最近のニュースを見ると、竹島だの尖閣諸島だの、まるで日本が周辺諸国と戦争でもしているかのようなものばかりです。
8月というのは、本来日本人にとってとても重要な日がある月です。
そうです、8月15日の終戦記念日です。
まだ100年も経っていない1945年まで、日本は戦争をしていました。
今でこそ平和と繁栄を謳歌している日本ですが、まだ67年前のことなのです。
ご存知のように、8月15日は日本中が戦没者に対して哀悼の意を示す日です。
高校野球ですら、正午には試合を中断して選手も観客も黙祷を捧げるというシーンが毎年生中継されています。
それ以外にも、日本全国の各地で慰霊祭が行われ、先の大東亜戦争(太平洋戦争)で亡くなった人に対して「喪に服す」日となります。
これに対して、異を唱える人がいます。
特に靖國神社に参拝するのがいけないだの、何だの。
戦争に反対する、軍国主義に反対する人がいるのは、良いことだと思います。
戦争が生み出すものは不幸しかなく、それに反対するのは人類共通の願いでもあります。
しかし、それと靖國神社や戦没者への哀悼と何の関係があるのでしょうか?
「靖國神社にはA級戦犯が祀られているからダメ」という人がいます。
こういう人に聞きたいのですが、A級戦犯という立場を決めたのはいったい誰なのか、ということです。
これも教科書に載っていることなので誰でも知っていることですが、東京裁判に出廷していた判事たちです。戦勝国が敗戦の将を処罰するという、極めて一方的な裁判で勝手に決めたものです。
もちろん、これは歴史ですでに確定したことなので今さら東京裁判をやり直せと言う気はありません。
しかし、この東京裁判で判事を務めた連合国のうち、ある一国だけが無罪という判断をしていることをご存知でしょうか。
それは、インドの判事です。
インドは連合国側として東京裁判に判事を出していたのですが、その判事は現在A級戦犯と言われている人たち、そして日本国に対して明確に無罪だと言ったのです。
理由は、今さら語る気はありません。
日本は連合国と戦争はしましたが、それ以外の国に何か意思をもって危害を与えたわけではないからです。
インドは長らくイギリスに支配され続けていましたが、そのイギリス支配からの解放には、日本が深く関わっているのです。
現在、インドに飾られている建国の銅像、その後ろで鉄兜をかぶって独立戦争を支援しているのは、何を隠そう日本兵なのです。
これだけ、インドは戦前、戦時中の日本に感謝しているのです。
日本国内では、一切否定されている戦前、戦時中の日本。
軍部が否定されるのは構いません。
しかし、その軍部に命令されて命をなげうった当時の若者たちに哀悼の意を示したら、それは軍国主義の崇拝になるのでしょうか?
戦前の日本にも、良い点、悪い点はどちらもあるのです。
良い点まで否定した結果、戦後の日本は土下座外交と呼ばれるような自虐的な国になってしまいました。
世界有数の予算、戦力を持つ事実上の軍隊を持ちながら、それを自衛隊と呼び、中には違憲だから今すぐ解散せよという人までいます。
先日の東日本大震災で、陸上自衛隊は獅子奮迅の大活躍をしました。
その自衛隊がいなかったら命を落としていたかも知れない人に同じことを聞いて、「自衛隊は違憲だから今すぐ解散を」と言うでしょうか?
私は、8月15日には戦没者に対して心から哀悼の気持ちを示しました。
彼らがいなかったら、今の日本はなかったと確信しているからです。
そして、命を失った人たちに恥ずかしくない日本にしたいと思うからです。
そんな日本人にとって神聖な8月15日に、残念な出来事がありました。
そうです、尖閣諸島の魚釣島に香港の活動家なる者が日本の領土に勝手に上陸をしました。
あらかじめ予告されていたことなので、どうして防げなかったのかという議論が巻き起こっています。
私が看過できないのは、8月15日という日をわざわざ選んで、日本の領土に土足で上がり込んできた輩たちの非礼さです。
もし、家の大切な人が亡くなって、その人の命日に家でお坊さんがお経を上げている時に誰かが土足で家に上がり込んできたとしたらどうでしょうか。
失礼である上に、死者の尊厳を踏みにじる冒涜だと思います。
彼らは、それを承知の上でやったのです。
どうですか?
腹が立ちませんか?
腹が立ったからと言って、戦争をしろと言っているのではありません。
日本人は、このことに怒りを持たなければならないのです。
怒りを持つことによって、関心を持つようになります。
これまで領土問題で韓国だの中国だのがやりたい放題をやってきているのは、多くの日本人が無関心で、「これくらいならやっても大丈夫」と高をくくっているからです。
先日の李明博なる人物が竹島に堂々と上陸したのも、天皇陛下に対して非礼な発言をしたのも、その延長線上です。
これで本気で日本が怒っていることが伝われば、言いたくても言えなくなります。
しかし、実際の日本国内はどうなのかと言いますと、脳天気に今日もK-POPアイドルがテレビで踊っています。
彼らにとって、日本人は何をやっても怒らず、際限なくお金を与えてくれる民族にしか見えないでしょう。
私は、戦争は大反対です。
自国の大切な国民の命を危険にさらして、愛国も何もありません。
それはただの軍国主義であって、その先にあるのは破滅のみです。
戦争をしないために、外交や政治があるのです。
日本は外国力がない、政治が弱いから外国からナメられているという意見をよく目にします。
これも、国民が無関心だからです。
無関心だから、能力のない人物が仕事をしても結果を出せないのです。
当たり前ですね。
まず、関心を持つこと。
そして、当たり前のことには当たり前の感情を抱くこと。
ちょっと贅沢ですが、相手がなぜそんなことをするのか?そこまで考えられるようだと理想的です。
今年の終戦記念日は、これまでの終戦記念日とは全く別物だったと思わざるを得ませんでした。