2012年のFIT制度開始以降、太陽光発電を活用した売電および売電収入に注目が集まりました。しかし、FIT制度の固定買取価格は年々低下していき、2012年は「40円+税/kWh」だったのが、2023年では「10円+税/kWh」と30円も下落しました。(※出力10kW以上50kW未満の設備に適用される買取価格)
太陽光発電の導入を検討している企業や個人の多くは、固定買取価格の高い中古太陽光発電所を探しています。つまり、固定買取期間の残ったFIT型中古太陽光発電を所有している方は、高い金額で売却しやすい状況だといえます。
そこで今回は、中古太陽光発電の売却方法や2023年の状況、売却価格を上げる方法についてわかりやすく紹介します。FIT型太陽光発電の売却を検討している方や太陽光発電の売却市場について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電の売却方法
太陽光発電設備の主な売却方法は3種類あります。以下にそれぞれの売却方法を紹介します。
売却方法 | 概要 |
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売主から買主へ直接売却 |
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買取業者への売却 |
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仲介業者を通じて売却 |
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現実的な方法として考えられるのは、「買取業者への売却」または 「仲介業者を通じて売却」の2種類です。
買主との直接交渉・契約手続きを選択してしまうと、契約書類の用意や名義変更手続きを含め、1から準備を進めなければいけません。また、トラブルに発展した場合にリスクが高い方法でもあります。
そのため、売却へ向けた手間や負担の省略、リスクを避けるという意味でも、太陽光発電の仲介業者に相談するのがおすすめの方法です。
2023年は太陽光発電を売却しやすい?
太陽光発電設備の売却を考えている方の多くは、そもそも2023年に売却すべきなのか、セカンダリー市場や太陽光発電業界の状況について気になっているのではないでしょうか。ここからは、2023年は太陽光発電設備を売却しやすい環境なのかどうかについて解説していきます。
セカンダリー市場は需要の高い状況
太陽光発電のセカンダリー市場とは、中古太陽光発電が売買されている市場のことです。セカンダリー市場の需要は引き続き高く、高利回りの物件も複数販売されています。
セカンダリー市場で販売されている物件情報には、利回りや過去の発電量、年間の売電収入、どのような手数料がかかるのかなど、さまざまな情報が掲載されています。新規設備よりシミュレーションしやすいため、太陽光発電で売電収入を得たい・収益を伸ばしたい方にとってメリットがあります。
弊社とくとくファームでは、稼働済み中古太陽光発電所の売却物件を全国各地から集めており、300件以上掲載しています。また設備規模に関しては、出力10kW以上の低圧区分から出力2,000kW以上の特別高圧まで取り扱っており、予算や売電収入に合わせて物件を選択しやすいのが特長です。
ご相談をいただいた場合は専任の担当者がご希望のプランに合った物件を探し、現地調査を行った上でご提案いたします。気になる方は、ぜひこの機会にご相談ください。
半導体不足などで中古太陽光発電の需要増加が見込める
2023年4月時点では、さまざまな理由から半導体不足が続いています。半導体不足の主な理由は、新型コロナウイルスとロシアによるウクライナ侵攻です。
新型コロナによるロックダウンからの経済活動再開で、世界的に半導体需要急増
資源国のロシアと西側諸国の間で貿易がストップ など
特にウクライナ侵攻は、いまだに出口が見えません。そのため、半導体不足がさらに深刻化する可能性もあります。
太陽光パネルやパワーコンディショナなどは半導体が組み込まれた製品なので、在庫不足に陥る可能性があります。そのため太陽光発電事業を行う個人や企業の中には、太陽光パネルなどの製品不足を懸念して、新規設置ではなく中古太陽光発電を検討しているケースもあります。
中古太陽光発電の需要は依然と高く、売却しやすい状況といえます。なお、半導体メーカーは生産量を強化しているため、2023年前半に在庫不足が解消される見込みです。
FIT法のさらなる改正も可能性ゼロではない
FIT法のさらなる改正で新規FIT認定のハードルが高くなった場合は、中古太陽光発電の需要はより高まる可能性があります。国では、再生可能エネルギー設備の自立に向けて、少しずつFIT制度の変更や規制強化などを進めています。
たとえば、2020年度に行われた自家消費要件の追加という制度変更では、出力10kW以上50kW未満の太陽光発電に対して、自家消費率30%以上という要件が定められました。つまり、2020年4月1日以降に出力10kW以上50kW未満の太陽光発電でFIT認定を受けた場合、発電した電気の全てを売電することができないというルールです。
ただし、改正前にFIT認定を受けた出力10kW以上50kW未満の太陽光発電は、引き続き全量買取を選択できます。
そのため、FIT法の改正前にFIT認定および稼働が始まった太陽光発電は、売電収入という点でメリットの多い設備といえます。
