太陽光発電の売却について徹底解説

太陽光発電の売却について徹底解説

目次

2012年のFIT制度開始により、太陽光発電による売電収入を見込んだ設備投資が注目されました。産業向け発電設備(10kW以上)でFIT制度の認可を受けた場合、認可を受けた年から20年間、認定時に定められた買取価格が変動せず継続します。そのため、買取価格が高い発電設備は事業収益、及び投資物件として高い価値があります。

一方、FIT制度における買取価格は年々低下しています。具体的には2012年に認定を受けた産業用太陽光発電発電(10kW以上クラス)の調達価格は「40円+税/kWh」でしたが、2020年に認定を受けた場合は「13円+税/kWh」に下がっています。2021年以降はFIT制度そのものが見直される予定で、将来の収益が予測しにくい状況です。(*1) (*2)

つまり、買取価格の高く、買取期間満了までの期間が長い中古の太陽光発電設備は、価値が高く魅力的な物件といえます。そのため、中古太陽光発電設備の売買が活発化しています。本記事では、太陽光発電設備の売却に関する情報を徹底解説します。

太陽光発電の売却が増加傾向

太陽光発電の売却が増加し、中古市場が大きくなっている理由として、FIT制度における買取価格低下により、買取価格の高い中古物件の価値が高まっていることが挙げられます。また、買取期間満了後の売電価格、自家消費型へ転換する際に発生する費用発生などの懸念もあります。

FIT制度の仕組みと課題

FIT制度とは、脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーによる発電を促進する制度で、2012年から施行されました。大手電力会社などが、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスから発電された電力を「一定の価格で一定の期間」買い取ることを義務として負うことにより、再エネ発電の導入を促進する制度です。産業向け太陽光発電設備(10kW以上)の場合、住宅向け太陽光発電設備(10kW未満)の10年間より長い、20年間の買取期間が設定されていま。なお、電力の買取の原資は、国民の支払う電気料金に上乗せされる「再エネ賦課金」が充当されます。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギー 固定価格買取制度ガイドブック 2020年度版」(*3)

FIT制度により再生可能エネルギー発電による事業収益が見込めるようになり、導入する事業者が増加しました。結果、国内の電源構成において、再生可能エネルギーの比率は、9%(2010年)から16.9%(2018年速報値)に増加しています。2030年には22~24%程度を目指しています。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギー 固定価格買取制度ガイドブック 2020年度版」(*3)

再生可能エネルギーによる発電施設の更なる導入拡大において、課題の1つが電力の買取費用の増大です。つまり、現状のFIT制度では再エネ賦課金が年々増大し、国民負担がさらに大きくなってしまいます。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 「改正FIT法による制度改正について」 (*4)

FIT制度による買取価格の推移

FIT制度の元、認可年度毎の買取価格は毎年更新されています。再生可能エネルギーによる発電コストの低下、及び再エネ賦課金の増加抑制を考慮して、買取価格は年々低下しています。下のグラフは、産業向け10kWクラスの発電施設の買取価格の推移を示しています。

2015年:4/1~6/30認定分は29円、7/1以降は27円
出典:経済産業省 資源エネルギー庁のウェブサイトのデータから筆者作成 (*1) (*2)

買取価格の低下にともない、買取価格が高く、買取期間が長く残っている中古太陽光発電設備は、事業収益面、投資面で価値が高く、魅力的な物件といえます。そのため、太陽光発電設備の中古売買市場に注目が集まっています。

ポストFITの対応

FIT制度における、2019年の買取費用総額は約3.6兆円、再エネ賦課金総額は2.4兆円に達しています。再生可能エネルギーによる発電を促進しつつ、再エネ賦課金の増加を抑制するため、2021年以降のFIT制度は大きく変化する可能性があります。 (*5)

2021年以降の制度の在り方はまだ確定していませんが、買取価格の据え置きは困難だと思われます。そこで、太陽光発電事業者としては、FIT制度による買取期間が満了した後の今後の運用を今から検討しなければなりません。具体的には下記の3つのケースの内、どれかを選択することになります。

【ケース1】 自由契約で売電

本記事は産業向け太陽光発電(10kW以上)を対象に記載していますが、【ケース1】では、2019年から買取期間満了後の対応が始まった住宅向け太陽光発電設備(10kW未満)を先行事例として紹介します。

固定買取制度が満了した後も、継続して売電することが可能です。決して売電できなくなることはありません。経済産業省からも「固定価格による買取が満了したあとは、0円買取になるので・・・」という悪徳セールスに気を付けるように注意喚起しています(*6)。

