太陽光パネルのリサイクル方法や廃棄問題とは?東京都の方針について解説

太陽光パネルのリサイクル方法や廃棄問題とは?東京都の方針について解説

2022年、東京都では太陽光パネルの廃棄問題に関する方針を示しました。内容は、3Rをベースにした太陽光パネルの処理およびルールについてです。今後は、太陽光発電投資家も太陽光パネルの廃棄問題について対策を検討する必要があります。

そこで今回は、太陽光パネルのリサイクル方法や廃棄問題について詳しくご紹介します。東京都の太陽光パネルに関する方針について気になっている方や太陽光パネルの廃棄について不安な方は、参考にしてみてください。

太陽光パネルの廃棄問題とは?

太陽光パネルの廃棄問題とは?

東京都が太陽光パネルの廃棄方法に関する方針を示した背景には、2040年頃に起きると予測される大量廃棄問題があるためです。そこでまずは、太陽光パネルの廃棄問題について確認していきましょう。

2040年に処理能力を超える廃棄が発生する問題

太陽光パネルの廃棄問題とは、太陽光パネルの大量廃棄によって処理能力が限界を迎えると予測されている問題のことです。

太陽光発電は、2012年にスタートしたFIT制度によって普及の進んでいる再生可能エネルギー設備です。また、製品寿命は20年~35年程度なので、2040年頃に大量廃棄されると予想されています。

しかし、同時期に大量廃棄されると、最終処分場で処理しきれない可能性があります。資源エネルギー庁の予測によると太陽光パネルの年間廃棄量が、最終処分場の6%に達するデータも公開されています。

つまり、全ての最終処分場を稼働させても太陽光パネルの廃棄処理しきれない可能性があるということです。そこで国や自治体では、パネルの再資源化や処分場の増設といった対策について議論が交わされています。

大量廃棄によって懸念されていること

太陽光パネルの大量廃棄によって懸念されることは、最終処分場の処理能力だけではありません。

主なリスクは以下の通りです。

不法投棄の増加リスク 太陽光パネルの不適切な処分で有害物質流出

一部の悪質な太陽光発電事業者は、太陽光発電所を手放す際に売却や撤去を行わず、そのまま放置するケースもあるようです。しかし、このような不法投棄は、火災事故や有害物質の流出リスクにつながります。

また、処分業者のノウハウ不足で太陽光発電設備の処分方法を間違えてしまい、有害物質が流出してしまう可能性があります。

このように太陽光パネルの廃棄問題は、今から取り組まなければ対処できないほどの大きな問題です。

東京都が示した太陽光パネルの再資源化

東京都が示した太陽光パネルの再資源化

ここからは、東京都が示した太陽光パネルの再資源化に関する方針を解説していきます。

太陽光パネルの3R推進に関する報告書作成

2022年6月13日、東京都では、太陽光パネルの適正処理と3Rの推進に関する報告書をまとめました。

報告書には、太陽光パネルの廃棄前に再資源化可能な診断を行うこと、太陽光パネルに含まれる有害物質の情報整理と処理業者への情報共有、感電事故を防止しながら撤去するための安全確保に関する基本方針などが記載されています。

将来的には、リユース・リデュース・リサイクルの体制を確立することも目指しているようです。

リユース 繰り返し使用 リデュース ごみを増やさずに活用 リサイクル 再資源化

リユースは物を繰り返し利用すること、リデュースはなるべくごみを増やさずに利用し続けること、リサイクルは物の分解と部品としての活用といった意味を指しています。

3R体制の具体的な方向性

東京都で示した太陽光パネルの3R体制確立に向けた対応策は、いくつか示されています。

以下にいくつか例を紹介します。

他にも東京都では、リサイクルによって作られた資源をさまざまな団体で活用してもらえるよう働きかけています。また、3R体制の情報共有に関するスキーム(構想)の検討、国に対して3Rが進むよう提言していく方向で動いているのが特徴です。

東京都に住宅用太陽光発電や産業用太陽光発電を設置している方は、3R体制の確立に向けた方針も記載された報告書を確認しておくことをおすすめします。

太陽光パネルのリサイクルに関する流れ

太陽光パネルのリサイクルに関する流れ

太陽光パネルのリサイクルが重要であることを確認したあとは、リサイクルに関する基本的な流れについて把握していきましょう。

太陽光パネルは複数の部品に分けられてリサイクル

環境関連事業を手掛ける企業の中には、太陽光パネルの分解およびリサイクル事業を展開している企業があります。

太陽光パネルのリサイクル作業では、アルミフレームと太陽電池、ガラス、ジャンクションボックスなどに分けられます。

ジャンクションボックスやアルミフレームは再資源化され、太陽光パネルのガラス部分は、ガラスメーカーで不純物の除去や選定作業を行いリサイクルされます。

太陽電池や封止シート(EVA)に関しては、精錬加工会社で銀などリサイクル可能な物質を抽出してもらいます。割れたガラスに関しては、ガラスメーカー側で買い取ってもらえる場合もあります。

