アグリゲーターとは?役割や仕組みについて解説!

アグリゲーターとは?役割や仕組みについて解説!

再生可能エネルギー事業に関心を示している企業の中には、アグリゲーターという用語および事業について注目している企業もいるのではないでしょうか?アグリゲーターは、電力の需給バランスを整える役割を担っているのが大きな特徴です。

そこで今回は、アグリゲーターの意味や役割、関連する制度について分かりやすくご紹介します。太陽光発電事業への参入を検討している方やアグリゲータービジネスに関心を示している方などは、参考にしてみてください。

アグリゲーターとは何?

アグリゲーターとは何?

再生可能エネルギー分野におけるアグリゲーター(aggregate)とは、発電された電力の需要を調整し、安定供給を実現させる事業者のことです。

アグリゲーターには2種類の事業者が存在し、それぞれ異なる業務を行っています。

名称 役割
リソースアグリゲーター 電力を消費する需要家とVPPサービスによって供給される電力を制御
アグリゲーションコーディネーター リソースアグリゲーターが制御している電力を束ねて、一般配電事業者(大手電力会社)や小売電気事業者(大手電力会社以外の電力会社)と取引

電力を安定的に供給するには、需要と供給のバランスが一致していなければいけません。しかし、再生可能エネルギーの普及によって、小型~大型の発電所が多数設置されるようになり、細かな調整が必要になりました。

アグリゲーターは、電力を消費している電力需要家からの需要を分析、バーチャルパワープラント(VPP)やディマンドリスポンス(DR)によって統合的に制御し、電力の安定的な供給へ向けた調整を行います。

VPPとは複数のエネルギーをまとめて、1つの発電所のように制御できるシステムのことです。また、DRは、電力需要を抑えるための要請を需要家もしくはエネルギーの制御が可能な者に行い、節電を実施してもらう行動および運用方法を指します

アグリゲーターは、停電しないよう常に監視したりさまざまな方法で電力の制御を行ったりしているのが特徴です。

アグリゲーターの役割

アグリゲーターの役割

アグリゲーターの基本的な特徴を把握したあとは、3種類の役割について確認していきます。アグリゲーターは、余った電力の取引や電気を使いたいという需要の制御、再生可能エネルギーなどの需要を新たに生み出すといった役割を担っています。

余剰電力の取引

アグリゲーターは、余剰電力(発電された電気のうち使われず余った電気)や節電によって余った電力をまとめて、電力会社へ売却します。また、売却によって得た利益の一部は、発電事業者や需要家へ還元していきます。

個人や法人の節電によって余った電力は、節電所・ネガワットと呼びます。そのため、ネガワットという電力の売買を行っているアグリゲーターは、ネガワット事業者と呼ばれています。

電力需要の制御

アグリゲーターの主な役割の1つが、冒頭でも触れた電力需要の制御です。

再生可能エネルギーを含む発電所は、発電した電気を貯めることができません。蓄電池の併用によって電力を一定程度貯められるものの、必ずしも毎日電力需要のピークを更新する訳ではありませんし、新たな蓄電設備設置の費用や場所の確保などに手間がかかります。

アグリゲーターは、各発電所から発電された電気を効率よく運用できるよう、個人や法人などの需要家(消費者)へ節電を呼び掛けたり遠隔で制御を行ったりします。

アグリゲーター側から需要家の設備を制御する主な方法は、DRです。DRは、遠隔でオフィスの空調を停止もしくは稼働させたり、蓄電池の充放電、生産設備の稼働停止・再開などといった操作を行えるのが特徴です。

また、DRには、需要を抑える下げDRと供給量に合わせて需要を増やす上げDRという操作があります。

再生可能エネルギーなど新エネルギーの需要創出

アグリゲーターは、再生可能エネルギーなどの新しいエネルギーの需要を増やしたり創出したりといった役割も担っています。

日本を含め世界各国では、環境問題を解決するためにカーボンニュートラルという目標を立てたりSDGsという持続可能な社会を目指すための目標を立てたりしながら、新たなエネルギーの需要創出などを働きかけています。

しかし、再生可能エネルギー市場は成長段階で、まだ需要が増加しきっていません。また、新しいエネルギーや発電システムは、エネルギーに対する需要が高まらなければ普及しにくい状況です。

そこでアグリゲーターは、再生可能エネルギーや新しいエネルギーの需要を高めたり創出したりします。

アグリゲータービジネスで求められること

アグリゲータービジネスで求められること

ここからは、アグリゲータービジネスでどのような業務やサービスが求められるのか1つずつ確認していきます。

小規模な電力を1つにまとめて制御

アグリゲーターは、小規模な発電事業者から発電された電気を1つに束ねて、1つの電力として制御することが求められています。

太陽光発電1つとっても事業規模は、大きく異なります。大手企業が運用している太陽光発電所は、数100kWクラスやメガソーラークラスなど大規模な設備です。また、インバランスリスクに対応していて、電力需要に合わせた供給計画を作成、実行しています。インバランスリスクとは、電力の需要と供給量に関する計画と実際の発電量にずれが生じた場合、損失分のコストを支払うリスクのことです。

