こんにちは、石橋です。
一口でエネルギー政策というくくりではとても全部を展望することができないことは当然で、国のエネルギー政策は実に多岐にわたっています。
それを承知のうえで、ここでは資源エネルギー庁が策定したZEH(ゼッチ)について考察しようと思います。
一応説明しますとZEHはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの頭文字で、その心は、住宅の高断熱化と高効率設備で快適な室内環境を実現すると同時に省エネルギーを実現し、さらに太陽光発電などでエネルギーを生産することで、年間に消費するネット(実質)エネルギー量をゼロにする住宅ということになります
経済産業省は2020年までにハウスメーカーなどの注文戸建住宅の過半数でZEHを実現するとしています。
この目標達成に向けて、平成28年度のZEH支援事業、つまり補助金制度では、対象として、受注住宅でZEHが占める割合を2020年までに50%以上とする目標を宣言・公表したハウスメーカーその他を公募しています。
これはいかにも行政らしい支援政策と言えそうです。
つまり、正直なことを言えば、一見もっともらしく思えますが、問題はその内容で、宣言・公表する基準は示されていません。
言い換えればZEH用の太陽光発電は具体的にはどうなのかなどはこの政策からは見えてこないのです。
たぶん根堀り葉掘り、隅から隅までこのプランのPDFを読めば答えがあるというのが資源エネルギー庁の答えでしょう。
ことほど左様に官が出す政策というのは分かりにくくなっています。
一点、ZEHで納得がいくのは、日本の家庭でのエネルギー消費量が石油危機以降、今では約2倍に増加していることと、原発が休止状態などで住宅の消費するエネルギーを充足させるよりは、省エネに徹する必要があることです。
たとえZEHが前向きなエネルギー対策案で、ハウスメーカーや建築業者には理解できるとしても、もう少し一般人にも理解できる文面なり好評の仕方はないものでしょうか。
といいますのは、このZEH政策と支援プランはあくまでもハウスメーカーなどへのメッセージであり、決して一般消費者向けではないのです。
しかしZEHに住むのは一般消費者なのですから、やはりもっと分かりやすい方法を考えてもらいたいと思います。
国の言い分は多分ハウスメーカーなどが消費者に説明すればいい、ということでしょう。
しかし、それでは消費者は蚊帳の外になりかねませんし、ZEHのパーツを受け持つ、たとえば太陽光発電関連の者も蚊帳の外です。
なぜなら冒頭で申し上げたようにZEHは、太陽光発電などでエネルギーを生産して、年間に消費するネット(実質)エネルギー量をゼロにする住宅ということになるからです。
それならハウスメーカーなどに向けると同時に太陽光発電メーカーにも目を向ける発言があってもいいのではないかとも思ってしまいます。