ISSBとは?意味や開示基準、日本への影響についても解説!

ISSBとは?意味や開示基準、日本への影響についても解説!

ロンドンに本部を置くIFRS財団は、ISSBという組織および国際基準を設立しました。これはESGに関する基準であり、脱炭素経営に大きく関係のある内容です。また2024年には日本でも基準が適用される予定で、早めに内容を把握しておく必要があります。

そこで今回は、ISSBの意味や特徴、基準に関する内容、日本企業への影響や対策について詳しくご紹介します。脱炭素経営に向けてさまざまな情報を収集している方や、ISSBについてわかりやすく解説されている記事を探している方などは、参考にしてみてください。

ISSBとは何?

ISSBとは国際サステナビリティ基準審議会のことで、「International Sustainability Standards Board」の略称です。企業がサステナビリティに関連する情報を開示する際の基準を統一することを目的に、2021年11月3日にIFRS財団評議員会の傘下組織として設立されました。

なぜISSBが設立された?

国際基準を設定することを目的としたISSBがなぜ必要で、設立されるに至ったのでしょうか。その背景について詳しく解説します。

ESG関連の情報が乱立

ESGは、「環境(Environmental)」「社会社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3つの言葉の略語で、企業が持続可能性を高めるために重視するべき観点です。

ESGのスコアが高い企業は、長期にわたり成長する可能性があり、環境にも配慮したよい影響を与える企業といえます。

そこで、企業にとって非財務情報であるESG情報の開示が重要になっているのです。しかし、多様化された情報ニーズに合わせるためにESG関連の情報が乱立し、企業は数多くの項目や指標に対応する必要が出るなどの問題が起こりました。

投資家はESG情報を投資の参考にしている

企業によるESG情報の開示は、その企業が長期にわたり成長する可能性があるのか、環境問題にも積極的に取り組んでいる企業なのかを知る手がかりとなります。

そのため、投資家は企業から開示されるESG情報を投資の参考にしています。ですが基準が複数存在したことにより、異なった基準で開示された情報では比較検討が難しくなっていました。

このように、情報開示が必要な企業、そしてその情報を活用する投資家の双方にとって国際基準の統一の必要性が出てきたため、ISSBが設立されました。

ISSBの設立でどのような影響を受ける?

ISSBの設立により国際的な基準の統一が行われると、情報開示が必要な企業にはどのような影響が出てくるのでしょうか。ISSBの設立により変化がもたらされる事柄について紹介します。

2種類の基準が1つに統合される

非財務情報を含む総合的な企業情報の基準を決定しているIIRC(国際統合報告評議会)は、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)と共にESGの標準を策定することを目的に、非営利組織であるVRF(価値報告財団)を2021年に設立しました。

CDSB(気候変動開示基準委員会)は、企業の気候変動に関する情報を開示することを促す枠組みを策定している組織です。

ISSBでは、VRF(価値報告財団)のESGに関する基準と、CDSB(気候変動開示基準委員会)の気候変動に関する情報基準、この2種類の基準が1つに統合されることになります。

ISSBが新たに策定する情報開示のための基準では、関連する複数の団体・組織が持ち合わせた基準を元に決められるため、より総括的ですぐれた基準となることが望まれています。

企業にとっては脱炭素経営における負担軽減につながる

従来、企業が行う非財務情報開示基準は目的によって複数の基準があり、複雑でした。また情報開示を行う企業では、これらの基準に対応するために労力やコストを割いていました。

しかし、ISSBが国際的な基準を統一することでこれらの問題が解決でき、企業にとって脱炭素経営に関する負担軽減につながるようになります。

また、企業が統一された基準で情報を開示すれば投資家も比較が行いやすく、脱炭素経営に積極的に取り組んでいる企業は評価が高まり、投資家からの投資を得ることにもつながります。

企業はこれまでよりも脱炭素化が求められる可能性

地球温暖化は世界的な問題です。そこでISSBは、国際的な基準を策定することで今まで以上に企業が環境問題に取り組むことを促進しています。

また、新しい基準には企業が環境対策に取り組む具体的な対策についても示され、CO2排出量の削減目標や、再生可能エネルギーの導入、サプライチェーンを通した環境対策への取り組みなども含まれているなど、より詳細な内容となっています。

