エネルギー自給率を家庭レベルでも高めれば原油高は怖くない

石橋大右

2026.4.26 エネルギー問題

エネルギー自給率を家庭レベルでも高めれば原油高は怖くない

こんにちは、石橋です。
引き続き中東情勢が荒れるなか、今回もエネルギーに関するお話をしたいと思います。

当ブログでは、私の持論としてエネルギーの海外依存度を低くしていくことがエネルギー安全保障上重要である、と述べています。誰かに頼るから、その誰かが頼れなくなった時に慌てることになってしまうのです。それなら、頼らなくてもいい、もしくはそこまで頼らなくてもいい仕組みを作ればいいのです。
そのためのひとつの手段として、私は原子力+太陽光発電による安定的な電力供給を提唱しています。
これまで国家レベルの話として提唱してきたことですが、同じ取り組みは家庭レベル、企業レベルでも可能です。
それを可能にするのが、太陽光発電の自家消費モデルです。

自家消費モデルについては当社、和上ホールディングスが手掛けていることもあって公式サイトや当ブログに解説している記事がたくさんあります。また、宣伝になってしまいますが、自家消費モデルを解説する書籍も刊行しているので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。

脱炭素社会の大本命「自家消費型太陽光発電」がやってくる!(石橋大右著)

太陽光発電の自家消費モデルで得られる最大のメリットは「高い電力を買わずに済む」ことです。もとより物価高によって電気代が上がり続けており、これに原油高騰が加わるとさらに高くなる可能性があります。逆に電気代が安くなる理由が全く見当たらないことを考えると、今後さらに値上がりすることはあっても下がることはないと見ておいて良いでしょう。
そうなると、今後ますます高くなる電力をいかに買わないようにするかがポイントなります。それを実現できる最も確実かつ現実的な方法が、自家消費というわけです。

これまでの太陽光発電は、売電モデルが一般的でした。晴れた日の昼間に余った電力を売って、その分を実質的に光熱費の削減に充てていたわけですが、これだけ電気代が高くなると売電するよりもその電力を自分で使った方がオトクになるわけです。
自宅で発電した分を売っても買取価格がどんどん下がっているのは、ご存じの方も多いと思います。買取価格が下がっている一方で電気代が上がっているのであれば、それは誰でも「売って小銭を稼ぐ」よりも「高い電力を買わずに済む」ほうを選びますよね。これが、現在太陽光発電の自家消費モデルに注目が集まっている大きな理由です。

しかも、電力会社から電力を買う場合には、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)が上乗せされます。この賦課金は電力を買うことによって課せられるため、買わなければ課されることはありません。つまり、自家消費分の電力とは無縁です。
この再エネ賦課金も意外に負担となるため、さまざまな方面から廃止を訴える声も上がっていますが、中央官庁や天下り先の利権になっている部分があるため、容易ではないでしょう。それなら、最初から再エネ賦課金がかからない電力を手に入れたほうが早いですよね。

自家消費モデルを完成させるためのポイントとなるのが、蓄電池です。すでに家庭用の蓄電池はさまざまな機種が多くのメーカーから発売されており、性能や価格を競い合っている状況です。家庭用蓄電池が登場した頃よりもはるかに性能も向上しているので、これから導入する方はより良い選択肢の中から最適な蓄電池を選びやすくなっています。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、昼間に余った電力を貯めて夜間や悪天候の日に貯めておいた電力を使うという仕組みが完成するため、電力の自給率が高くなります。これを業界では「自家消費率」というのですが、自家消費率が高いほど電気代は安くなります。最初から光熱費ゼロを想定して設計されたZEHと呼ばれる家もあるほどで、自家消費率を100%まで高めることができればZEHとなり、電気代の負担はなくなります。今後どれだけ電気代が高くなっても影響を受けることはなくなり、年間では数十万円クラスの節約になります。

この仕組みを広域の電力網に応用したのが、系統用蓄電池です。考え方はほとんど同じで、夜間や悪天候の日に発電ができない太陽光発電の弱点を蓄電池が補うことで自給率を高める狙いがあります。
国としても今回の原油価格高騰を機に、エネルギーを海外からの輸入に依存しすぎるのはリスクが高いと感じているようで、今後は社会全体に自家消費率を高める流れが加速していくでしょう。エネルギー安保の観点から望ましいことですし、エネルギー資源を海外から買う量を減らせば日本の貿易赤字が削減され、日本経済にも良い影響をもたらします。
貿易赤字が大きくなるとその国の通貨は安くなる相関関係があるため、原油価格の高騰によってさらに貿易赤字が拡大すると円安も加速し、安い円で原油を買わされることになります。さらに日本の負担が大きくなるため、日本を貧しくする原因になってしまうのです。それを食い止めるためにも、資源国ではない日本は国内で手に入る太陽光をもっとしっかりと活用していく必要があります。
家庭レベルで自家消費モデルが普及していっているのですから、国レベルで同じことができないはずはありません。これからの日本を救ってくれるきわめて重要なスキームが、自家消費モデルなのです。

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