4月14日はトルクメニスタン、同17日はバングラディシュ、同21日はイラン、同22日はスイス、同24日はデンマーク・・・といった具合です。
これらのナショナルデーに当たった国は当然ながら自国が主役になるので、大々的なイベントを開催します。そして、そのイベントに合わせて本国から国家元首やそれに近い人、要人がやって来ます。すでにトルクメニスタンのナショナルデーには同国の大統領、デンマークのナショナルデーには同国のフレデリック国王が来日しています。
大阪にやってきたあとの行動はそれぞれまちまちですが、東京に移動して天皇陛下や総理大臣と面会や会食をする人も多くいます。こうした活動のことを、「万博外交」といいます。ニュース報道を見ていると、ナショナルデー以外にも万博会場にやってきた外国の首脳が日本の要人と外交を展開している事例はたくさんあります。4月9日のオマーン王族、同16日のトンガ皇太子などなど。今後も世界中からたくさんの要人が来日する予定になっています。
これって、凄いことだと思いませんか?特に私が有意義だと思うのは、万博の機会がなければなかなか双方が訪問をする可能性がなさそうな国の人たちが日本にやって来ていることです。特に政治的な関わりがない国であっても、人同士が会えば関係が生まれます。「両国の関係強化で一致」という一言で片づけられているニュース報道が多いように思いますが、そこにはしっかり中身もあるはずです。
相手が国王や王族の場合は、日本側のカウンターパートは天皇陛下や皇族方になります。そういった国々と対等な付き合いができるのも、日本に皇族が存在するからであり、また万博という機会があるからです。世界中の要人がやってきて日本で笑顔を振りまき、日本の要人と写真に収まっている光景を見ていると、日本人として誇らしい気分にもさせてくれます。これだけでも、万博にはすごい力があると思うんです。もちろん彼らにも思惑があって、万博というおめでたいイベントの機会を活用して日本との関係を強化したいと考えているわけです。こうした世界各国との「お付き合い」が広がっていくことにも、改めて万博の意義を感じるのでした。
余談ですが、イエメンパビリオンにはいかにも中東らしい「怪しい土産物屋」があるそうです。値札はなし、すべては店主との交渉と駆け引きで値段を決めます。こういう交渉が大好物(?)の大阪人にとっては最高のアトラクションとなるそうで、大阪人と中東の商人が丁々発止をしている様子が「新名所」になっているそうです。私もその様子をSNSで見ましたが、海千山千の中東の商人に対して大阪人は全然負けていません(笑)
そもそもイエメンは日本人が渡航するのがとても難しい国で、アメリカによるフーシ派への軍事攻撃など、かなり危険な国です。そんな国の文化に安全に触れられるのも万博も魅力だと思いますし、せっかくなので大いに中東の商人との値切りバトルを楽しんでほしいと思います。