しかしながら、1kWhあたりの買取価格が大きく下がってしまいます。大手電力会社の固定価格による買取期間満了後の買取価格は次の通りです。再エネ賦課金ではなく、各電力会社からの出資で買取が行われますので、買取価格が下がるのは当然です。

出典:(*7)~(*16)のウェブサイトより筆者作成。買取価格は消費税込み。

【ケース2】自家消費型への転換

発電した電力を売電するのではなく、自ら消費することにより電気料金を節約して、事実上の収益を増やす方向に転換します。

産業用太陽光発電設備の多くは売電事業を行っているため、自家消費への転換を行う際には、パワコンと建物のブレーカーとの接続工事が必要です。多くのケースでブレーカーの容量アップが必要になるので、ブレーカーの購入と交換も行うことになります。また、契約アンペア数が大きくなり、基本料金が上がるかどうかも確認する必要があります。また、自家消費型のメリットをより大きくするためには、蓄電池の導入も必要になります

【ケース3】中古物件として売却

太陽光発電設備の中古市場では、FIT制度による買取価格が高く、買取期間の残り期間が長い物件ほど高く売却できます。よって、固定買取期間後の売電収益を考えていない場合、自家発電型への転換を考えていない場合、または新ビジネスへの資金準備が必要な場合は、設備の売却も有効な手段です。

太陽光発電における2019年問題とは

FIT制度は2012年から施行されましたが、太陽光発電の電力買取制度は2009年から始まりました。住宅向け設備の場合は買取期間10年なので、2019年に買取期間を満了します。2019年に買取期間を満了する件数は53万件で、2019年以降は48円/kWhでの売電ができなくなります。大手電力会社の買取期間満了後の買取価格は7~8円//kWhですので、売電だけでなく、発電した電力を自ら消費して電気料金を抑える工夫が大切です。(*17)

自家消費型太陽光発電において、住宅向け設備だけでなく、事業向け設備でも有効な工夫は次の通りです。

  • 蓄電池に太陽光で発電した電気を蓄え、夜間に消費する
  • 蓄電池に太陽光で発電した電気でプラグインハイブリッド車、電気自動車の充電を行い、燃料費を節約する

太陽光発電における2029年問題とは

FIT制度施行前の2009年から実施されいた太陽光発電の電力買取制度は、産業向け発電設備にも適用されました。産業向け場合、買取期間が20年ですので、2029年以降、順次満了を迎える事業者が増えてきます。住宅向けの2019年問題と違い、事業者が対象の2029年問題は、できるだけ早めに太陽光発電設備の処置を検討しておくことが大切です。具体的には、先の「ポストFITの対応」で記載した、「自由契約で売電」、「自家消費型への転換」、「中古物件として売却」の比較検討を行います。「中古物件として売却」する場合、売却時期が早い方が高値で売却できます。

太陽光発電を売却するメリットとデメリット

本章より以降では「中古物件として売却」について詳しく解説します。最初に太陽光発電を売却するメリットとデメリットについて記載します。太陽光発電の中古物件の売買は、買主にも売主にもメリットがあります。

太陽光発電売却における売主のメリット

太陽光発電設備の導入は、売電による収益化だけでなく、減価償却による税金対策にも利用されています。減価償却が完了、つまり経費としての計上が完了した後は、事業収益上のメリットが小さくなります。すなわち、中古物件として売却する1つのタイミングと言えます。

また売却により太陽光発電設備を現金化できるため、新たなビジネスを行うための資金を得る事ができます。加えて、太陽光発電設備を維持費用(保険代、メンテンナンスコスト)、及び設備処分の費用から解放されます。

太陽光発電売却における買主のメリット

中古の太陽光発電設備の購入は買主にもメリットがあります。最も大きなメリットは新規設備の導入より、初期費用を抑えられる点です。初期費用の高さで太陽光発電の導入をあきらめている事業者にとって、中古物件による導入は魅力的です。

購入後すぐに稼働できる点も大きなメリットです。新規導入の場合、認定や補助金の事務手続き、設置工事などによりすぐに稼働させることができません。

またFIT制度の認可年によっては高い買取価格で売電可能です。新規であれば13円/kWh(10kW以上、2020年度認可での買取価格)での買取価格になってしまいます。さらに中古物件の場合、過去の売電実績から購入後の収益を正確に把握できます。中古物件のメリットとして、設備運用における不具合の程度、及び維持管理費用を事前に把握できる点も見逃せません。草木の成長などの環境要因、近隣住民とのトラブル有無などが既に明らかになっていると、これから運用を始める買主にとって大きな安心材料です。