個人で太陽光発電所を運用している場合やインバランスリスクに対応しきれていない小規模な発電事業者は、適切な電力需給管理が難しい状況です。

アグリゲーターは、このような小規模な電力を1つにまとめ、需要に合わせながら適切に供給管理を行っていく必要があります。

需要増加が見込まれる再生可能エネルギーの需給バランス調整

太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーは、今後さらに増えていくことが予想されます。アグリゲーターは、新たに設立される再生可能エネルギー関連会社や個人で太陽光発電事業を展開している方を含め、さまざまな電力の需要調整、安定的な供給が求められていきます。

また、需要家の保有している蓄電池を活用し、電力の損失や一時的な電力需要増加を抑えることが期待されています。

これから野立て太陽光発電や太陽光発電の自己託送を検討している企業や個人は、効率的な売電を行うためにアグリゲーターサービスの利用を検討しておくのが大切です。

公正な取引を維持すること

アグリゲーターは、特定の需要家や発電事業者に利益が増えるような取引をしてはいけません。あくまで、安定的な電力の供給や電力市場の公正な取引を維持することが、アグリゲーターに求められるスタンスです。

具体的には、需要家へ節電を要請したりDRを実行したりといった需要抑制ばかりではなく、電力の効率的な供給や各市場での公正な取引を継続することが大切です。

リソースの保有者にメリットのあるサービスの提供

太陽光発電を所有している発電事業者は、電力というリソースを保有しています。アグリゲーターは、エネルギーのリソースを保有している方へ向けて、さまざまな方法を用いながらメリットのあるサービスを提供していく必要があります。

たとえば、A発電事業者から発電された電力ばかり市場取引に回し、B発電事業者には発電抑制を要請といった、偏りのあるサービス提供では不適切な事業です。

アグリゲーターは、それぞれの発電事業者が適切な利益やシステムを得られるよう、配慮しながら公正に事業を展開していくことが大切です。

2022年4月から始まる特定卸供給事業制度

2022年4月から始まる特定卸供給事業制度

アグリゲーターについて理解する上で、特定卸供給事業制度という制度を把握しておく必要があります。同制度は、2022年4月に始まった新しい制度で、よりアグリゲーターの重要性が増していきます。

それでは、特定卸供給事業制度の概要や今後期待されるポイントについて紹介します。

制度概要

2022年4月に始まった特定卸供給事業制度(アグリゲーター制度)は、アグリゲーターを中心とした電力調整や制御を推し進めるための制度です。また、アグリゲーター事業を行う事業者は、事業実施日の30日前に登録手続きを済ませておく必要があります。

既にアグリゲーター事業を行っている事業者は、2022年6月30日までに登録を行う必要があるので、早めに確認、登録を進めるのも大切です。

これまで一般送配電事業者によって調整されていた電力需給の調整は、2024年より電力市場によって取引、電力の調達が行われるよう定められる予定です。

特定卸供給事業制度で期待されること

特定卸供給事業制度で期待されることの1つは、太陽光発電や電気自動車、エネファームなどの小規模かつ余っている電力を効率よく活用できる可能性という点です。

特定卸供給事業制度によって電力の需給に関する市場が整い、アグリゲーター事業を展開しやすい環境へ変化していくことが予想されます。また、太陽光発電やエネファームなどの余剰電力をアグリゲーターが1つにまとめることで、より効率的にエネルギーを市場に流し、化石燃料の消費率を抑えられる可能性があります。

また、太陽光発電事業者にとっては、効率的な発電や余剰電力の買取につながり、収支バランスの改善につながります。発電事業者以外の企業や個人の場合は、アグリゲーターのDRによって、適切な節電および電気料金削減効果を期待できます。

再生可能エネルギーの普及などでますますアグリゲータービジネスの需要は高まる!

再生可能エネルギーの普及などでますますアグリゲータービジネスの需要は高まる!

アグリゲーターとは、大規模な発電所をはじめ、再生可能エネルギーを活用した発電所、エネファームや小規模な太陽光発電などの余剰電力を制御し、需要に合わせて適切に供給もしくは抑制していくサービスおよび事業のことです。

太陽光発電で発電した電気を効率的に活用したい方や発電以外の電力事業へ参入したい方は、今回の記事を参考にアグリゲータービジネスの導入や活用を検討してみてはいかがでしょうか?

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