太陽光発電の売却前にはデューデリジェンスが重要!評価ガイドについて解説

太陽光発電の売却前にはデューデリジェンスが重要!評価ガイドについて解説

太陽光発電所の売却時には、デューデリジェンスを実施することで価値や価格を高められます。また早期にデューデリジェンスを行い、設備の価値を高めていくことも大切です。

そこで今回は、太陽光発電におけるデューデリジェンスの意味や重要性について詳しくご紹介します。太陽光発電所の売却を検討している方や、出口戦略の1つとして太陽光発電所の売却についても視野に入れている方などは、参考にしてみてください。

デューデリジェンスとは何?

まずは、デューデリジェンスの特徴や目的について確認していきましょう。

資産価値の分析や計算をはじめとした調査

デューデリジェンス(Due Diligence)とは、M&Aで用いられる調査方法の1つです。買収側は、対象の企業にどのようなリスクが含まれているのか簡単に把握できません。そこで隠れたリスクを把握するために、買収側や買収側で依頼した外部企業が、デューデリジェンスという方法で財務や法務、人事といったさまざまな観点からリスク調査を進めていきます。

主な方法は、資料による分析と現地調査の2種類です。

太陽光発電におけるデューデリジェンスは発電所の価値を測ること

太陽光発電事業におけるデューデリジェンスは、稼働済み太陽光発電所の資産価値に関する調査やリスク評価を指しています。

設置場所の災害リスクや太陽光発電関連の法令遵守に関する状況、設備の劣化、仕様書をはじめとした図面の保管状況など、さまざまな現場状況やリスクは、調査・公開されていなければ、実際に購入するまで確認することができません。

そのためセカンダリー市場では、デューデリジェンスをベースにした資産価値の測定やリスク評価が求められています。

なぜ太陽光発電のデューデリジェンスが重要視され始めているのか?

最近では太陽光発電のセカンダリー市場の活発化に伴い、太陽光発電事業でもデューデリジェンスが重要視されつつあります。それでは、太陽光発電事業でデューデリジェンスが重要視されている理由を詳しく紹介していきます。

セカンダリー市場での取引事例が増えてきた

太陽光発電のセカンダリー市場では取引事例が増えてきているため、中古太陽光発電物件の売買リスクについても注目され始めています。

FIT制度の固定買取価格は、2012年の制度開始以降下落方向で更新されています。売電事業を行いたい企業にとって中古太陽光発電所は、新規設置より高い固定買取価格で売電可能な設備なのです。また購入後すぐに稼働できるため、スピーディに売電事業を始められます。

一方、太陽光発電所を所有している企業の中には、事業整理や利益目標達成などといった理由から、売却や撤去を検討しているケースも出てきています。

このように、売り手と買い手のいずれも増えており、セカンダリー市場での取引が増加しています。さらに売却物件が増えると、その分比較される機会も増えることから、正しくリスク評価された物件の方が信頼されやすい状況といえます。

太陽光発電所全体の価値が求められている

これまで中古太陽光発電所は、シミュレーションによる収益などシンプルな方法で割安・割高などといった判断が行われていました。

しかし太陽光発電所の資産価値は、収益だけでなく固定買取期間や近隣の住民や企業、自治会との関係性、課税負担、設置場所の災害リスク、法令に沿った設置運用状況などの情報を含めた総合的な評価で決まります。

太陽光発電所の所有者はデューデリジェンスを実施することで、買い手からは見えないリスクを明確かつわかりやすく示せますし、資産価値や信頼性アップにつながる可能性もあります。

そのためデューデリジェンスは、太陽光発電事業における重要な指標として認識されているのです。

太陽光発電のデューデリジェンス実施には太陽光発電事業の評価ガイドがポイント

太陽光発電のデューデリジェンスを実施する時は、太陽光発電事業の評価ガイドを活用してみるのがいいでしょう。

太陽光発電事業の評価ガイドは、太陽光発電協会を中心に関連団体などがつくった太陽光発電のデューデリジェンスに役立つ評価方法です。

地上設置型太陽光発電や屋根設置型太陽光発電の構造に関する評価方法をはじめ、評価報告書の作成方法などがガイドに記載されています。他に、保守点検の評価方法や資産価値を保つための評価や注意点についても解説されているので、資産価値向上につながる内容でもあります。

資料は、太陽光発電協会ホームページにある「太陽光発電事業の評価ガイド」についてというページからダウンロードできます。

太陽光発電事業の評価ガイドに沿ったデューデリジェンスの方法

太陽光発電所を売却する時は、太陽光発電事業の評価ガイドを活用しながら資産価値を評価していくといいでしょう。続いては、「太陽光発電の評価ガイド」を活用したデューデリジェンスの方法についてわかりやすく紹介していきます。

太陽光発電所の評価項目を整理

デューデリジェンスを始める前に、太陽光発電所の評価項目と事業ID、所在地を整理してください。

太陽光発電には、設備設計から設置、運用管理など工程ごとにリスクがあります。また、設置場所の土地、太陽光パネルやパワーコンディショナ、接続箱などの各機器にも、買い手にとって必要な情報が含まれています。

評価項目を整理する時は、「太陽光発電の評価ガイド」の評価項目リストを参考に確認するのがおすすめです。評価項目リストには、発電や送電に関する確認項目や、事業計画策定ガイドラインに沿っているかを確認するための項目、太陽光パネルや架台をはじめとした機器類に関する項目などが網羅されています。

あとは、評価リストの全項目もしくは自社の評価に必要な項目を確認し、調査していく流れです。

必要書類の準備と現地調査による1次評価を実施

自社の太陽光発電所に必要な評価項目と評価深度をまとめたら、1次評価を実施していきます。(評価深度:1次評価のみ、もしくは2次評価まで行うのかといった点を決めること)