出典:株式会社三菱総合研究所 「平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)」(*18)

太陽光発電売却における買主のデメリット

前述の通り、太陽光発電の売却は売主と買主のどちらにもメリットがあります。加えて買主のデメリットも把握しておきましょう。

  • 中古物件ではFIT制度による買取期間20年から少ない期間になる
  • 設備の経年劣化によりメンテナンス費用が大きくなるリスクがある
  • 設備導入の際、税制優遇や補助金制度が利用できない

中古物件を購入する際は信頼できる専門の業者と相談し、デメリットへの対策を検討しておきましょう。

太陽光発電の売却方法

太陽光発電設備の売却方法は次の3通りがあります。しかしながら、「買取業者への売却」か 「仲介業者を通じて売却する」方法が現実的な方法です。仲介と買取のどちらも対応できる業者に依頼すると、売主の状況に応じて柔軟な対応が可能です。※和上ホールディングスは、買取も仲介も対応しております

売主から買主へ直接売却する

事務手続きだけを考えると、売主から買主へ直接売却できますが、売主が買主を探さなければなりません。また買主が見つかったとしても、価格交渉、所有者移転に必要な事務処理のすべてを自ら行う必要あります。また、移転後のトラブル対応が発生するリスクもあり、現実的ではありません。

買取業者への売却

買主がみつからなくても、一旦業者が太陽光発電設備一式を買い取る方法です。売主にとってはすぐに現金化できるメリットがあります。ただし、買主が見つかってから売却する方法(次に説明)と比較して、売却価格が安くなってしまいます。

仲介業者を通じて売却する

仲介業者に売却を依頼して買主を探してもらい、買主が見つかったら実際に売却する方法です。特に高めで売却したい場合は、買主とのマッチングに時間がかかることがあります。しかし、売却を急いでいない場合は一般的な売却方であり、適正な価格で売却できます。所有者移転に必要、かつ複雑な手続きもスムースに行うことができます。

太陽光発電を売却する際の査定項目

買主にとってメリットが大きい物件ほど高く売却できます。高く売却できるよう、本章で説明する査定項目を整理して、信頼できる買取業者or仲介業者と相談しましょう。買い手のニーズを把握している専門業者からのアドバイスにより、物件の価値を少しでも高めることができます。

なお、太陽光発電協会から「太陽光発電事業の評価ガイド」(*19)が公表されています。本ガイドには、太陽光発電を健全に運営するための情報がまとめられています。つまり、中古で売却するときにも参考になります。

太陽光発電の売電実績

太陽光発電設備の稼働状況、天候、電力会社による出力制御など、設備の運営に関するすべての結果が売電実績に反映されます。また、買主にとっても収益予想を行う重要なデータです。日々の発電・売電実績を日照状況と合わせてまとめておきましょう。

太陽光発電売却後の売電収入

中古物件の買主にとって、購入後の発電停止トラブルを少しでも回避したいと考えます。そこで、これまでの設備の定期点検の結果を整理して確認しやすいようにまとめておきましょう。一般的に運用期間が長いと、機器の摩耗や消耗等の経年劣化により故障発生率は高くなります。よって、部品の交換履歴などが記録されている書類(点検記録など)は買主にとって重要な資料と言えます。

太陽光発電設備の点検記録

中古物件の買主にとって、購入後の発電停止トラブルを少しでも回避したいと考えます。そこで、これまでの設備の定期点検の結果を整理して確認しやすいようにまとめておきましょう。一般的に運用期間が長いと、機器の摩耗や消耗等の経年劣化により故障発生率は高くなります。よって、部品の交換履歴などが記録されている書類(点検記録など)は買主にとって重要な資料と言えます。

太陽光発電設備の不具合有無

太陽光発電設備の不具合の要因は、大きく「設計・施行要因」と「維持や管理」に分類できます。例えば、前者は「想定される強風、積雪、地震に対する強度不足」などが相当します(*20)。後者は、「鳥類の落石によるモジュール破損」、「落雷起因のパワコン停止」などが相当します(*18)。いずれも売却前に修理や部材の交換等を行い、売却価格を下げない対策をした方がよいでしょう。

出典:株式会社三菱総合研究所 「平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)」(*18)

