フランスという国について、どんなイメージをお持ちでしょうか。
女性であればルイ・ヴィトンやセリーヌ、グッチなどの高級ブランドがたくさんある、ファッションの国。食べることが好きな方にとっては、フランス料理の本場。アートが好きな方にとっては、芸術の都パリ…。
私は自他共に認めるお酒好きなので、そんな私にとってのフランスはワインの本場でもあります。
どれをとっても、フランスという国に対して私たち日本人は良いイメージを持っていることには変わりありません。
こんなに日本人はフランスが好きだという事実の一方、向こうのフランス側は日本のことをどう思ってるのだろう?
そんな素朴な疑問を、何となく持ち続けていました。
私と同じような思いの方って、意外に多いのではないでしょうか?
そんな私の素朴な疑問に答えてくれるようなニュースが、去年の東日本大震災あたりから頻繁に聞こえてくるようになりました。
一連のニュースなどを見ていると、どうやらフランス人というのは日本のことがかなり好きでいてくれているようです。
日本に対する好感度というのは、日本人という人に対するものや、日本文化に対する評価など、そこには尊敬のようなものすら感じます。
それでは、その「証拠」をご紹介しましょう。
現在、フランスの首都パリのアクリマタシオン公園というところで日本に関する大規模なイベントが開催されています。
このイベントは「ル・ジャルダン・ジャポネ」というもので、訳すると「日本の庭 春祭り」という意味になるそうです。ここでは日本からのアートや文化、パレード、工芸品などがたくさん紹介されており、連日大盛況だそうです。
そのイベントの入り口には、日本でもお馴染みのものがあります。それは神社の赤鳥居です。写真を見ると何だか横に間延びしたような形をしていますが、まぎれもなく日本の神社にある、鳥居です。
その鳥居の前で嬉しそうに記念写真を撮っているフランス人来場者の姿を見ていると、日本人として嬉しくなります。
それだけではありません。
フランスの北西部にあるブルターニュ地方でも、現在日本に関する大規模なイベントが開催中です。しかも、このイベントは今年の一年間ずっと続くそうで、ここではフランスに100年以上根付いている「ジャポニスム」という日本文化を採り入れた文化が紹介されているそうです。
日本人ですらちゃんと理解していない日本文化を紹介しているそうで、おそらくこのイベント会場では私の知らないことがたくさん紹介されていることでしょう。
そう言えば、フランスの高級ブランドであるエルメスには「タナカ」という名前のバッグがあります。
これは100年ほど前に世界中を旅していたタナカさんという人がエルメスに特注で製作を依頼したバッグだそうで、そのデザインが日本的でカッコいいということで、今でもエルメスはタナカという名前のバッグを作り続けています。
高級ブランドと言えば、同じく世界的に有名なルイ・ヴィトンが東日本大震災の被災地に大きな支援をしていることをご存知でしょうか。
去年の大震災で大きな被害を受けた三陸海岸というのは牡蠣の一大産地で、さらにフランスというのは世界的な牡蠣の消費地です。生牡蠣を食べる食習慣は日本より一般的になっているそうで、日本産の生牡蠣は美味しいと大人気です。
かつて、フランスの災害で生牡蠣の生産地が大きな被害を受けた際に、日本の東北地方からの支援で種となる牡蠣が贈られたことがあるそうです。そのことに感謝し続けているフランス側から、今回は恩返しという形で牡蠣の生産地に支援の手が差し伸べられました。
牡蠣の生産が復活して出荷できるようになるには、2年かかるそうです。
支援をしたルイ・ヴィトンの5代目当主はパトリック・ルイ・ヴィトンという人も大の牡蠣好きなので、東北の牡蠣生産地から「2年目に招待しますのでお越しください」と言ったところ、パトリック氏の答えがとても素敵でした。
「もちろん2年後に行きますよ。私の愛用の牡蠣ナイフを持ってね」
こうした素晴らしいニュースは、もっと報道して欲しいと思いました。
フランスから見た日本の姿は、私たち日本人がもっと再認識するべきものが多いのではないでしょうか。