今後さらにFIT法改正が行われ、なおかつ改正前より厳しい要件になるようであれば、太陽光発電の売却にさらに追い風が吹くことでしょう。
出力抑制ルールが変更された
出力抑制ルールが変更されたことで売電収益の減少について心配している方は、太陽光発電の売却を検討してみるのもおすすめです。
電力の需要と供給量のバランスが崩れてしまうと、発電所は停止してしまいます。そのため大手電力会社では、電力供給量を調整するために出力抑制を実施することがあります。
出力抑制を要請された地域では、指定された日時まで発電および売電ができません。
今まで対象の太陽光発電設備は、出力500kWを超える設備のみでした。
しかし、2022年の再エネ特措法改正によって出力抑制ルールが変わり、出力10kW以上の太陽光発電も出力抑制の対象に含まれるようになりました。
太陽光発電の売却額は、発電量や売電収入の実績などで決まります。そのため、出力抑制の要請によって売電収入が減少すると、売却額の低下につながります。
出力抑制の行われやすい地域で太陽光発電を稼働している方の中で売却額を下げたくない方は、早めの売却を検討するのがいいかもしれません。
太陽光発電の売却価格に関する相場
太陽光発電の売却価格は、立地や出力、設備状況、固定買取価格など、さまざまな項目から決められます。
弊社とくとくファームで取り扱っている某物件の場合は、利回り10~12%程度の水準で販売・交渉されています。たとえば出力約82kWの太陽光発電物件は、利回り10.1%、販売価格約1,600万円でした。
中古太陽光発電の需要は今後も一定の水準で保たれると予測され、利回り10%前後の水準で販売価格を設定することは可能といえるでしょう。
太陽光発電の売却価格がどのように決められるのか
ここからは、太陽光発電の売却価格がどのように決められているのか確認していきましょう。
残りのFIT期間と売電実績から計算
太陽光発電の仲介業者では、稼働済み中古太陽光発電所の売電収入に関する実績と固定買取期間の年数を軸に査定額を計算していきます。
中古太陽光発電を売却する場合に重視されるポイントは、残りの固定買取期間でどの程度の売電収入を見込めるかという点です。一般的には、利回り10%前後の販売価格で計算されます。
たとえば、年間の売電収入100万円であれば1,000万円前後の売却価格で査定されますし、同じ出力で売電収入200万円ならその倍の売却価格で売れる可能性があります。
査定項目の詳細については、当サイトの下記関連記事からもご確認ください
土地の固定資産税をはじめとした維持管理費を考慮
土地付き太陽光発電所の査定時は、土地の固定資産税や維持関費用なども考慮されます。
土地の固定資産税は、年間1万円や10万円以上のケースなど土地の評価額や面積によって変わります。なお、固定資産税の安い太陽光発電は売却額をアップしやすい傾向だといえます。なぜなら、固定資産税の負担を抑えられるためです。
太陽光発電の売却価格が下がる・売却しにくいケース
続いては、太陽光発電設備の売却価格が下がってしまうケースや売却しにくいケースについて解説します。
自然災害リスクの高い場所に設置
地盤の弱い土地や台風の被害に遭いやすい土地など、災害リスクの高い土地に設置されていると売却が難しい場合もあります。
自然災害リスクの高い土地ということは、その分故障や破損による損害、撤去による事業計画の中止など、さまざまなリスクにつながります。そのため、太陽光発電投資家や企業は、まず立地を確認し、購入候補として加えるべきか検討していきます。
また売買仲介サービスは、安全性も考慮しながら売却可能かどうか判断します。
出力抑制されやすい地域に設置
出力抑制されやすい地域に太陽光発電を設置している場合も、売却額の低下につながる可能性があります。また買い手がつきにくく、売却の難しい物件でもあります。
特に九州電力管内では、過去に何度か出力抑制が実行されています。
出力抑制は売電収入が低下しますし、買い手にとって購入をためらう要素の1つです。
とくとくファームでは、買い手のつきやすい物件へ改善できるよう、メンテナンスや洗浄の他、さまざまな方法で太陽光発電所の価値を高めていきます。他社では査定額を低く設定されてしまっている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
専任の担当者が、売却額アップへ向けた施策をご提案します。
保守点検が行われていない・頻度が低く補修の必要な状態
保守点検が行われていない設備や、ずさんな維持管理方法で運用されてきた太陽光発電所は、査定額を低く見積もられてしまいます。
太陽光発電所の価値は、売電収入や発電量に加えて設備の管理状況や状態も含まれます。修繕の必要な太陽光発電は、買い手にとって購入後の修理・メンテナンス費用負担という点でデメリットになります。
故障している箇所や発電効率の低下している状況が続いている場合は、早急に保守点検や修理を依頼しましょう。
防犯対策が不足している
防犯対策不足の太陽光発電所では、売却額が下がってしまう可能性もあります。
太陽光パネルやケーブル、各種機器に含まれる基盤などは、犯罪組織にとっては海外などに高く売れる絶好の素材です。そのため、太陽光発電所は狙われやすい設備でもあります。
また、防犯対策のされていない太陽光発電所は、買い手から見るとハイリスクな物件といえます。
太陽光発電所を高く売却したい場合は、フェンスやセンサーライト、フェンスセンサー、警備システムなどを導入するのが大切です。
太陽光発電の売却額を上げるには?