太陽光発電運用期間の出力制御状況

電力供給系統の安定稼働のためには、常に需要と供給のバランスを維持する必要があります。供給が需要を上回る状況が発生した場合、電力系統が不安定になり、最悪の場合停電が発生します。まずは揚水式水力発電、火力発電の出力抑制を実施しますが、それでも供給過剰が解消されない場合、太陽光発電設備に対して出力制御が行われます。

太陽光発電事業者は出力制御に協力する義務があります。しかしながら、出力制御は売電機会の損失となります。つまり、出力制御状況は売買における重要なデータです。(出力制御については、後ほど詳しく説明します)

近隣トラブル等の有無

新規で太陽光設備を導入する場合、十分な調査を行ったとしても、近隣トラブルが発生してしまうリスクがあります。近隣トラブルの事例をピックアップします。

  • パワコンの動作音
  • 施設からの雨水や土砂の流出
  • 太陽光パネルから落下する雪
  • 地すべりなどの防災上の問題
  • 土地境界のトラブル
  • 景観問題(発電施設起因、成長した草木起因)
  • 太陽光パネルの反射光(光害
  • フェンスがなく子供が施設に侵入

など
中古物件の場合、稼働中の近隣トラブルがなければ、買主としては大きな安心材料です。近隣トラブルがあった場合は、どのような折衝を行っているか、どのように解決したのか明確にしておきましょう。

太陽光発電の設置環境

「設計・施行段階」で地耐力等を十分に検討したとしても、地震、大雨、地下水が原因で造成が崩れるケースなど想定外の不具合が発生することがあります。信頼できる業者と相談して、設置環境に懸念点がないか明確にしておきましょう。

なお、草木の成長による発電量低下や発電設備破損はよくあるトラブル事例です。有効な対策として、除草剤の散布やシートの設置があります。売却前に対応しておくと物件の価値が高まります。

太陽光発電設備の遠隔監視装置

遠隔監視装置は、トラブルの発見の早期化、及び運転停止期間の短縮に有効であり、導入していれば物件の価値が高まります。

遠隔監視装置があれば、パワコン単位の発電量、ストリング単位の発電量、日射量・気温、パワコン異常アラート、発電量低下アラート、発電停止アラートなどがほぼリアルタイムに監視できます。これらのデータの推移を確認することにより、発電停止などの不具合発生前に適切な処置を行うことができます。

太陽光発電に関連する保険や保証

産業向け発電設備の場合、FIT制度による買取期間は20年の長期間となります。そのため、発電設備の稼働も20年かそれ以上の期間の稼働を想定し、保険や保証の契約を行っていることが多いです。売却の際には、パワコンなどのユニットごとの保証、発電施設全体に対しての保険について、内容と費用を整理しておきましょう。

太陽光発電設備の維持管理契約

太陽光発電施設のメンテナンス契約とは、定期点検、不具合検知時の駆け付け対応、故障時の修理対応、パネル洗浄、除草作業、発電量モニタリングなどを業者に依頼する契約です。発電設備の設置会社と同じケースが多いかと思います。長期にわたる維持管理契約を締結してる場合、解約・変更は困難であるため、契約内容と費用を明らかにしておきましょう。

太陽光発電の売却で発生する税金

基本的な考えとして、「売却時の価値」より高く売却したら、高く売れた分(差額)は課税対象となります。「売却時の価値」とは「発電設備の購入金額-減価償却費の累計」となります。
減価償却費の方法には定額法と定率法があります。また、優遇税制により「購入年度で即時償却」するケースもあります。いずれの場場合においても、

  • 「発電設備の購入金額-減価償却費の累計」よりも売却金額が高い → 売却益
  • 「発電設備の購入金額-減価償却費の累計」よりも売却金額が低い → 売却損

となり、他の事業収益と合算します。合算した金額がプラス、つまり利益が出ている場合は、利益に対して税金がかかります。

なお、購入年度で即時償却した場合は、売却価額すべてが売却益になります。購入年度の経費計上による節税が、売却時の全額利益化するため、相殺される仕組みです。

未稼働案件は太陽光発電の権利の売却が可能

未稼働案件とは、FIT制度による認証を受け、固定価格での売電権利を取得したが、発電所を設置して稼働に至っていない発電設備のことです。

稼働に至らない原因は様々ですが、あえて稼働を遅らせて利回りを上げる行為が問題となっています。つまり、買取価格が高い内に認証を受けておいて、設置費用が下がるのを十分待って設置することにより、利回りを上げる事ができます。

