9月も終わり近くなり、早くもあの大震災から半年が過ぎました。
本当に早いですね。
その後、紀伊半島を襲った台風被害のニュースが大々的に報道されたこともあって、東日本大震災の被災地がその後どうなったのかということについて、若干ニュースが減っているように思います。
ニュースが減っているからと言って、復興が進んでいるというわけでは決してありません。
まだまだ現地では手付かずでそのままになっているところもたくさんあり、震災の爪あとを全く感じない風景というのは有り得ません。
何でも、あれだけ皆が集めた義援金についても実際の支払いがなかなか進んでいないようで、これだと義援金の意味がないですよね。
もっと、被災地の人が本当に必要としていることが迅速にできないものかと歯がゆい思いです。
そんな中で、ちょっと面白い取り組みを知りました。
それは「三陸に仕事を!プロジェクト」です。
三陸というのは、そうです、今回の大震災で大被害を受けた三陸海岸を中心とする地域のことです。
この地域には広く漁村が点在していて、三陸沖にある世界的な漁場からの海の恵みでこれまでは町が栄えてきました。それが、今回の震災で漁をするための船や港湾施設に壊滅的な被害が出たので、思うように漁で生活することができません。
それでも毎日の生活はしていかなければならない。
そこで始まったのが、このプロジェクトです。
三陸地方の漁村にいる猟師の奥さんたちが中心になって、漁網の素材を使った漁村風のミサンガを手作りで製作しています。
公式ホームページを見てみると、いかにも漁村の奥さんという感じの人たちが楽しそうに仕事をしている風景が写真に収められています。
そうです、彼女たちは仕事がないので、その仕事を作るために立ち上がったのです。
彼女たちが作っているミサンガには「浜のミサンガ 環(たまき)」という、なかなかシブい名前が付けられています。
価格は1000円ちょっとで、原価を差し引いた収益が全て、三陸地方の人たちに還元されます。これだと、義援金のように「貰うお金」ではないので、すぐに現地に行き渡るはずです。
これは実に素晴らしいアイディアだと思います!
被災地のために何かしたいと考えている人はとても多いですが、何をすればすぐに支援になるのかが分からない。
そんな人にとって、このプロジェクトは今すぐに支援の手を差し伸べることができる方法です。
さらに嬉しいことに、このミサンガは“バカ売れ”状態で、生産が追いついていないそうです。
公式サイトを見ても、次回入荷がかなり先になるという旨のことが書かれています。
つまり、このプロジェクトを知った人の多くはその主旨に賛同して、お金を出して買っているということです。
まだまだ日本も捨てたものではありませんね。
さて、このプロジェクトに関連して、現地の人が言っていたとても印象に残る言葉があります。
なかなか行き渡らない義援金や国、行政などの支援に不満を漏らしている人が多い中で、ある人は「本来は自分でやるもの」と言い切り、さらに「人様の助けを当てにするほど落ちぶれていない」とも言いました。
どこの誰なのか分からない一市民の声として紹介されていましたが、こんなにカッコいいことを言う人がいるのかと感動してしまいました。
この人がもし、このミサンガのプロジェクトを知ったら、きっと喜ぶに違いありません。
今すぐ何か出来ることはないか?
現地の人たちにとって、本当に力になることはないか?
そんな気持ちを持っている方は、このプロジェクトに参加されてみてはいかがでしょうか。
もちろん、私も参加します!