太陽光発電パネルというと、大抵の人は黒いパネルを思い浮かべるはずです。黒いものでなくても、青や紫といった定番の色を思い浮かべる方が多いでしょう。これは、太陽光発電パネルが黒色なのは材質にシリコンを利用しているからです。
シリコンはパソコンの集積回路チップにも利用されています。シリコン素材で作られた円柱を薄くスライスした円盤をシリコンウェハーといい、このシリコンウェハーから集積回路チップを切りだしていきます。太陽光発電パネルにも、パソコンの集積回路チップと同じ素材が利用されているのです。
しかし、最近は太陽光発電パネルに様々な素材が利用されるようになってきました。
そして産業技術総合研究所が開発した太陽光発電パネルやミシガン州立大学工学部の研究チームが開発した太陽光発電パネルは透明なのです。
ミシガン州立大学工学部の研究チームが開発した太陽光発電パネルは発光性プラスチック材料で、紫外線や赤外線といった光を集積し、それを電気に変換していますし、産業技術総合研究所ではガラス基板に透明な半導体を使い、紫外線を電気に変換する仕組みです。産業技術総合研究所では将来的にプラスチックスやPETフィルムを利用した太陽光発電パネルの開発が考えられています。
黒光りしていた太陽光発電パネルが透明になるということは、利用用途が広がるということです。例えば、ビルや公共施設の窓に使われているガラスをすべて太陽光発電パネルにすれば、ビルで相当量の電気を創出することができるようになります。ガラスは建築物の様々なところで利用されていますから、それが太陽光発電パネルになれば大きな電力を創出することも不可能ではないのです。
太陽光発電パネルがガラスのように透明になれば、それだけ様々な可能性がうまれるのです。
この技術開発がすすめば、スマートフォンの自家発電ということもあります。スマートフォンの画面に発電を行う透明なフィルタを貼ることによって電気を創出し、それによってスマートフォンが充電せずに半永久的に利用できるようになる・・・。
そんな日が来るのも遠い未来ではないかもしれません。特にスマートフォンは消費電力が少ないので太陽光発電に向いていることと、バッテリー容量が小さいので頻繁に充電の必要があるので、この技術は現実味があるのではないでしょうか。