2017年の改正FIT法では、意図的に利回りを大きくする問題に対処するため、10kW以上の産業用太陽光発電の場合は、認証から3年以内に稼働することが義務づけられました。2017年以前に認証を受けた案件は「みなし認定」を受け、みなし認定に移行した時点から6カ月以内に、改めて事業計画を提出する必要があります。稼働が遅れれば、買取期間を短縮する仕組みも導入されました。

そのため、未稼働案件を保有している事業者は、稼働に向けて準備を進めるか、FIT制度の権利付きの土地を売るかの判断を行う必要があります。

中古太陽光発電設備物件の見方

本章では、物件情報で見られる項目について解説します。太陽光発電発電設備を売却する際、購入する際には正しく理解しておきましょう。また実質利回りなど、業者により仮定や計算が違うことがありますので、比較するときは注意しましょう。

所在地

単に物件の場所を把握するだけでなく、電力系統を管轄する電力会社の出力制御の状況、FIT制度満了後の買取価格、日射量、契約可能な新電力事業者などを事前に調査できます。また、見学前にGoogle Earth等の無料ツールで設備周辺の様子を確認できます。

【出力制御の状況】

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/grid/04_01.html#koukai05

【日射量】

NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)
https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html

【新電力会社一覧】

新電力ネット
https://pps-net.org/ppscompany

【Google Earth】

https://www.google.co.jp/intl/ja/earth/

取引形態

中古物件の取引形態には、土地と発電設備を売却・購入する「売買」と、発電設備だけ購入し、土地は借りる形態の「賃貸」があります。それぞれ、メリットとデメリットがあります。一般的に、売主、買主とも、売電事業後の活用計画に応じて「売買」か「賃貸」を選択します。下記は買主の立場でのメリットとデメリットをまとめています。

売電価格

FIT制度で認可を受けた1kWhあたりの買取価格です。売電価格が高い方が物件として価値がありますが、同時に買取期間は短くなります。

システム容量

太陽光発電がどれだけ発電できるかの指標で、単位はkW(1kW=1000W)です。設置されている太陽光パネルの1枚あたりの公称最大出力(単位:W)と太陽光パネルの設置枚数を乗じた値が太陽光パネルの総出力であり、システム容量です。

なお、直流の電気を交流に変換するパワコンの性能に容量があります。複数のパワコンが設置されている場合は、パワコン容量の合計値が計算できます。パワコン容量の合計値が太陽光パネルの総出力より小さければ、パワコン容量の合計値がシステム容量となります。

なお、多くの場合、「太陽光パネルの総出力>パワコン容量の合計値」で発電システムを設計します。高温時の発電効率低下、パワコン損失、パネルの汚れなどにより、太陽光パネルの公称最大出力より、実際の出力が小さくなるからです。もし「太陽光パネルの総出力=パワコン容量の合計値」で設計すると、パワコン設備の費用がアップして余分な費用が発生してしまいます。

システム価格

太陽光パネル、蓄電池、パネル設置工事、配線工事、パワコン、モニターなど、設備と工事一式の価格をシステム価格といいます。土地代は含みません。なお、システム価格を発電能力で割り算した数字、つまり「1kWあたり〇〇万円」は、太陽光発電設備全体の性能を表す指標としてよく利用されます。遠隔監視装置がシステム価格に含まれているかどうかは確認する必要があります。

土地価格

土地を売却する場合は、「通常の売却」と「太陽光用地としての売却」の2つの考え方があります。例えば、「発電以外の用途でも価値がある土地」なのか、「太陽光発電に向いているか他の用途には使えない土地」なのか、「太陽光発電としての価値の程度」など、複数の視点で価格が決まります。

下記の事例の場合は「太陽光発電に向いているか他の用途には使えない土地」と言えます。

  • 土地が広すぎて、一般的な土地の使い方には向いていない場合
  • 人口の少ないエリア
  • 土地の形がいびつ
  • 再建築不可の土地

生涯予想収益

生涯予想収益の計算例を示します。※詳細な計算式、前提条件などは業者に確認しましょう。

  • 年間発電量=平均日射量×ソーラーパネル出力×365日×損失係数
  • 年間収入=年間発電量×買取価格
  • 生涯予想収益=(年間売電収入×稼働年数)― (取得金額+維持費)

表面利回り

中古物件の取引形態には、土地と発電設備を売却・購入する「売買」と、発電設備だけ購入し、土地は借りる形態の「賃貸」があります。それぞれ、メリットとデメリットがあります。一般的に、売主、買主とも、売電事業後の活用計画に応じて「売買」か「賃貸」を選択します。下記は買主の立場でのメリットとデメリットをまとめています。