これにより、企業はこれまで以上に脱炭素化への取り組みが求められる可能性が高く、開示する情報・データもより具体的に示す必要が出てきます。

ISSB自体は、新たな基準での情報開示を企業に義務づけることはできません。しかし、統一された基準が世界的規模で広がれば、顧客や投資家からはこれに基づいた情報開示を求められるようにでしょう。

日本ではISSBの開示基準が2024年に適用される

国際的な基準はISSBが策定していますが、日本国内においては、企業が開示するための基準や法的な枠組みは金融庁が決定します。また金融庁は、ISSBの新基準を日本国内の企業にも取り入れる予定です。

具体的な情報開示の内容・保証の仕組みなどについては、金融庁の枠組みに沿って、国内の基準を開発する「日本サステナビリティ基準委員会(SSBJ)」で議論されることになっています。

ISSBは新しい基準の適用を2024年1月1日から開始する予定で、日本ではこれを基にした開示基準が2024年度に確定するといわれています。

ISSBの開示基準適用に向けて準備すべきこと

2024年には日本でも基準が適用される予定のため、情報を開示する企業は早めに内容を把握しておく必要があります。ISSBの開示基準適用に向けて、企業はどのようなことを準備しておくべきかを紹介します。

サステナビリティ情報の基本を把握

まずは、サステナビリティ情報の基本を把握することが大切です。サステナビリティ情報には下記の主要な4つのカテゴリーがあります。

ガバナンス:企業の組織体制や内部統制、持続可能な経営のための方針など、企業が社会的責任を果たすための情報

戦略:持続可能な社会の実現のために企業が立てる戦略についての情報

リスク・マネジメント:気候変動などによりリスクに対する対策や投資判断など、リスクをどのように管理しているかの情報

指標と目標:CO2の排出量削減目標など、企業が設定する指標や目標についての情報

「ガバナンス・リスク管理」はどの企業も情報開示をすることを要望されており、「戦略・指標と目標」については、それぞれの企業が重要性に基づいて情報を開示することが要望されています。

scopeの理解と実行

温室効果ガスの排出に関しては下記の3つのscopeに分かれており、ISSBではそれぞれに対して情報開示の基準が設けられています。

scope1:企業が自らによる温室効果ガスの直接排出

scope2:他社から供給される電気・蒸気・熱を利用することによる温室効果ガスの関節的排出

scope3:原材料の調達や物流など、企業活動を行うことによる温室効果ガスの関節的排出の中のscope1・2以外の排出

各scopeを理解すること、さらに温室効果ガスの排出量削減のために実行することが重要です。

再生可能エネルギーの導入

ISSBは、地球温暖化対策のために国際的な基準を策定することで、企業が環境問題にさらに積極的に取り組むことを促しています。

企業は、事業活動の中で多くのエネルギーが必要です。特に化石燃料などを使ったエネルギーを消費する場合には、多くの温室効果ガスが排出されます。

クリーンなエネルギーである再生可能エネルギーを導入することは、自社やサプライチェーン全体を通した温室効果ガス排出量低減に向けた具体的な取り組みの1つとなります。

そのため、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーを積極的に導入することが大切です。

ISSBに合わせて早めに脱炭素経営の体制を整えよう!

ISSBとは国際サステナビリティ基準審議会のことで、企業がサステナビリティに関連する情報を開示する際の統一基準を策定しています。

ISSBの開示基準の適用は2024年となっているため、企業はそれに合わせて脱炭素経営の体制を積極的に整えていく必要があるでしょう。

脱炭素経営において、再生可能エネルギーの導入は取り組みやすい具体的な行動の1つです。

再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は、建物や工場の屋根、空きスペースなど設置する場所を自由に選択しやすい発電設備といえます。

特に、FIT制度に頼らない非FIT型太陽光発電では、発電した電気を自家消費することができるため環境価値という点でも優れており、おすすめです。

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