太陽光パネルの破損は鳥が原因?

太陽光パネルは野外に設置するものですから、飛来物によって破損してしまうことがあります。飛来物による破損は、台風などの強風といった自然災害によるものがありますが、カラスなどの鳥が上空から石を落としたことが原因の破損も多く報告されています。
カラスなどの鳥が石やゴルフボールなどいろいろなものを咥えて太陽光パネルの上に落下させるのは遊びの一種といわれています。鳥の中でもカラスによる被害が大きいと報告されているのは、カラスは知能が高く、さらに模倣が上手いこともあるようです。
カラスの中には、貝を上空から落下させて割り中身を食べたり、クルミを車のタイヤに踏ませてクルミを割り食べる個体があり、そうしたカラスは特定のエリアが固まっているといわれます。これはひとつの個体が始めて、その成功事例をほかのカラスが真似したためと考えられるそうです。
太陽光パネルの破損についても一羽のカラスが太陽光パネルの上に石を落下させて遊んだことにより、ほかのカラスも石などを落下させて遊ぶようになり、被害が拡大してしまうのです。メガソーラーなど多くの太陽光パネルをセッツする施設では、カラスなどの鳥が石を落としてパネルを破損させるトラブルは多いといいます。被害が大きな地域を調査してみると、近隣に畜産の厩舎があるなど、カラスが集まりやすい環境があったことが確認されており、鳥による被害を回避するには太陽光発電所の建設においては周辺環境も大事ということでしょう。
太陽光パネルが破損すれば、発電量の大幅な減少だけでなく、破損個所が発熱して発火、それが火元になって火災の心配もあります。実際、住宅用太陽光発電で太陽光発電の異常過熱による火災は全国で発生しています。 消費者庁の住宅用太陽光発電システムの発火による火災等の事故の調査結果では、太陽光パネルから発火し、火災となってパネルを設置した屋根が焼け落ちてしまったという大きな被害も報告されているのです。産業用太陽光発電では、発電所火災で大火災となったという報告はないものの、太陽光パネルの焼損といった報告は多数あり、太陽光発電のトラブルは大きなトラブルになることがあるのです。
カラスによる被害は太陽光発電以外にも畜舎や田畑などでありますが、畜舎や田畑では対策が確立されているのに対して、太陽光発電の場合、発電量が減少してしまうためパネルを覆うわけにはいかないところが難しいところでしょう。 しかし、カラスは都心にも地方にもどこにもいますから、対策が重要です。カラスが落とす小石による破損については、傷が小さいことから監視カメラによる監視は難しいといわれています。かわりに有効といわれているのが発電量の監視で、発電量を常にモニタし、発電量の低下が確認された場合は点検を行うこと、そして何より定期点検が有効といわれています。
トラブル事例一覧