生涯予想収益

利回りとは、投資金額に対してお金が戻ってくる割合です。1,000万円の太陽光発電に投資して、100万円が得られた場合、100万円÷1,000万円×100=10%の利回りとなります。産業向け太陽光発電で20年間の買取期間の場合、最初の10年で、100万円×10年=1,000万円となり、投資額を回収できます。残り10年で利益を得る計算です。この計算で得られる利回りを「表面利回り」といいます。

・表面利回り = 年間収益÷初期投資費用×100(%)

実際に太陽光発電を運用するとメンテナンスや修理などで費用が発生します。各種保険代も必要です。運用に必要な年間の費用(年間支出)を考慮した利回りを実質利回りといいます。

・実質利回り =(年間収益-年間支出)÷初期費用×100(%)

年間支出はゼロではないので、実質利回りは表面利回りより必ず小さくなります。中古物件の場合、これまでの実質利回りを計算するためのデータが揃っており、購入後の収益を予測する重要な情報といえます。

用地面積

用地面積は発電量とほぼ比例します。つまり、太陽光パネルを多く設置するには土地面積が必要だからです。太陽光パネルのメンテナンスや日射量の確保のため、パネルとパネルの間隔も必要です。さらに、パワコンやフェンス設置にも相応の面積が必要です。

地目

地目とは土地の用途別区分の事です。不動産登記規則の第九十九条には、地目として「田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地」の記載があります。太陽光発電の中古物件でよくみられる地目と注意点は下記の通りです。

雑種地、山林、原野、宅地 宅地なら固定資産税が高くなるケースあり
田、畑 農地転用(農地を農地以外の目的で利用)の申請要

保証・保険

太陽光発電施設は厳しい環境の中で長期間の稼働が求められます。修理や性能維持にはコストが発生するため、下記のような保証・保険があります。

【保証】 太陽光パネルやパワコンなど設備に対する補償

・製品保証 製品の製造上の不具合が原因で、一定の期間(10年など)に損失が発生した場合、その損失を補填します。災害などの製品以外の原因で発生した損失は補填の対象になりません。

・出力保証 太陽光パネルなら発電量、パワコンなら変換効率などを一定の期間(10年など)保証します。製品に内在する原因により、想定外の発電量低下が発生したときに補填されます。停電や雷など製品以外の原因による発電量低下の場合は補填されません。 その他、基礎や架台にも一定期間の保証がつくことがあります。またメーカー保証の他、販売店や施行会社による保証もあります。

【保険】

・災害による設備の故障・破損に対する保険 太陽光発電設備や長期間の間、野外で稼働するため、地震、強風、落雷などの自然災害による発電停止や発電量低下がありえます。

・盗難に対する保険 配線には銅が使われています。一般的に配線は取り外しやすい上に、材料として高く売れるため、実際に配線の盗難が散発しています。

・賠償責任に対する保険 太陽光発電設備の近くに道路、住宅がある場合、強風で太陽光パネルが吹き飛ばされて、人、車、建物に損害を与えるリスクがあります。

・出力抑制による売電損失に対する保険 再生可能エネルギーによる発電設備が増加すると、出力制御が発生する(増加する)可能性があります。法規制上も、出力規制要請の上限が緩和される方向に改正されています。

モジュールメーカー

主な国内メーカーでは、シャープ、京セラ、パナソニック、東芝、三菱電機、ソーラーフロンティア、フジプレアム、ホンダソルテック、ソラキューブ、ループ、長州産業などが挙げられます。海外メーカーでは、サンテックパワー、カナディアン・ソーラー、トリナソーラー、インリーソーラー、Qセルズ、ジンコソーラーなどがあります。他にも多くのメーカーがモジュール(太陽光パネル)を製造・販売しています。太陽光パネルは一度設置すると交換する前提はなく、長期間使用します。売却時に「どのメーカーのどの型番」が使われているのか、買主にとって気になる情報です。

パワコンメーカー

主な国内メーカーは田淵電機、オムロン、安川電機、新電元、三菱電機などです。海外ならSMAなどになりますが、中古物件をみると他にも様々なメーカーのパワコンがあります。太陽光パネル同様、パワコンも一度設置すると交換する前提はなく、売却時は買主にとって「どのメーカーのどの型番」が使われているのか知っておきたい情報です。太陽光発電設備のトラブルの内、パワコン関係は上位を占めます。また近くに住宅等があれば騒音問題のリスクもありますので、重要な設備の1つです。