このように太陽光パネルは、リサイクル可能な価値のある物質が多数含まれています。

太陽光発電設備を所有している方は、太陽光パネルの素材や構造について把握しておくのも大切です。

内部の破損がなければリユースされることも

太陽光パネルのリサイクルサービスによっては、リユースサービスを提供している場合があります。

リユースサービスを提供している企業では、太陽光パネルを引き取る際に電圧電流測定などで稼働可能な状態か検査し、利用可能な状態であれば買い取っています。買い取ってもらった太陽光パネルは、リユース市場で売買される仕組みです。

また、中古太陽光発電物件の売買は、リユースという点で共通しています。

弊社とくとくファームでは、中古太陽光発電物件(土地+設備)の情報掲載と売買仲介サービス、売却後の税務処理などを一括でサポートしています。中古太陽光発電所は、新規設置と異なり購入後すぐに発電・FIT制度を活用した売電を始められるのが魅力です。

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太陽光発電投資家が太陽光パネルの廃棄問題にどう取り組むべきか

太陽光発電投資家が太陽光パネルの廃棄問題にどう取り組むべきか

最後は、太陽光発電投資や住宅用太陽光発電を所有する方が廃棄問題にどのような姿勢で取り組むべきか、3つのポイントを紹介します。

太陽光パネルの廃棄問題を理解する

太陽光パネルの廃棄問題について理解しておくのが、設備を所有している方に求められることの1つです。

そもそも太陽光パネルの大量廃棄問題は、テレビやインターネットなどで取り上げられる機会が少ない状況です。さらにメディアで取り上げられている情報は、脱炭素に役立つ設備であるという点や土砂流出リスクなど、太陽光パネルの廃棄以外に関する内容です。

そのため、太陽光発電投資家は、自発的に太陽光パネルの廃棄問題について調べて、将来的なリスクについて把握したり問題意識を持ったりしましょう。

太陽光パネルの不法投棄を行わない

太陽光発電を運用する際は、パワーコンディショナや太陽光パネルの不法投棄・放置しないよう気を付ける必要があります。

太陽光発電設備を放置したり山中などへ不法投棄したりしてしまうと、劣化および破損による火災、有害物質の流出につながります。

太陽光発電所を手放したい時は、売却もしくはリサイクルやリユースについて準備・検討するのが大切です。

創業28年の弊社とくとくファームでは、15,000件以上もの売買仲介実績を持っており、専任のアドバイザーが売買契約と税務処理を含むサポートを行います。

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太陽光パネルのリサイクル会社を調べておく

太陽光パネルのリサイクルを検討する場合は、複数のリサイクルサービスを調べておきましょう。

リサイクル会社と一言で表してもリサイクルサービスで取り扱っている製品は多種多様で、太陽光パネル以外の産業廃棄物を処理しているケースもあります。

たとえば、東芝環境ソリューション株式会社、株式会社エヌ・ピー・シー、東芝環境ソリューション株式会社などが、太陽光パネルのリサイクル事業を展開しています。

また、リサイクルサービスによって処理費用は異なるので、複数の見積もりを比較し、相場を慎重に見極めることが大切です。

太陽光パネルのリサイクルは今後標準化される可能性が高い!

太陽光パネルのリサイクルは今後標準化される可能性が高い!

東京都で示された方針は、太陽光パネルの3R体制確立に向けた対応策、有害物質の取り扱い、安全な撤去分解方法の確立など、再資源化を中心とした内容です。また、将来的に太陽光発電設備は、再利用や中古設備の売買がスタンダードになる可能性もあります。

太陽光発電投資を行っている方や太陽光パネルの廃棄問題について気になる方は、今回の記事を参考に太陽光発電の売却を検討してみてはいかがでしょうか?

太陽光発電所の売却は、リサイクルと異なり売却益を得られるのが特長です。

弊社とくとくファームでは、全国から中古太陽光発電所の売却に関する相談を受け付けています。専任のアドバイザーが、設備の状態などを確認し、売買の仲介業務をサポートいたします。さらに売却後の税務処理を代行いたしますので、複雑な手続きなどの負担を避けられるのが特徴です。

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