「太陽光発電の評価ガイド」における1次評価の内容は、現地での目視確認や図書(仕様書や契約書、設計図をはじめとした書類や図面)によるリスクや現状のチェックです。

図書による確認とは、現地へ赴かずに確認可能な項目のことです。

たとえば、太陽光発電の施工計画書や仕様書、単線結線図といった書類の有無は、現地へ赴かずとも確認できます。一方、架台や太陽光パネルの固定状況や太陽光パネルの角度といった設備の現況は、現地へ赴き目視で確認する必要があります。

必要に応じてより詳細な現地調査(2次評価)を実施

1次評価で確認しきれなかった、また事前に2次評価として選択していた項目は、1次評価の完了後に確認していきます。

「太陽光発電の評価ガイド」における2次評価は、現地での詳細な測定や確認作業が主な内容です。また作業内容によっては、有資格者でなければ対応できないケースもあります。

たとえば太陽電池の電極や設置状態は、有資格者でなければ測定や確認ができません。施工販売業者やO&Mサービスは太陽光発電の保守点検に対応しているので、早めに点検および評価作業について相談しましょう。

評価結果の整理と報告

評価作業を完了させたあとは、評価結果をもとにレポートを作成していきましょう。

1次評価の結果は、専門家でなくとも理解できるように、わかりやすく端的にまとめるのがポイントです。また評価結果だけでなく、各項目に含まれるリスクに対してどのように対策すればいいのか補足説明するのも大切です。

一方、2次評価のレポートについては、評価を行った担当者名や事業者、施工や保守点検の担当事業者、設置場所の他、評価結果や注意事項などを可能なかぎり詳細に記載する必要があります。

なお、評価報告書の書式は「太陽光発電の評価ガイド」内に掲載されているので、初めて作成する場合でも各内容を整理しながらまとめられます。

太陽光発電所の売却は仲介業者への相談が大切

太陽光発電の売却およびデューデリジェンスは、自社のみで対応することが難しいといえます。そこでおすすめのサービスが、太陽光発電売買の売買仲介サービスです。

最後は、太陽光発電の売買仲介業者へ売却やデューデリジェンスに関する相談を行うべき理由を1つずつ確認していきましょう。

査定から契約手続きまで諸々サポート

太陽光発電の売買仲介業者へ相談した場合、査定から取引まで一括サポートしてくれます。

太陽光発電所の直接取引は、時間と手間のかかる方法です。なぜなら、自社で売却価格を設定したのち、買い手に物件を認知してもらい、交渉や契約書類の準備、トラブル防止策などといった業務に対応しなければいけないためです。

売買仲介業者へ相談しておけば、適正相場に合わせた査定からHPへの物件掲載、買い手との交渉、契約手続きや設備の名義変更、売却後のアフターフォローまで対応してもらえます。

売却価格アップへ向けた施策を提案してもらえる

太陽光発電の売買仲介業者に依頼すると、売却価格アップへ向けた施策の提案や設備の保守点検などのサポートを行ってもらえます。また設備の保守点検や太陽光発電所の資料作成は、デューデリジェンスという点でもメリットの大きなサービスです。

売却額アップや買い手からの信頼性向上のためには、太陽光発電所の状態の改善や購入判断に必要なリスク評価や各種図面を揃えておく必要があります。ただし自社だけでは、有資格者の必要な作業に対応しきれない場合がありますし、事業活動の合間に資料作成や評価作業を進めることは難しい状況です。

調査報告を含め、サポートしてくれる売買仲介業者に相談するのは、売却において重要な点だといえます。

弊社とくとくファームの場合は、太陽光パネルの洗浄や除草作業、発電量の測定や調査報告作業などに無料で対応しています。また買い主様に工事保証を提供しているので、売買成約率の向上についても期待できます。

売却後の税務処理にも対応

売買仲介業者によっては、太陽光発電売却後の税務処理に対応している場合があります。

太陽光発電所を売却したあとは、売却益に対して税金がかかります。そのため、事前に課税負担の計算や確定申告に向けた準備、節税対策などといった作業にも対応する必要があります。

弊社とくとくファームでは、太陽光発電所売却後の税務処理も無料で代行しています。また、個人や法人で課税に関する仕組みなどが異なるので、状況に合った手続きを進められます。税務処理の負担も抑えたい方は、お電話や弊社HPの査定フォームからお気軽にご相談ください。

将来的に太陽光発電を売却するならデューデリジェンスを実行しよう!

将来的に太陽光発電所を売却する可能性がある場合は、「太陽光発電の評価ガイド」をベースにしたデューデリジェンスを進めておくのが大切です。太陽光発電におけるデューデリジェンスは、施工計画や設置場所の環境や安全性、設備状況を客観的な視点からまとめたリスクおよび資産価値に関する調査を指します。

太陽光発電の出口戦略として売却を検討している方や、太陽光発電を売却したいものの準備を進められず悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながら売買仲介業者へ依頼してみてはいかがでしょうか。

とくとくファームは、中古太陽光発電所の査定から物件掲載、売却価格アップへ向けた提案、設備の洗浄、買い手との交渉と契約手続き、売却後の税務処理をワンストップでサポートします。また、最短3日程度で現金化できるため、スピーディに売却したい方もご利用しやすい内容となっています。

お電話による売却相談の他、30秒で査定可能なかんたん査定サービス、詳細な査定内容を把握可能なしっかり査定、資産価値を確認できる確認サービスなど、複数の方法からご希望の方法をお選びいただけます。まずはお気軽にご相談ください。

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