連系日

中古物件には連携日と呼ばれる項目があり、発電施設のステータス(稼働中、未稼働、即日連係可能など)を示します。一般的に電力系統に接続する手続きには時間がかかるためです。また、連系日より、出力制御の上限設定が変わります(後ほど詳しく説明します)

その他

遠隔監視装置や監視カメラの有無、土地造成の必要性有無、メンテナンス契約の内容など、太陽光発電設備毎の固有の特徴や留意点があれば明らかにしておきます。例えば、保険付きメンテナンスサービスなど、メンテンナンスにより発見された不具合箇所を即座に保険で修理するなど、便利なサービスがあります。また仲介手数料に関しても確認しておくことが大切です。

出力制御と中古物件の関係

出力制御とは、電力の需要と供給のバランスを維持するため、電力会社が太陽光発電などの発電業者に出力停止を要請する仕組みです。もし供給が需要を上回ると周波数が上がり、供給が需要を下回ると周波素が下がってしまいます。周波数が変動してしまうと安全装置が働き、発電所が停止してしまいます。そのため、要請を受けた発電事業者はその要請に従う義務があります。

2018年9月6日3時7分に北海道で発生した最大震度7によって、苫東厚真火力発電所(2号機・4号機)116万kW、風力発電所17万kW、水力発電所43万kW、苫東厚真火力発電所(1号機)30万kWが次々と停止しました。結果、電力供給が大きく低下したため、その後3時25分に北海道エリアにおいて日本初の大規模停電(ブラックアウト)が発生しました。(*21)

一方、再生可能エネルギーの導入が進み、社会全体の省エネが進めば、供給が需要を上回りやすくなります。例えば、九州はは日射量が多くて太陽光発電に適した地域です。そのため、九州電力の管内では出力制御が度々実施されています。2018年度には26回、2019年度には93回(共に九州本土)の出力制御要請が出されています。(*22)

出力制御の要請順番

電力会社は電力の需要と供給のバランスを維持するために、各発電所に出力抑制(停止)の要請が下記順番で行われます。1~3への出力要請でもバランスが維持できなければ、4番目の太陽光発電に出力要請があります。

  • 揚水発電(発電のために水をくみ上げる発電方式)
  • 火力発電
  • バイオマス発電
  • 太陽光発電、風力発電
  • 原子力発電、水力発電、地熱発電

出力制御のルール変更

2015年1月に「再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)」が改定され、出力制御のルールの一部が変更されました。

太陽光発電事業者は電力会社の出力制御要請に従う必要がありますが、売電機会を失い、収益が減ってしまいます。そのため、出力制御要請に上限が設定されています。再エネ特措法施行前は、年間30日を上限とする「30日ルール」でしたが、施行後は年間360時間を上限とする「360時間ルール」に変更されました。1日単位が1時間単位に変更されました。

また電力会社が出力制御枠、つまり接続可能量を超過して太陽光発電を導入する場合、「指定ルール」と呼ばれる、出力制御要請に上限のないルールも適用できるようになりました。

各電力会社の出力制御一覧

出力制御の要請に関する3つのルール(30日ルール、360時間ルール、指定ルール)の適用は、各電力会社で違いがあります。また、接続した時期でも違います。出力制御の上限が緩和される傾向にある中、「(出力制御)対象外」や「30日ルール」の中古物件は大きな価値があります。10kW以上の発電設備について、2020年9月時点の各電力会社の出力制御の要請に関するルールをまとめました。各表の日付は連系日(接続日)です。

◆北海道電力(*23)

  ~2015年1月25日 2015年1月26日~
10kW以上500kW未満 対象外 指定ルール
500kW以上 30日ルール 指定ルール

◆東北電力(*24)

  ~2014年9月30日 2014年10月1日~2015年1月25日 2015年1月26日~
10kW以上500kW未満 対象外 対象外(低圧連系)指定ルール(高圧連系) 指定ルール
500kW以上 30日ルール 指定ルール 指定ルール

◆東京電力(*25) (*26) (*28)

10kW~50kW未満 対象外
  ~2015年3月31日 2015年4月1日~
50kW以上~500kW未満 対象外 360時間ルール
  ~2015年1月25日 2015年1月26日~
500kW以上 30日ルール 360時間ルール

◆中部電力(*26)

10kW~50kW未満 対象外
  ~2015年3月31日 2015年4月1日~
50kW以上~500kW未満 対象外 360時間ルール
  ~2015年1月25日 2015年1月26日~
500kW以上 30日ルール 360時間ルール