太陽光発電の売却額をアップさせるには、設備状況の調査や交渉に長けた仲介業者に相談するのが重要です。
メンテナンスや修繕まで対応してくれる業者に相談できれば、太陽光パネルの洗浄や周辺の清掃、発電効率の調査や機器の交換や修繕まで一括で行ってもらえます。
また、発電・売電実績、設備の仕様など、さまざまな資料の準備は、買い手に安心感を与えます。
太陽光発電の売却を検討している方は、保守点検まで対応してくれる業者を探すこと、信頼性を高めるための資料の準備などをしておきましょう。
太陽光発電の売買仲介サービスを比較する際のポイント
最後は、太陽光発電の売買仲介サービスを比較する際に押さえておくべきポイントを紹介していきます。
仲介実績豊富かどうか
売買仲介実績の豊富な業者への依頼を検討することが、優良サービスを見つけるために重要なポイントです。
実績豊富な業者は、さまざまな種類の太陽光発電所を査定していますし、買い手との交渉にも慣れています。また、太陽光発電所の売却額がどのようなケースで引き上げられるのか、それとも下がるのかについても熟知しています。
そのため売却を依頼する際は、査定だけでなく売却額アップへ向けた具体的な提案をしてもらえたり、メンテナンスや補修作業などを行ってもらえたりします。
仲介手数料などのコストが抑えられている
太陽光発電の売買仲介サービスを比較する際は、仲介手数料をはじめとしたコストの項目やその有無を確認しておきましょう。
優良業者は、契約書類や名義変更手続き、仲介手数料、物件掲載料などの費用を抑えています。そのため、見積りの際に複数の手数料が含まれている場合は、他の業者と比較しながら慎重に検討する必要もあります。
なお、弊社とくとくファームの場合は、仲介手数料や物件情報の掲載料0円で売買仲介サポートを行っています。
売却後の税務処理に対応している
売買仲介サービスを比較する際は、税務処理をサポートしてくれるか確認しておきましょう。
太陽光発電所を売却したあとは、売却益に対して税金がかかりますし、税務処理に関する手続きも必要です。税務処理未経験の個人にとっては負担の大きい内容です。また企業の場合はリソースを割かれてしまうため、事業に影響を与えることがあるかもしれません。
そのため、税務処理を含めたアフターフォローの充実したサービスへ依頼するのが、負担軽減という点で重要なポイントです。
2023年は太陽光発電を売却しやすい!仲介業者への相談がおすすめ!
半導体不足や2022年の出力抑制ルール変更などによって、2023年は太陽光発電所の売却に適した時期でもあります。
また太陽光発電を売却する場合、直接取引ではなく仲介業者に相談するのが大切です。仲介業者を通すと、契約手続きや物件情報の整理掲載などあらゆるサポートを行ってもらえます。
資金調達のために太陽光発電を売却したい方や太陽光発電の売却について悩んでいる方は、今回の記事を参考に仲介業者への売却を検討してみてはいかがでしょうか?
弊社とくとくファームでは、中古太陽光発電所の買取や売却の仲介サービスを提供しています。買取の場合は、弊社担当者が査定から現金化の手続きを最短3日で対応いたします。
仲介の場合は、専任の担当者が物件情報の収集と現地調査、物件情報の掲載、買い手との交渉と契約手続きといったサポートを行います。また、売却後は税務処理まで対応いたしますので、売却にかかるあらゆる負担を軽減できます。
少しでも売却に関心をお持ちの方は、メールやお電話、無料の個別セミナーよりお問い合わせください。個別セミナーでは、太陽光発電投資の基礎から売却に重要なポイントまでを丁寧にご説明いたします。