こんにちは、石橋です。
いよいよクリスマスムードが盛り上がってきている昨今、街のあちこちで美しいイルミネーションを見るようになりました。
イルミネーションは電力あってのもの、東日本大震災の直後は節電ムード一色でイルミネーションもすっかり影を潜めましたが、今やそれもすっかり冬の主役に返り咲いた様子です。
さて、電気というと今回も吠えたくなる話題があるのでこちらから。
最近、と言うよりもかなり以前から「太陽光発電」という言葉が世間から乖離している感がします。つまり多くの国民はあいつぐ電気料金の値上げに不平不満が鬱積しているにも関わらず、新エネルギーへの関心度が逆比例的に低下しているように感じます。
これは嘆かわしいことで、太陽光発電事業に携わっているひとりとしてだけではなく、環境問題と家計の事情を考えると、これで果たして良いのかと不安を感じざるを得ません。
直近の報道で、給湯器メーカーのノーリツは家庭向けの太陽光発電設備の生産、販売事業から、平成27年末をめどに撤退すると発表した、とあります。ノーリツは太陽光発電大手ではありませんが、その撤退理由は、円安の急進で部品価格が上昇していること、市場競争の激化で製品の販売価格が下落し、収益が低迷しているためとしています。なお、同社は儲からない家庭用からは手を引くが、利益が期待できる産業向けの事業は継続するとのことです。
これは太陽光発電関連企業すべてについても同じことで、一時期の太陽光発電礼賛のブームに便乗した会社は、どこも同じような状況下にあると言えそうです。
また、太陽光発電を導入する際のキャッチフレーズは、「公称最大出力」と「高変換効率」でしたが、最近はそこに「高耐久性」が加わっています。
この3拍子が揃わないと、これからの太陽光発電導入には齟齬をきたすでしょう。むしろ三番目の「高耐久性」が最重要になるとも考えられます。
今後の太陽光発電の立ち位置を考えると、これからはメーカーも販売・施工会社も、前述の3拍子に「低価格」、「低メンテナンス」を加えた「3高2低」のスタンスが必要になりそうです。
太陽光発電の販売・施工に従事する立場としては、この中で何とかできることは「低価格」だけですから、歯がゆい思いがします。
さらに「3高」と「2低」に関しては、今後も従来に増してメーカーの製品のスペックやメンテナンスサービスについての知識を導入して、ユーザーの立場からのシビアな目を養う必要があると考えています。
もともと、太陽光発電はエネルギーコストが高いと指摘されてきました。
しかし、設置価格の下落でお手軽なところまで落ち着いてきた一方で、化石燃料の価格は高止まりしたままです。このままいくと、価格という唯一に近い優位性を失った化石燃料の存在意義がなくなってしまうのではないかと感じます。
いよいよ再生可能エネルギーの時代か、となるこの時に社会的な関心が薄れてしまうのは、何とももったいない!