◆北陸電力(*27)

  ~2015年3月31日 2015年4月1日~2017年1月23日 2017年1月24日〜
10kW以上500kW未満 対象外 360時間ルール 指定ルール
  ~2015年1月25日 2015年1月26日~2017年1月23日 2017年1月24日~
50kW以上500kW未満 対象外 360時間ルール 指定ルール
500kW以上 30日ルール 360時間ルール 指定ルール

◆関西電力(*28)

10kW~50kW未満 対象外
  ~2015年3月31日 2015年4月1日~
50kW以上~500kW未満 対象外 360時間ルール
  ~2015年1月25日 2015年1月26日~
500kW以上 30日ルール 360時間ルール

◆中国電力(*29)

  ~2015年3月31日 2015年4月1日~2018年7月11日 2018年7月12日〜
10kW以上500kW未満 対象外 360時間ルール 指定ルール
  ~2015年1月25日 2015年4月1日~2018年7月11日 2018年7月12日~
50kW以上500kW未満 対象外 360時間ルール 指定ルール
500kW以上 30日ルール 360時間ルール 指定ルール

◆四国電力(*30)

  ~2014年12月2日 2014年12月3日~2016年1月22日 2016年1月23日~
10kW以上500kW未満 30日ルール(当面は対象外) 360時間ルール 指定ルール
500kW以上 30日ルール 360時間ルール 指定ルール

◆九州電力(*31)

  ~2015年1月25日 2015年1月26日~
10kW以上500kW未満 対象外 指定ルール
500kW以上 30日ルール 指定ルール

◆沖縄電力(*32)

  ~2015年1月25日 2015年1月26日~
10kW以上500kW未満 対象外 360時間ルール
500kW以上 30日ルール 360時間ルール

和上ホールディングスで売却するメリット

太陽光発電設備の売却(未稼働案件を含む)についてご理解いただけたでしょうか。売却に関するすべての手続きを把握して実施するのは困難であることが理解いただけたと思います。また売却の際に効果的なメンテナンスや補修を行い、物件の価値を高めることが大切です。つまり、売却の際には実績と信頼のある専門業者と相談するのが最も早道です。

和上ホールディングスでは、売主様に安心して相談して頂ける自信がございます。これまでの太陽光発電設備の売買に関する実績は次の通りです。

  • スピード決済最短1週間で現金化
  • 豊富な施工実績
  • 創業27年の信用・O&M(メンテナンス)一貫体制、災害復旧にも強い
  • 売買実績500件超え
  • 他社よりも平均5%高く買取
  • 買い手が付かなければ和上HDが買取可能
  • 成約率78%

太陽光発電設備を売却したい方は、お気軽にご相談ください。お客様目線でしっかり査定いたします。また、売却前にしっかり点検を行い、発電設備の価値を高める提案もさせて頂きます。

和上ホールディングスでは独自の顧客ネットワークを活用し、早期の売買契約を実現できます。また「再生可能エネルギー100年企業」を目指しており、お客様の売りたい買いたいのニーズをあらゆる角度から捉えて提案いたします。

まとめ

2009年から太陽光発電の電力買取制度が始まり、この約10年で、買取価格の下落、電気料金の上昇、FIT制度の改正など、投資面、事業面に関わる大きな変化がありました。2021年以降のFIT制度が大きく変わることが予想される状況で、太陽光発電の中古売買ビジネスが活発になっています。

一方、産業用太陽光発電施設の売買においては、売主、買主の双方とも、今後の事業展開と関連付けて検討する必要があります。特にFIT制度による買取期間が満了した後の事業計画が大切です。具体的には、発電コスト、法規制、電力事情、土地活用、周辺環境、ロケーションなど多岐に渡る要素を総合的に勘案して計画を立案する必要があります。なお、自己託送制度により自家発電に活用することが可能です。VPP(バーチャルパワープラント)やスマートシティの事例が増え、将来の活用方法が増えていることも期待できます。

これまでの10年はFIT制度により急激な太陽光発電事業が増加した期間でした。今後の10年は、グリッドパリティ(再生可能エネルギーによる発電コスト≦既存の電力のコスト)が到来し、新たなエネルギービジネスが次々と登場すると予想されます。太陽光発電設備を所有している方は、新しい事業収益形態を検討するか、売却するかの事業判断が求められます。

売却を判断された場合、価値の高い内に早めの行動が大切です。まずはお気軽に和上ホールディングスにご連絡ください。

【参考サイト】

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